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    Fuca2Fuca2

    @Fuca2Fuca2

    筆が速いのが取り柄です、Twitterで書いたものをここに入れます。
    責任ある大人しか見ちゃダメなものもぶち込みます。(ちゃんとR表示します)
    書いてる人は、品性下劣かつ下品で助兵衛です。
    だから、そんな作品しかありません。
    ※シモの話は♡喘ぎデフォです。
    最近拠点を支部に移したので、ここは跡地のようなものです。

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    Fuca2Fuca2

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    めめさん(@me_04396)のオリキャラちゃん達、フジくんとメロちゃんの小説を書かせて頂きました✨️
    とっても可愛くて耽美な、SFファンタジーです🫶

    #フジメロFA

    フジメロ小話まとめ・かりそめのパ・ド・ドゥ


    「あら、フレーダーセンさん。ごきげんよう」
    すまし顔の同級生に声を掛けられ、小柄な少女が立ち止まる。
    彼女達よりも頭ひとつ分低いところにあるアイスグリーンの髪が、サラリと少女の背中で揺れた。
    癖のついたロングヘアを恥じらうように軽く手で抑え、少女は微笑む。

    「あら、ごきげんよう。皆様方」
    陶器でできたように滑らかな頬に、ほんの少しだけ朱色を乗せて微笑むメロ・フレーダーセンは、文句の付けようが無い美少女だ。
    その背後には従順なアーティロイドのフジが、彼女の通学鞄を抱え静かに俯いている。
    彼もまた美青年然とした美しい鼻筋に、高級光ファイバー製の前髪の影を落とし、主人であるメロの指示を待って佇んでいる。
    まさに絵になる青年と少女、身に付けた学校規定の制服も相俟って、彼ら二人からは箱詰めのビスクドールのような気品を感じた。
    メロは少しだけはにかんで、同級生よりも随分小ぶりな手を上品に振りながら廊下を通り過ぎていく。

    「あらフレーダーセンさん、もうお帰りなの?」
    「えぇ、そうですの」
    「お急ぎでなければ、わたくし達と少しおしゃべりしていきませんこと?」
    「とても嬉しいお誘いだけれど、遠慮させていただきますわ」
    「あら残念、またの機会にいらしてね」
    「いつもお声がけありがとう、失礼いたしますわね」
    淡いピンクの唇に笑みを乗せ、メロはフジと共に去っていった。
    ふたり分の足音が廊下から聞こえなくなった頃、同級生達は一気に顔を曇らせヒソヒソと囁きだす。

    「あの声、あの態度……全く、同級生ながら嫌になりますわ」
    「本当に、生意気ですこと」
    「飛び級だか首席だか……、とにかくあの鼻につく態度、本当にどうにかして頂きたいですわ」
    「お高くとまっちゃって……」
    「それにあの髪、随分とご自慢かもしれませんが、あの髪質じゃあ……ねぇ?」
    「いっそ切ってしまえばよろしいのに、それかお金持ちの親御さんに頼めばいいのに」
    「わたくしだったら、あんなくせっ毛。恥ずかしくて外も歩けませんわ」
    「あぁ、本当に目障り。卒業でもなんでもさっさとして、早く消えてくれればいいのに」
    誰かの呟きに一斉に賛同すると、彼らは再び止まない陰口の密告パーティーに興じた。

    一方その頃、同級生に見送られたメロとフジの様子が、じわじわと変化していく。
    メロが足を一歩進めるごとに、乱れていく彼女の呼吸音や乱暴になる足音に、フジは静かにその時を待った。
    登録済みの平常時バイタルと、現在のメロの健康状態をこまめに比較し、彼は静かに舌なめずりをする。
    メロの細い脚が昇降口では無く、屋上に続く階段に向けられたことを察知したフジは、思わず無言でこぶしを握り締めた。

    「(やった早く、早くこい。早くきて、早く、早く、早く……)」
    フジの願いが通じたのか、屋上ひとつ手前の踊り場に辿り着いた瞬間、メロが足を止める。
    勢い良く振り返った彼女の髪が弧を描き、ふわりと風に舞う様子を、フジはどこか夢心地でうっとり見つめた。
    本物の花から精製された、メロ専用オーダーメイドのヘアオイルの香りを楽しみながら、彼が瞬きをした刹那。
    バチン、と激しい音を立ててフジの薄灰色の頬が打たれる。
    培養皮膚とはいえ、その内部を占める殆どは合成金属。見せ掛けの暖かい頬を叩いた張本人であるメロは、白く柔らかな手のひらを真っ赤に腫らして俯いていた。
    銀色の瞳に涙をいっぱいに湛え、歯型がくっきり付くほど小さな唇を噛み締め、込み上げる感情に肩を震わせる彼女に、フジの胸部小型核融合炉が、どくりと音を立てる。
    それでも彼は素知らぬ顔で、プログラムされた微笑を頬に乗せて、紳士的に膝を折った。

