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    ParAI_t

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    予定調和の再構築に失敗しました / クロアス

    久しぶりにラーリマ読み返してやっぱいいな、となりつつも当時乱された情緒の責任を黒魔道士長に取っていただきました←
    あのあと、このくらいズドベシャアってすっ転んでてほしいというか、魂エピソード実装はよ。
    クロアスだけどアステルちゃんは名前しか出てこないというか、地味に名前も出てきてないなこれ。

    ##クロアス

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     次の書類を取ろうと伸ばした手が机の上を滑る。何度目か数えるのも馬鹿馬鹿しいほどの空振りに眉間のシワを深めたところで、執務室の扉がノックされた。


    「……入りたまえ」
    「失礼しまーす」


     この部屋を訪れる数少ない者のうち、扉の向こうから現れた顔が最近知ったものではないことにクロービスはほうと息をつく。廊下の静けさから見当はついていたが、解答を見るまで気は抜けなかった。


    「魔法薬の報告資料を持ってきました。順調に行き渡っているようですねー」
    「では、これで一段落だな」


     あの後、ステラミーラで採取できた素材により作成した魔法薬は、配下の魔道士により村へと届け終わっている。ひとまず予定した人数に投与が終わった事を示す書類に、クロービスは眉間のシワを幾分和らげた。経過観察は必要だが、早目に対処が出来たのは喜ばしいことである。この分であれば病の流行が終息する日も近いだろう。あの木から葉を託されて本当に良かった、と思うと同時に帰ってから脳内を占めている入手手段に思考が至る。クロービスは意味のない咳払いで動揺を誤魔化した。
     そんな内心を知ってか知らずか、そうそういくつか確認したいことがあるんですが、とサシャから矢継ぎ早に質問が飛んでくる。


    「風邪の魔法薬が一年以上もストックができていましたがー?」
    「流行する時期にはいつも足りぬだろう。余分に作っておいただけだ」
    「レースのスケジュールも随分先まで計画書が提出されていましたよねー?」
    「魔王の動向次第で予定は崩れるからな。先の見通しはあるに越したことはないだろう」
    「お見合いを全部一気に断るのもらしくないですー。流石の父上も少し気落ちしていましたよー?」
    「あれはこちらに寄越してくる方がおかしいのだ。断りの手紙を逐一書く身にもなってほしいものだな」


     不自然な挙動を案ずる声は、もっともらしい理由で相殺されていった。サシャはううーん、と納得しかねる唸りを上げて、他にも確認を続けていく。しばし異様に捗っている業務に対する問いかけが、次々に躱され濁される時間が流れた。そうして質問を重ねるうちに、数々の奇行の原因をどうしても話すつもりがないのだな、とサシャは悟る。


    「クロービスー、あまり無理はしないでくださいねー」
    「……私はいつも通りだ」
    「帰ってきたあとすぐ、柱に頭をぶつけたり、マントの裾を踏んづけて転んだりしていたそうじゃないですかー」
    「なんでもないと言っている。気にするな」
    「勇者さんも心配していましたよー」


     意識の外に追いやろうとしていた人物を示す単語に、クロービスの眉がひくりと動く。平素の不機嫌そうな表情に若干の焦りの色が交じるのを認め、糸口を掴んだサシャは更に畳み掛けた。


    「勇者さんと何かありましたかー?」
    「……いや。何か聞いたのかね」
    「いえー? 特に何も聞いてはいませんがー」


     興味深そうに首を傾げるサシャにどうしたものかとクロービスは頭を抱える。箝口令を敷いても、こちらから情報が漏洩しては元も子もなかった。考えをまとめようと顎に当てようとした指が唇に触れ、鮮明に霧の中での思い出が蘇る。次の言葉を探さなければならぬというのに、冷静さは戻ってくる気配がなかった。
     かつてなく深刻に追い詰められている状況に反し、サシャは得心したように頷いた。


    「なるほどー、みなさんの言ってた通りでしたかー」
    「なんだと?」
    「何かいい事があったんだろう、と噂になっていたんですよー。仕事量から一応は悩み事の可能性を心配していたんですが、その様子なら彼らの見立てで問題なさそうですねー」


     それでは失礼しますねー、と足取り軽くサシャは笑顔で退室していった。
     クロービスはひとまずの危機は去った事に胸を撫で下ろすも、「みなさん」の範囲と程度がどこまでを指すかという新たな問題に気づく。数瞬の検討の後、藪をつついて蛇を出したくはないな、と結論して、来訪者が来る直前の動作を繰り返す手に眉を顰めた。台無しとなった後始末をどうすべきなのかから少しでも気を逸らそうと、単調作業はいやに効率化されてしまっている。想定よりもよほど重症な己の心境に、クロービスは深く息を吐き目を伏せて呻く。


    唇に残った柔らかな名残は、当分の間は消えてはくれなさそうだった。
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    ParAI_t

