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    ParAI_t

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    ParAI_t

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    願いのその先で / クロアス

    個人的には影123+光34くらいにならんかと思ってたんですがまさかまさかのあの展開で、用意してたパターンどっちもそぐわない気がしたんですが、多分こっちならギリありかなと思うのでこちらで…!
    公式の見せた解があまりに綺麗すぎて何をいっていいやらわからないですね…!
    大人可愛いを全力でお出しされてしまってはもう言えることが何もないよ…!

    ##クロアス

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    クロービスとアステルは城下を訪れていた。決まった時間に決まったルート。アステルはもう手慣れたもので、辺りを見回しながらも目的地をしっかり見定めて進むことが出来ている。

    「君は随分とこの街に慣れたようだ」
    「はいっ。もしかしたらもうクロービスさんよりも詳しいのかも」
    「……ほう、大した自信だな?」
    「試してみますか?」

    アステルはこの通り沿いを見渡した。一軒一軒指折り数え、ある建物に目を留めて高らかに宣言する。

    「あそこには新しく紅茶の専門店ができます!」
    「当たりだ。ラクリモッサに本店を置く老舗だな。契約農家の質が良く、王室御用達とするかどうか審査中という報告を見たよ」
    「え、ええっと、じゃああっちにはリンゴ飴の専門店が」
    「キスククからの直輸入店か。スレイヤーで何人か浮き足立っている者がいたので目を光らせておかねばならぬ」
    「うーん、とそれじゃ…」
    「ああ、そういえばこの先の道沿いに移動販売の出店もあるはずだ」
    「えっ……」
    「今日から営業開始だったはずだが、まさか寄りたいと言い出すのではないだろうな?」

    呆気にとられているアステルに、クロービスは淡々と次々にこの通りの解説を加えていく。一通り情報を並べ終える頃には、大人げない勝敗が決していた。頬を膨らませ悔しいと顔に書いてあるアステルに、クロービスはやれやれと呆れたように呟く。

    「まったく、誰が営業許可証を出したと思っているのだね」
    「それ、魔道士長の職務範囲じゃないんじゃ…!?」
    「こういう事は手が空いている者が進めた方が早いだろう」
    「ええと、ここのところずっと忙しかったよですよね…?」
    「…むぅ、余計なことはよく覚えているものだ」

    思わぬ形で墓穴を掘ったクロービスは、言葉を詰まらせる。アステルは、だってクロービスさんの事ですから、とはにかんで、それ以上の追求を止めることにした。

    「それにしても、賑やかになりましたね」

    初めて視察に連れてこられた頃には何もなかった場所に、真新しい家や店が立ち並ぶ。少し前までは人通りが疎らだった道が、溢れんばかりの活気に満ちていた。

    「まだやるべきことは多いがね」
    「そう、ですね」

    大いなる脅威は去ったといえど、問題は山積みだ。むしろこれからが正念場だろう。全てを恐怖のせいにできた時点は、もうとうに過ぎてしまっている。これから、やらなくてはならないこと、向き合わなくてはならないことはますます増えていくのだ。人々がみな互いに手を取り合い幸福に笑う明日、恒久の平和への道のりは長く険しいものとなることだろう。それでも、アステルにはある確信があった。

    「でも、私とクロービスさんならきっと大丈夫です」
    「根拠はあるのかね?」
    「史上最高の勇者とグランスレイヤーだから、とかじゃ駄目ですか?」
    「……フッ、いいだろう」

    グランロットの死神の異名を持つ純粋な青年と、世界を救う希望になった普通の村娘は、どちらともなく手を取り合う。離れぬようにしっかりと結ばれた手はあたたかい。
    明日も明後日もその先も。今はずっとずっと遙か遠い未来、クロービスの理想が果たされるその日まで。共に日々を過ごすこととなるだろう、というアステル予感には、一点の曇りもなく。

    二人の揃った歩みは緩やかに、夢の先へと繋がっていた。
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    ❤❤💖
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    ParAI_t

    MOURNING11月のカレンダー没案です。
    クリスタニア編でリーン様が不穏なこと言ってた印象が濃い辺りの頃に書いたので、今思うと「とにかく無事に終われ!?」みたいなノリをひしひしと感じる←
    アプリ版だと第一部のラクリモッサでしばらく三柱でお茶会してないみたいな話があったので、こんな風な日常に戻ってたらいいよねぇみたいな願いを込めてます。
    いやぁ、今週のクリスタニア編も楽しみですね☺️
    11月カレンダー没案(サシャ・リーンハルト) ほう、とついた息が白く漂う。もうそんな
    季節になったんですねー、としみじみとして
    サシャは陶器の音をテーブルに響かせた。
     本日の茶会は鮮やかに色付いた秋を
    鑑賞しようと屋外で行うことになっている。
    外気での冷却も計算に入れてあるから、
    ティーポットの中身はそろそろ飲みごろに
    なるはずだ。あとは二人を待つだけですね、
    と視線を上げれば、はらりと赤や黄が高い
    空に散っていた。かつての戦いと同じ季節が
    これほどまでに穏やかに過ごせているのだ、
    とサシャはゆるりと目を細める。
    「おや、あいつはまだ書類と格闘中かな」
    「年の変わり目も近いですからねー。魔道
    交信ではもうすぐ来ると言ってましたがー」
     そうしてさらりと金の髪を揺らす赤い鎧も、
    358