    「どうしたの、メロちゃん」
    その甘く優しい声色に、メロの瞳からぽろりと一粒の涙が零れた。
    「……うるさい、」
    彼女の小さな拳が握り締められ、わなわなと震える。
    「うるさい、うるさいっ」
    ガツン、と再びフジのボディーに衝撃が走る。
    今度はメロの拳が、彼の胸部を強く打ち付けた。
    ぐわんぐわんと体内に響くちっぽけな打撃音に、フジの口元が僅かに緩む。
    怒りに震える弱々しい拳が、何度も彼の胸部パーツを穿ち、熱いブルーブラッドが衝撃以上の悦びで全身を駆け巡る。
    甘んじて打撃を受け入れているフジの表情がみるみる崩れ、彼のネオンブルーの瞳が興奮でチカチカと瞬いた。
    不意に手を止めたメロが、黙って彼を見上げる。

    「……なによ、その顔」
    中腰だとしても随分高いところにあるフジの顔面に、泣き顔のまま激しく詰め寄った。
    「あんたも、……あんたもッわたしのこと、バカにしてるのね」
    人気の無い屋上階段、メロの慟哭はその静かな空気をびりびりと揺らした。聴覚センサーから痛い程伝わる彼女の怒りと悲しみに、フジの唇から我慢出来ずに熱い吐息が零れる。

    「メロちゃん……、」
    「嫌い、あんたなんか大っ嫌いッ」
    頬を伝う涙もそのままに、メロは絶叫する。
    「あんたもっ、馬鹿なアイツらも、担任もみんなみんな、わたしをバカにしてっ……」
    もう一度、ガツンとフジの胸を殴り付ける。
    「メロちゃん、」
    素早く跪くとメロの腕ごと包み込むように、フジは小さな身体を抱き締める。
    「やめろ、離して……ッ」
    「やだ、だめ。離してあげない」
    従う立場のアンドロイドのくせに、彼は一丁前に反論する。藻掻く主人の身体を強く抱き寄せ、その耳元に唇を寄せた。
    「いくら人が来ないとしても、階段は音が響くから。……大嫌いなクラスメイトに、聞こえちゃうかもよ?」
    幼い主人を咎めるにしては随分ねっとりした声色に、メロの動きが止まる。少しだけ肩の力を抜いた彼女に満足して、フジは静かにほくそ笑んだ。

    「偉いねメロちゃん、我慢出来て」
    「……」
    バツが悪そうに黙りこくったメロの頬に指を滑らせ、フジはちゅっちゅと音を立ててキスを贈る。
    「……子供扱いすんな」
    「してないよ、子供扱いなんて。人前で泣くの、我慢出来てえらいね。クラスメイトの意地悪に、笑顔で返せてえらいね。えらい、えらいよメロちゃん」
    「バカにしないで、」
    「バカになんてしてないよ、本当にえらいと思うんだ。褒めてあげてるんだよ?」
    疑いの籠った眼差しに、フジはニコリと笑顔で返す。

    「いつも言ってるでしょ、あんなやつらのことなんか気にしなくていい、って。今日みたいにテキトーにあしらえば、満足する下等生物なんだから」
    「……」
    幾らか泣いてスッキリしたのか、メロは黙りこくったまま静かに鼻を啜った。
    「さぁ、お家に帰ろう。それとも、なにかご褒美を買いに行く?ケーキ、クッキー?パフェでもいいね」
    何か言いたげに口を開いたメロを遮り、「あー、そっか」とフジは間延びした声を出す。
    「寄り道したら、その真っ赤な泣き顔、みーんなに見られちゃって恥ずかしいよね?」
    ひくり、とメロの眉が引くつく。
    細い肩が再びわなないて、フジがそれに気づく前に彼女は大きく口を開いた。

    「……ッ、このポンコツロボット」
    バチン、と一際大きく頬を叩かれ、フジの首関節がごきりと音を立てる。
    「(あぁ、後でメロちゃんに修理して貰わなきゃ。)」
    大切なボディーのメンテナンスをしてもらう為にも、この愚かで可愛らしい主人のご機嫌を、どうやって取ろうかと思案を巡らせ、フジはその唇に歪な笑みを乗せた。


