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    ParAI_t

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    ParAI_t

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    ドロライ参加作品です。お題は「いい夫婦の日」。
    モブ秘書がクロアス夫婦+子供を観察してる謎の話になります。需要は私にある(澄んだ瞳)
    キャラスト3話で父さん母さん呼びしてたのに、なんか今は父上母上呼びしてるから、つまり結婚後はこんなんじゃない?みたいなノリで書きました。
    いずれ職場で「パパは〜」とか言っちゃう話も書きたい。結婚後でなくても天惺獣関係ならスレイヤー全員やらかせる余地はあるしな…!←

    ##クロアス
    ##ノア家

    困惑メラビアン−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−































     どうも直属の上司は厳しい人柄、らしい。風の噂でそんな評判を聞きつけて、グランロット王国宮廷魔道士長、クロービス・ノア付となった新任秘書は、緊張に身を固くして部屋の扉を叩いていた。出迎えた予想と違わぬ鋭い眼光に気圧されつつも、準備をしていた甲斐もあり用件は滞りなく進んでいく。
     魔王との長きにわたる戦いを終えたグランスレイヤーともなればこの威厳も当然か。多方面に渡る業務内容を迅速かつ正確無比にこなしていく姿に、秘書は自分なりに答えを得て、一礼し退出しようとする。そうして顔を上げた刹那、廊下からかすかに幼子の声が聞こえてきた。


    「ま……かあ……さま……」


     迷子だろうか、と秘書が扉を開ければ、今にも泣きださんばかりの男の子が誰かを必死に探している。扉の開く音に秘書の方を向いた男の子は、安心したように涙を一筋流すと、一目散に駆け寄ろうとした。


    「ぱ……とうさ……わぁっ!」


     慌てて駆け出そうとした足がもつれ、男の子の身体がぐらりと傾ぐ。秘書が危ないと判断するよりも早く、何もない空間に突如として現れた黒い影がそれを抱きとめていた。


    「……魔道士たるもの常に冷静に行動する。いつも言っているだろう」
    「ふえ……ひっぐ……。……ごめんなさい、とうさま」


     大人を相手にするのと変わらぬ口調で詰めるクロービスに、我が子にも厳格な人なのか、と秘書は思いかけるもなにか引っかかるものを感じた。この短距離で移動魔法を使う必要はあったのだろうか。あの魔法は座標の精度を上げれば上げるほど魔力消費量が大きいはずだ。秘書は転んでも大事には至らないであろうふかふかの絨毯を見ながら疑問を浮かべる。出ていく機会を失ってぼんやりと様子を見守っていると、さらに親子の会話は続いていく。


    「昨日、立派な魔道士になって母様をお嫁さんにすると宣言したのはどこの誰だったかね?」
    「ひくっ、いいの……?」
    「……私を倒せたらな」


     泣き止みかけた男の子が、クロービスの言葉にそんなの無理だよと言わんばかりに歪んだ。数少ない長所として聞いていた実直ってこういうことなのか、と更に秘書が疑問符を増やしたところで、ぱたぱたと女性が駆け寄ってくる。


    「ああっ、クロービスさん! お仕事中すみません!」


     母親と思しき若い女性、今代の勇者であるアステルを見た男の子は、クロービスから離れ母の元へ早足で向う。屈んで待ち構えていたアステルは、飛び込んできた男の子を抱き上げて、あやしはじめた。クロービスはその様子にため息をつくと、苦言を呈する。


    「目を離すな。危ないだろう」
    「うう、すみません。忘れてたお弁当を届けにきただけのつもりだったんですけど、つい大臣様に呼ばれてしまって……」
    「むぅ、それなら私の落ち度でもあるか……」


     クロービスの肩越しに可愛らしい花柄の包みがちらりと見えた。あれで愛妻弁当なんだ、と秘書が下馬評との差異に混迷を極めたところで、じゃあ届け物もおわったし私は帰りますね、とアステルは立ち去ろうとする。


    「もう帰っちゃうの?」
    「うん、パパのお仕事の邪魔にならないようにしないとね」


     和やかに緩んでいた空気が瞬時に凍る気配がした。背中越しの黒衣の圧が冷たくアステルへと突き刺さる。


    「アースーテールー?」
    「えっ……、あっああっ!? ごめんなさい! お詫びに今日の晩御飯のおかず、クロービスさんの好物にしますから…!」


     しまった、と申し訳なさそうに頭を下げ、アステルはそそくさと退散していく。残されたクロービスと秘書はなんとも言いがたい空気に包まれていた。


    「ええと、晩御飯、楽しみですね……?」
    「……この事は他言無用で頼む」


     秘書は承知しました、とだけ答えようやく執務室を後にする。クロービスの秘書としての初出勤日、魔道士長の評判は思わぬ方向に転がる事になったのだった。
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    ParAI_t