    MOURNING11月のカレンダー没案です。
    クリスタニア編でリーン様が不穏なこと言ってた印象が濃い辺りの頃に書いたので、今思うと「とにかく無事に終われ!?」みたいなノリをひしひしと感じる←
    アプリ版だと第一部のラクリモッサでしばらく三柱でお茶会してないみたいな話があったので、こんな風な日常に戻ってたらいいよねぇみたいな願いを込めてます。
    いやぁ、今週のクリスタニア編も楽しみですね☺️
    11月カレンダー没案(サシャ・リーンハルト) ほう、とついた息が白く漂う。もうそんな
    季節になったんですねー、としみじみとして
    サシャは陶器の音をテーブルに響かせた。
     本日の茶会は鮮やかに色付いた秋を
    鑑賞しようと屋外で行うことになっている。
    外気での冷却も計算に入れてあるから、
    ティーポットの中身はそろそろ飲みごろに
    なるはずだ。あとは二人を待つだけですね、
    と視線を上げれば、はらりと赤や黄が高い
    空に散っていた。かつての戦いと同じ季節が
    これほどまでに穏やかに過ごせているのだ、
    とサシャはゆるりと目を細める。
    「おや、あいつはまだ書類と格闘中かな」
    「年の変わり目も近いですからねー。魔道
    交信ではもうすぐ来ると言ってましたがー」
     そうしてさらりと金の髪を揺らす赤い鎧も、
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    ParAI_t

    DONEドロライ参加作品です。お題は「いい夫婦の日」。
    モブ秘書がクロアス夫婦+子供を観察してる謎の話になります。需要は私にある(澄んだ瞳)
    キャラスト3話で父さん母さん呼びしてたのに、なんか今は父上母上呼びしてるから、つまり結婚後はこんなんじゃない?みたいなノリで書きました。
    いずれ職場で「パパは〜」とか言っちゃう話も書きたい。結婚後でなくても天惺獣関係ならスレイヤー全員やらかせる余地はあるしな…!←
    困惑メラビアン−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−































     どうも直属の上司は厳しい人柄、らしい。風の噂でそんな評判を聞きつけて、グランロット王国宮廷魔道士長、クロービス・ノア付となった新任秘書は、緊張に身を固くして部屋の扉を叩いていた。出迎えた予想と違わぬ鋭い眼光に気圧されつつも、準備をしていた甲斐もあり用件は滞りなく進んでいく。
     魔王との長きにわたる戦いを終えたグランスレイヤーともなればこの威厳も当然か。多方面に渡る業務内容を迅速かつ正確無比にこなしていく姿に、秘書は自分なりに答えを得て、一礼し退出しようとする。そうして顔を上げた刹那、廊下からかすかに幼子の声が聞こえてきた。
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    ParAI_t

    DONE※いつも以上に原作の行間にクロアスをねじ込んでいます
    ※※特に本筋ではないのですが、若干ガレル・パレル編のネタバレを含みます

    オトメ勇者初恋Webアンソロジー寄稿作品になります
    ほぼほぼ謎の青年C(AとBがないのが作為的とか言わない)が活躍しているクロアス(?)な雰囲気ですが、お楽しみいただければ幸いです
    今週のクリスタニア編と矛盾しないといいなあ…(直し入るとめんどいなという顔)
    キャンディタフトは甘やかに揺れる / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
















     その名の通りに飴で出来ているかのように、小さな白い花は甘く香っていた。

    「クロービスさん。頼まれてたもの持ってきましたけど、どこに置いておきますか?」
    「ああ、机に空きがあるだろう。そこに頼む」
    「はーい」

     年代物の深緑の図鑑から目を上げ指示を出したクロービスは、すぐに意識を机に戻すとリストへチェックを入れる。本日この時間のクロービスの業務は、実験室での魔法薬の調合だった。王城に併設された植物園から運んできた花の色と香りに、何かを思い出したアステルはなんの気なしに口にする。
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    ParAI_t

    DONE※オトメ勇者最新話(第57話)ネタバレ
    お題は「神無月」です
    今週もまたすごい展開でしたねえ
    推しの心情深掘り第2弾ということで、今週の展開を踏まえた今回もまるで先行きが明るくはないお話です
    毎週のお題に合わせて可能な限り続けていきたいけど、多分そのうち矛盾すると思う(確信)
    書いてて思ったけど、メインストがトゥルー爆走してるなあと思うと同時に箸休め回をくれ…!
    イチャコラさせる暇がないんだよなあ
    裁きの光は虚ろにて / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



















     勇者は、死んだ。エルドアの淡々とした発言を聞いたクロービスは、しばし呆然と立ち尽くしていた。六天魔という異常事態を片付けねばならない、と理性が警告を発しているものの、目の前の光景はとうに現実味を感じられなくなっている。
     いつかの悪夢のように魔物に命を狙われたとしても、守ってやれるはずだった。それがこの現状はどうだろう。女神の声を聴く者は、これほどに呆気なく希望の光を握りつぶし平然としている。傷つき悩み、憂い惑い、それでも譲れないもののために何度でも立ち上がって剣を振るっていた少女を切り捨てる事が、この聖なる地の正義だった。
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