ほんなら許す代わりに証人よろしく 不定期ではあるものの、躑躅森家にてそれなりな頻度で行われているどついたれ本舗の飲み会。
いつものようにアポもなく簓と共に盧笙宅へと押しかければ、文句を言いつつ家主はしっかりきっかり侵入者たちをもてなすために、あれこれ忙しなく動いてくれている。
そういうところが自分たちにつけ込まれる要因だと、あの男はいつになったら気がつくのか。
盧笙にはどこまでもどこまでも甘いはずの我らがリーダーは、その辺りに関しては改善させるつもりはないらしいので、多分当分はこのままなんだろうというのが零の予想だった。
先に勝手に飲んでおけと出された酒を手酌で注ぎ、持ち込んだ惣菜をパックのまま並べた状態で簓と雑談していたのだけれど、ふと不自然な沈黙が落ちたのでみてみれば、簓がテーブルに顔を突っ伏していた。
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