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    ParAI_t

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    幻心痛 / クロアス

    なんとなく興が乗ったので、キバコさんが昨日続き見たいって言ってたと思しき話の候補全部書いてみたよシリーズその④

    影とかポケストの町遭遇イベ(心を惑わす魔物)前想定のあれそれ
    この状態のビス殿スキンシップどうなるんだろ、から色々派生しました
    美味しいように設定をあれそれ捏造しているので、色々気にしてはいけない

    ##クロアス

    ----------------------------------------------------------------------------------------------------































    全ての予定を完了した一日の終わり。
    アステルはクロービスの天幕を訪れていた。
    本日のレースは大荒れに荒れ、怪我を負ったクロービスは中で休んでいるはずだ。

    「クロービスさん、いますか?」

    声をかけるも返事はない。活躍が認められた辺りから、こういった無反応は日常になりつつあった。

    「クロービスさん、いないんですか?」

    中を確認しようと入口に手をかけると、開けるな、と短くも威圧感のある声が響く。アステルは一瞬怯んだものの、話をする絶好の機会にそのまま布を捲った。

    「開けるな、と言ったはずだ」

    強引に入ろうとした気配に気が付いたようで、入口から少し離れた薄暗闇にクロービスはいた。手当ての最中だったのか、上半身はシャツがはだけており、包帯が巻かれた素肌が露わになっている。右胸に固定された布には血が滲んでいた。痛々しさに反射的に目を背けそうになったアステルは、代わりにしっかりとクロービスの目を見据える。

    「治療に来ました」
    「必要ない。帰れ」
    「スキンシップの方が早く治せます」
    「それは、他の者へ……」

    言葉の途中で、クロービスは顔をしかめ、小さく呻いた。浅い呼吸を繰り返し、ぐらりと傾いだ身体は今にも倒れそうだ。
    やっぱりまた無理してる、と確信を持ったアステルは再度説得を試みる。

    「私に手当てをさせてください。これも勇者の責務です」
    「……終わったらすぐに帰れ」

    縋るような瞳を向けられたクロービスは、渋々と治療の許可を出す。時折立ち止まりながらもゆっくりと移動を続け、ベッドへと腰掛けた。いざとなったら支えよう、と横に付き添っていたアステルもすぐ隣へと座る。

    「ぐ……ぅ……」
    「ちょっと失礼しますね」

    女神の力を送る前にアステルは、包帯の上から負傷の状態を確認する。肩から胸にかかる傷はまだ血が完全には止まっておらず、想像以上に深手だ。怪我自体は力で治す事ができるが、身体には既に相当に負荷がかかっているだろう。今夜は熱が出るかもしれない、と容態を把握してアステルはすぐさま力を送り始める。
    苦しげに吐かれていた息は、徐々に落ち着いた物へと変わっていく。険しい顔をしたままのクロービスは、アステルが何を話しかけても無言を貫いていた。そうこうしているうちに傷は塞がり、鋭い視線がアステルへと注がれる。けれど、出ていけという圧の中に混じる、怪我以前から存在する苦悩の色と着実に培った穏やかさの名残が、どうにかアステルを踏みとどまらせた。

    「……包帯の下を見せてください」
    「いらぬ。もう下がりたまえ」
    「治ったと確認できるまで帰りません」

    頑として首を縦に振りそうにないアステルに、クロービスは深く溜め息をついて、包帯を解いていく。一番下に当てた布を外すと、傷は完全に塞がっており、流血した痕だけが残っていた。

    「身体、拭きますね」
    「そのくらい自分でできる」
    「拭いたら帰ります」
    「はぁ……。それで本当に最後だからな」

    アステルは濡らした布を手に取ると、赤く残された怪我の証を一つ一つ消していく。抱えこんでいる悩みと違って、それは簡単にぬぐい取ることができる。

    「なぜ君が辛そうな顔をする」
    「私がクロービスさんを癒せていないからです」
    「傷なら見ただろう」
    「でも、最近ずっと苦しそうじゃないですか。一体何に悩んでいるんですか」
    「それは……。気のせいだ」

    逸らされた目は、それ以上の言及を拒絶している。
    宿り続けている胸の痛みは、未だ治せないままだった。
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    ❤❤❤👏👏👏👏🙏🙏🙏
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    ParAI_t

    MOURNING11月のカレンダー没案です。
    クリスタニア編でリーン様が不穏なこと言ってた印象が濃い辺りの頃に書いたので、今思うと「とにかく無事に終われ!?」みたいなノリをひしひしと感じる←
    アプリ版だと第一部のラクリモッサでしばらく三柱でお茶会してないみたいな話があったので、こんな風な日常に戻ってたらいいよねぇみたいな願いを込めてます。
    いやぁ、今週のクリスタニア編も楽しみですね☺️
    11月カレンダー没案(サシャ・リーンハルト) ほう、とついた息が白く漂う。もうそんな
    季節になったんですねー、としみじみとして
    サシャは陶器の音をテーブルに響かせた。
     本日の茶会は鮮やかに色付いた秋を
    鑑賞しようと屋外で行うことになっている。
    外気での冷却も計算に入れてあるから、
    ティーポットの中身はそろそろ飲みごろに
    なるはずだ。あとは二人を待つだけですね、
    と視線を上げれば、はらりと赤や黄が高い
    空に散っていた。かつての戦いと同じ季節が
    これほどまでに穏やかに過ごせているのだ、
    とサシャはゆるりと目を細める。
    「おや、あいつはまだ書類と格闘中かな」
    「年の変わり目も近いですからねー。魔道
    交信ではもうすぐ来ると言ってましたがー」
     そうしてさらりと金の髪を揺らす赤い鎧も、
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    ParAI_t