    ParAI_t

    DONEドロライ参加作品です。お題は「いい夫婦の日」。
    モブ秘書がクロアス夫婦+子供を観察してる謎の話になります。需要は私にある(澄んだ瞳)
    キャラスト3話で父さん母さん呼びしてたのに、なんか今は父上母上呼びしてるから、つまり結婚後はこんなんじゃない?みたいなノリで書きました。
    いずれ職場で「パパは〜」とか言っちゃう話も書きたい。結婚後でなくても天惺獣関係ならスレイヤー全員やらかせる余地はあるしな…!←
    困惑メラビアン−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−































     どうも直属の上司は厳しい人柄、らしい。風の噂でそんな評判を聞きつけて、グランロット王国宮廷魔道士長、クロービス・ノア付となった新任秘書は、緊張に身を固くして部屋の扉を叩いていた。出迎えた予想と違わぬ鋭い眼光に気圧されつつも、準備をしていた甲斐もあり用件は滞りなく進んでいく。
     魔王との長きにわたる戦いを終えたグランスレイヤーともなればこの威厳も当然か。多方面に渡る業務内容を迅速かつ正確無比にこなしていく姿に、秘書は自分なりに答えを得て、一礼し退出しようとする。そうして顔を上げた刹那、廊下からかすかに幼子の声が聞こえてきた。
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    ParAI_t

    DONE※いつも以上に原作の行間にクロアスをねじ込んでいます
    ※※特に本筋ではないのですが、若干ガレル・パレル編のネタバレを含みます

    オトメ勇者初恋Webアンソロジー寄稿作品になります
    ほぼほぼ謎の青年C(AとBがないのが作為的とか言わない)が活躍しているクロアス(?)な雰囲気ですが、お楽しみいただければ幸いです
    今週のクリスタニア編と矛盾しないといいなあ…(直し入るとめんどいなという顔)
    キャンディタフトは甘やかに揺れる / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
















     その名の通りに飴で出来ているかのように、小さな白い花は甘く香っていた。

    「クロービスさん。頼まれてたもの持ってきましたけど、どこに置いておきますか?」
    「ああ、机に空きがあるだろう。そこに頼む」
    「はーい」

     年代物の深緑の図鑑から目を上げ指示を出したクロービスは、すぐに意識を机に戻すとリストへチェックを入れる。本日この時間のクロービスの業務は、実験室での魔法薬の調合だった。王城に併設された植物園から運んできた花の色と香りに、何かを思い出したアステルはなんの気なしに口にする。
    4742

    ParAI_t

    DONE※オトメ勇者最新話(第57話)ネタバレ
    お題は「神無月」です
    今週もまたすごい展開でしたねえ
    推しの心情深掘り第2弾ということで、今週の展開を踏まえた今回もまるで先行きが明るくはないお話です
    毎週のお題に合わせて可能な限り続けていきたいけど、多分そのうち矛盾すると思う(確信)
    書いてて思ったけど、メインストがトゥルー爆走してるなあと思うと同時に箸休め回をくれ…!
    イチャコラさせる暇がないんだよなあ
    裁きの光は虚ろにて / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



















     勇者は、死んだ。エルドアの淡々とした発言を聞いたクロービスは、しばし呆然と立ち尽くしていた。六天魔という異常事態を片付けねばならない、と理性が警告を発しているものの、目の前の光景はとうに現実味を感じられなくなっている。
     いつかの悪夢のように魔物に命を狙われたとしても、守ってやれるはずだった。それがこの現状はどうだろう。女神の声を聴く者は、これほどに呆気なく希望の光を握りつぶし平然としている。傷つき悩み、憂い惑い、それでも譲れないもののために何度でも立ち上がって剣を振るっていた少女を切り捨てる事が、この聖なる地の正義だった。
    1108

    recommended works

    ParAI_t

    DONE予期せぬエラーが発生しました / クロアス

    みみみさんのツイートを思い出し笑いしてたら、興が乗ってしまったので書きました
    予定では前者を採用するはずだったのにおかしいな…?🤔
    いつも以上にやらかしているクロービスさんをお楽しみください←
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    書庫の貸し出しカウンターの奥にある、司書室の休憩スペースにて。平素はグランロットの死神と恐れられる黒魔道士が、生気を失いテーブルに突っ伏していた。

    「いっそ殺してくれ……」

    クロービスとは長いつき合いになるがこんな顔は初めて見るかもしれない、とサシャとリーンハルトは苦笑する。
    先日レースで出くわした魔物からアステルをかばった際に、クロービスは一時的に記憶をなくしていた。現在は記憶を取り戻したものの、喪失中に恋人へ酷い態度をとった事が忘れられないらしい。顔を合わせるのが気まずいためか、ここ連日アステルから逃げ回っている。

    「魔物の影響ですし、彼女も気にしないといってましたよー?」
    「だからといって許されることではないだろう……!」
    「そもそも普段から、落差を感じられるほど優しくもしていないでしょうに」
    「……うるさい」

    キッと睨み付けるクロービスに、彼女から聞いた話が元なんですが、という言葉をリーンハルト 2801