    ♡♡♡


    ・なまいきラングドシャ

    ゆっくり、アイスグリーンのまつ毛に縁取られた目蓋が持ち上がる。
    メロの銀色の瞳が寝室の天井を映し、視界の端に淡く発光する藤色の髪を捉えた。
    「おはよう、メロちゃん。」
    ベッドに頬杖をついて微笑むフジを横目に、メロは小さく舌打ちして寝返りを打つ。
    ベッドサイドにぺたりと膝を着いて笑いかける彼は、くすくすと笑いながら背けられた小さな背中を、ツンツンと指でつついた。

    「どうする、二度寝する?今はAM8:35、お休みの日にしてはかなり早起きだよ。」
    メロは眠たい目を乱暴に擦りながら、鬱陶しいアンドロイドの声に耳を傾けた。
    「……、起きる。」
    ボソリと呟くと、彼女はゆっくり上半身を起こす。
    フジも釣られて立ち上がり、いつものように彼女の足元に跪いた。
    メロの細くて小さな足を太ももに乗せ、優しく丁寧につま先からストッキングを通していく。
    ストレッチ生地を慎重に伸ばし、すべすべと柔らかい彼女の皮膚を覆う。
    メロの鼠径部にベルトでパチンとストッキング固定したら、次は肌着の取り替え。
    うっすら肌が透ける程薄いレースは天然物のシルクで出来ていて、彼女の年齢から考えると、随分大人びて背伸びしたデザインだった。
    背中のリボンを外し、するりと床に落ちた肌着の代わりに、フジはサイドテーブルに用意したブラを手繰り寄せる。

    「メロちゃん。ストッキング出来たから、次はブラ着けるね。」
    メロは何の感情も無い顔で、黙ってフジを踏み付けていた足を退けると、傍らのベッドにぽすりと座り込む。
    フジはにっこり微笑むと、いつものように無言で両手を上げる彼女の背中に手を回し、そっと胸元にブラを宛てがう。
    発達中の緩やかな膨らみを押さえつけないように仕立てられた、オーダーメイドのカップをセットし、ホックを掛ける。
    肩紐とくい込みを調整したフジは、満足そうに頷いて手を離した。

    「準備完了今日は何を着る?ワンピース、パンツルック、どれを用意しようか?」
    まだ眠たげなメロは、弾けんばかりの笑顔の彼に向かって大きな欠伸を零すと、ぼんやりと窓の外を眺めた。
    今日も空は相変わらず、完璧に調整されたホログラムの青空を映している。
    「……この前、通販で買ったやつ。」
    「あぁ、ブルーグレーの?」
    「うん。」
    「分かったよ、ちょっと待ってて。」
    フジはひとつ頷いてメロの前髪に優しくキスを贈る。
    彼女は途端に顔を顰めると、柔らかな人工の唇が触れた前髪を鬱陶しそうに掻き乱す。
    ガシガシと乱暴に手櫛を入れるメロを横目に、フジは鼻歌交じりにクローゼットの扉を開いた。
    彼が両腕をめいっぱい伸ばしたよりも、まだ大きい。成人男性が横になって眠れる程の広さがあるスペースには、所狭しと服が詰め込まれている。
    フジは制服と部屋着の隙間に手を突っ込むと、滅多に使わない特大のスーツケースを取り出した。
    これが、メロの秘密のワードローブ。
    厳格な彼女の両親が聞いたら絶句するような大衆向けブランドや、奇抜なデザインの服が収納されている。
    その大きなスーツケースを華奢な細腕でひょいと取り出すと、彼はいそいそとメロの前でジッパーを開く。
    所狭しと服が押し込まれた中から、彼の指は迷わずに、有名な通販メーカーのビニール袋に包まれたままのパンツをひとつ取り出した。
    ブルーグレーのカーゴパンツは、メロがついこの間通販で買ったもの。両親の監視の目を潜り抜け注文し、身分を偽って購入した自慢の一着だ。

    「はい、これだよね。」
    「ん。」
    「上はどうする?ブラウス、Tシャツ?」
    メロの視線が、スーツケースの中を彷徨う。
    その目に迷いがあることを察すると、フジはにっこりと微笑んで、ひとつのTシャツを摘み上げた。
    ネオンブルーのタイダイと、フューシャピンクの絞りが入ったそのシャツは、下界で流行りだというケミカルウォッシュの荒い生地。裾や肩がほつれている粗悪品だが、メロが知らないバンドのロゴが入ったそのTシャツは、たまたまふたりが下界を探索している時に、衝動買いしたものだった。
    その後すぐに、「僕もメロちゃんとお揃いがいい」と言って聞かなかったフジによって、ワードローブの中には色違いのTシャツが仕舞われている。
    ひとつをメロに差し出し、もうひとつを自分の胸に宛てがいながら、フジはにこりと美しく微笑んで見せる。