    DONEドロライ参加作品です。お題は「いい夫婦の日」。
    モブ秘書がクロアス夫婦+子供を観察してる謎の話になります。需要は私にある(澄んだ瞳)
    キャラスト3話で父さん母さん呼びしてたのに、なんか今は父上母上呼びしてるから、つまり結婚後はこんなんじゃない?みたいなノリで書きました。
    いずれ職場で「パパは〜」とか言っちゃう話も書きたい。結婚後でなくても天惺獣関係ならスレイヤー全員やらかせる余地はあるしな…!←
    困惑メラビアン−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−































     どうも直属の上司は厳しい人柄、らしい。風の噂でそんな評判を聞きつけて、グランロット王国宮廷魔道士長、クロービス・ノア付となった新任秘書は、緊張に身を固くして部屋の扉を叩いていた。出迎えた予想と違わぬ鋭い眼光に気圧されつつも、準備をしていた甲斐もあり用件は滞りなく進んでいく。
     魔王との長きにわたる戦いを終えたグランスレイヤーともなればこの威厳も当然か。多方面に渡る業務内容を迅速かつ正確無比にこなしていく姿に、秘書は自分なりに答えを得て、一礼し退出しようとする。そうして顔を上げた刹那、廊下からかすかに幼子の声が聞こえてきた。
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    ParAI_t

    DONE※いつも以上に原作の行間にクロアスをねじ込んでいます
    ※※特に本筋ではないのですが、若干ガレル・パレル編のネタバレを含みます

    オトメ勇者初恋Webアンソロジー寄稿作品になります
    ほぼほぼ謎の青年C(AとBがないのが作為的とか言わない)が活躍しているクロアス(?)な雰囲気ですが、お楽しみいただければ幸いです
    今週のクリスタニア編と矛盾しないといいなあ…(直し入るとめんどいなという顔)
    キャンディタフトは甘やかに揺れる / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
















     その名の通りに飴で出来ているかのように、小さな白い花は甘く香っていた。

    「クロービスさん。頼まれてたもの持ってきましたけど、どこに置いておきますか?」
    「ああ、机に空きがあるだろう。そこに頼む」
    「はーい」

     年代物の深緑の図鑑から目を上げ指示を出したクロービスは、すぐに意識を机に戻すとリストへチェックを入れる。本日この時間のクロービスの業務は、実験室での魔法薬の調合だった。王城に併設された植物園から運んできた花の色と香りに、何かを思い出したアステルはなんの気なしに口にする。
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    ParAI_t

    DONE※オトメ勇者最新話(第57話)ネタバレ
    お題は「神無月」です
    今週もまたすごい展開でしたねえ
    推しの心情深掘り第2弾ということで、今週の展開を踏まえた今回もまるで先行きが明るくはないお話です
    毎週のお題に合わせて可能な限り続けていきたいけど、多分そのうち矛盾すると思う(確信)
    書いてて思ったけど、メインストがトゥルー爆走してるなあと思うと同時に箸休め回をくれ…!
    イチャコラさせる暇がないんだよなあ
    裁きの光は虚ろにて / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



















     勇者は、死んだ。エルドアの淡々とした発言を聞いたクロービスは、しばし呆然と立ち尽くしていた。六天魔という異常事態を片付けねばならない、と理性が警告を発しているものの、目の前の光景はとうに現実味を感じられなくなっている。
     いつかの悪夢のように魔物に命を狙われたとしても、守ってやれるはずだった。それがこの現状はどうだろう。女神の声を聴く者は、これほどに呆気なく希望の光を握りつぶし平然としている。傷つき悩み、憂い惑い、それでも譲れないもののために何度でも立ち上がって剣を振るっていた少女を切り捨てる事が、この聖なる地の正義だった。
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    ParAI_t

    DONE予期せぬエラーが発生しました / クロアス

    みみみさんのツイートを思い出し笑いしてたら、興が乗ってしまったので書きました
    予定では前者を採用するはずだったのにおかしいな…?🤔
    いつも以上にやらかしているクロービスさんをお楽しみください←
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    書庫の貸し出しカウンターの奥にある、司書室の休憩スペースにて。平素はグランロットの死神と恐れられる黒魔道士が、生気を失いテーブルに突っ伏していた。

    「いっそ殺してくれ……」

    クロービスとは長いつき合いになるがこんな顔は初めて見るかもしれない、とサシャとリーンハルトは苦笑する。
    先日レースで出くわした魔物からアステルをかばった際に、クロービスは一時的に記憶をなくしていた。現在は記憶を取り戻したものの、喪失中に恋人へ酷い態度をとった事が忘れられないらしい。顔を合わせるのが気まずいためか、ここ連日アステルから逃げ回っている。

    「魔物の影響ですし、彼女も気にしないといってましたよー?」
    「だからといって許されることではないだろう……!」
    「そもそも普段から、落差を感じられるほど優しくもしていないでしょうに」
    「……うるさい」

    キッと睨み付けるクロービスに、彼女から聞いた話が元なんですが、という言葉をリーンハルト 2801