    MOURNING11月のカレンダー没案です。
    クリスタニア編でリーン様が不穏なこと言ってた印象が濃い辺りの頃に書いたので、今思うと「とにかく無事に終われ!?」みたいなノリをひしひしと感じる←
    アプリ版だと第一部のラクリモッサでしばらく三柱でお茶会してないみたいな話があったので、こんな風な日常に戻ってたらいいよねぇみたいな願いを込めてます。
    いやぁ、今週のクリスタニア編も楽しみですね☺️
    11月カレンダー没案(サシャ・リーンハルト) ほう、とついた息が白く漂う。もうそんな
    季節になったんですねー、としみじみとして
    サシャは陶器の音をテーブルに響かせた。
     本日の茶会は鮮やかに色付いた秋を
    鑑賞しようと屋外で行うことになっている。
    外気での冷却も計算に入れてあるから、
    ティーポットの中身はそろそろ飲みごろに
    なるはずだ。あとは二人を待つだけですね、
    と視線を上げれば、はらりと赤や黄が高い
    空に散っていた。かつての戦いと同じ季節が
    これほどまでに穏やかに過ごせているのだ、
    とサシャはゆるりと目を細める。
    「おや、あいつはまだ書類と格闘中かな」
    「年の変わり目も近いですからねー。魔道
    交信ではもうすぐ来ると言ってましたがー」
     そうしてさらりと金の髪を揺らす赤い鎧も、
    358

    ParAI_t

    DONEドロライ参加作品です。お題は「いい夫婦の日」。
    モブ秘書がクロアス夫婦+子供を観察してる謎の話になります。需要は私にある(澄んだ瞳)
    キャラスト3話で父さん母さん呼びしてたのに、なんか今は父上母上呼びしてるから、つまり結婚後はこんなんじゃない?みたいなノリで書きました。
    いずれ職場で「パパは〜」とか言っちゃう話も書きたい。結婚後でなくても天惺獣関係ならスレイヤー全員やらかせる余地はあるしな…!←
    困惑メラビアン−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−































     どうも直属の上司は厳しい人柄、らしい。風の噂でそんな評判を聞きつけて、グランロット王国宮廷魔道士長、クロービス・ノア付となった新任秘書は、緊張に身を固くして部屋の扉を叩いていた。出迎えた予想と違わぬ鋭い眼光に気圧されつつも、準備をしていた甲斐もあり用件は滞りなく進んでいく。
     魔王との長きにわたる戦いを終えたグランスレイヤーともなればこの威厳も当然か。多方面に渡る業務内容を迅速かつ正確無比にこなしていく姿に、秘書は自分なりに答えを得て、一礼し退出しようとする。そうして顔を上げた刹那、廊下からかすかに幼子の声が聞こえてきた。
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    ParAI_t

    DONE※いつも以上に原作の行間にクロアスをねじ込んでいます
    ※※特に本筋ではないのですが、若干ガレル・パレル編のネタバレを含みます

    オトメ勇者初恋Webアンソロジー寄稿作品になります
    ほぼほぼ謎の青年C(AとBがないのが作為的とか言わない)が活躍しているクロアス(?)な雰囲気ですが、お楽しみいただければ幸いです
    今週のクリスタニア編と矛盾しないといいなあ…(直し入るとめんどいなという顔)
    キャンディタフトは甘やかに揺れる / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
















     その名の通りに飴で出来ているかのように、小さな白い花は甘く香っていた。

    「クロービスさん。頼まれてたもの持ってきましたけど、どこに置いておきますか?」
    「ああ、机に空きがあるだろう。そこに頼む」
    「はーい」

     年代物の深緑の図鑑から目を上げ指示を出したクロービスは、すぐに意識を机に戻すとリストへチェックを入れる。本日この時間のクロービスの業務は、実験室での魔法薬の調合だった。王城に併設された植物園から運んできた花の色と香りに、何かを思い出したアステルはなんの気なしに口にする。
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    ParAI_t

    DONE※オトメ勇者最新話(第57話)ネタバレ
    お題は「神無月」です
    今週もまたすごい展開でしたねえ
    推しの心情深掘り第2弾ということで、今週の展開を踏まえた今回もまるで先行きが明るくはないお話です
    毎週のお題に合わせて可能な限り続けていきたいけど、多分そのうち矛盾すると思う(確信)
    書いてて思ったけど、メインストがトゥルー爆走してるなあと思うと同時に箸休め回をくれ…!
    イチャコラさせる暇がないんだよなあ
    裁きの光は虚ろにて / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



















     勇者は、死んだ。エルドアの淡々とした発言を聞いたクロービスは、しばし呆然と立ち尽くしていた。六天魔という異常事態を片付けねばならない、と理性が警告を発しているものの、目の前の光景はとうに現実味を感じられなくなっている。
     いつかの悪夢のように魔物に命を狙われたとしても、守ってやれるはずだった。それがこの現状はどうだろう。女神の声を聴く者は、これほどに呆気なく希望の光を握りつぶし平然としている。傷つき悩み、憂い惑い、それでも譲れないもののために何度でも立ち上がって剣を振るっていた少女を切り捨てる事が、この聖なる地の正義だった。
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