    「どう?これ着て、ふたりでペアルックデートしようよ」
    「……仕方ないわね。」
    憎まれ口を叩くメロに対し、フジはただ呑気に「やったぁ」と嬉しそうに歓声な上げた。
    いそいそとグリーンとシルバーのタイダイTシャツを着込む彼に、メロは欠伸をひとつ零して、ググッと背伸びする。
    くぅ、と彼女の腹の虫が声を上げる。
    「お腹空いた……。」
    「折角だし、"下"で朝ごはん食べるかい?」
    「悪くないわね。」
    メロの足にカーゴパンツを通してやりながら、フジは下界の飲食店情報を検索する。

    「……あ、ここどうかな?最近流行りのスイーツだって旧世代の食事をモチーフに、動物性タンパク質を凝固させて甘く味付けしたゼリーだってさ」
    彼女の情報デバイスに、店のレビューと画像が幾つか表示される。
    クリーム色のゼリーの上に、焦げ茶色のシロップがたっぷり掛けられた見慣れない食品の横には「プリン」と銘打たれている。
    「ふぅん、"ぷりん"ね。」
    「ね、名前も可愛いよね?プリン、って。……まるでほら、」
    フジはそう言うと、ふんわりと押し上げられたメロの胸肉を、ぷにゅり、とつついた。
    「ッ」
    「へへ、メロちゃんの胸、柔らかくって、ぷりん♡って感じ。」
    「こ、んのっ変態ロボット」
    メロのこぶしを喜んで受け入れ、彼は微笑む。
    赤く染まる頬も、痛くないパンチも、賢いところも、愚かなところも。
    全部が、全部愛おしい。
    「メロちゃんは本当に可愛いなぁ〜。」
    「うるさいバカバカバカバカセクハラロボット」
    幼い主人が飽きるまで、フジは彼女の責め具を甘んじて受け止める。
    あと数分もすれば、メロは疲れて殴るのをやめるだろう。
    納得いかない顔の彼女を宥めすかして、服を着せる。
    そうすればあとはこっちのもので、メロの膝裏に手を差し込んで、この鳥籠のような部屋の窓から外に飛び出すだけ。
    幸せな妄想に、彼は相変わらずニコニコと微笑む。
    フジのシュミレーションによれば、あと7分後。
    7分後のデートに心躍らせ、涙目のメロを見下ろしながら笑った。


    ♡♡♡


    うそつきピエロット

    僕はフジ、メロちゃん専用のアーティロイド。
    僕には、ふたりの前任者が居る。
    ひとりは、僕と同じアーティロイドの女性。
    彼女は、僕のご主人様であるメロちゃんのお世話係だった。
    彼女から教えられた事(データ)は、あまりにも多い。
    メロちゃんの生年月日、血液型、遺伝子情報、体質、学校の成績、エトセトラ……。
    彼女は量産型の割に、お世話係として良くやっていたと思う。

    もうひとりの前任者は、ふじ。
    フルネームは、澁澤・ふじ・ロトワング。
    僕の、"元になった人物"。
    より正確に言うのなら、僕は彼の手によって造られた、彼の模造品。
    僕にとって彼は、父であり、自分自身でもある。そんな存在。
    僕のメモリーには、彼がいかにメロちゃんを愛していたか、それだけが深く刻み込まれていた。
    メロちゃんを愛すためだけに造られた僕の身体は、ひどく空っぽで。
    その空白を埋めるように、僕はメロちゃんの情報を吸収した。
    こうして僕は、メロちゃんを愛するためだけのロボットとして存在している。
    でもメロちゃんは、僕のことが嫌いみたい。
    ううん、きっとメロちゃんは。
    メロちゃんは、本当に、本当に前任者を愛していたんだ。
    だから僕はメロちゃんにとって、ふじくんの紛い物でしかない。
    ……それは、少し寂しかったけど。
    でも、それでいいんだ。
    僕の幸せは、メロちゃんを愛すること。
    メロちゃんを幸せにして、メロちゃんを大切にすること。
    この嘘にまみれた汚い世界で、唯一綺麗なメロちゃんを。
    メロちゃんが好きなこの顔で、この声で。
    メロちゃんを笑顔にすること。
    それだけ。
    ただそれだけが、僕の喜びだから。
    「メロちゃん、大好きだよ。」
    僕は、今日も嘘をつく。
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