塔の中で、君と。 気がついたら、高い塔の中にいた。どうやら、最上階のようだ。手足は縛られていない。だけど、どうしてこんなところにいるのだろう。
私は、下に行くために、階段を探し始めた。薄暗くて、ちょっと怖い。でも、脱出しなきゃ。
「あった!」
おっと。敵に見つかっちゃうけら、大声は禁物。私は階段を見つけた。どうやら、このままずっと下に降りていけば、一階に行くようだ。
タンタンタン・・・。
私が階段を下る音が辺りに響く。私は階段を降りながら、どうしてここにいるのかを考え始めた。
今日はいつも通り学校に行っていて、1時間目は理科だった。2時間目は国語で、3時間目は・・・。あれ?思い出せない。何かがあったのかもしれない。2時間目と3時間目の間の二十分休みに・・・。
「きゃあ!」
しまった!考えていたら、階段を踏み外した!!
ドスン!
痛い。どこに落ちたんだろう。一階?それともどこかの踊り場? あれ、思い出してきた。あの休み時間、私はたっつんに告白されていた。憧れで、大好きなたっつん。私がたっつんの告白に、「はい。」と言おうとした瞬間、銃を持ってきた人が入ってきて・・・?
あれ。なんだか、ものを考えれ無くなってきた。私、死ぬのかな。もし死ぬのなら、最後に、青空の下で、土をふみたかった。あと、たっつんに会いたかった・・・ー。
「ーり、いのり、いのり!」
誰?この声、たっつん!?
「たっつん!?」
私は跳ね起きた。
「あっ、大丈夫?」
「どうしてたっつんがここに?」
「わからない。気がつくと、俺はそこの部屋にいて、いのりが落ちてくるのを見たんだ。慌ててドアをぶち壊してきたんだけど・・・。」
はっ!私はたっつんの肩をみた。血まみれだ。
「たっつん、肩・・・。」
「ああこれ?ドアを壊した時にちょっとね。でも痛くないし、大丈夫だよ。それより、出口を探そう。」
「うん!」
私とたっつんは、さらに下を目指して階段を降り始めた。だけど、後ろから声がした。
「おい!どうしてそこにいる!」
誰!?男の人の声。
「あっ!」
後にいたのは、学校に現れた、銃を持った人だ。どうしよう。
「(小声で)いのり、階段から離れて。」
そっか。また階段から落ちちゃうもんね。私は階段から離れ、隅っこにいった。
「お前こそ誰だ!」
びくっ!たっつん・・・・?こんな声、聞いたことがない。すごく、怒ってる。
「はっ!戦う気か?考えてみろよ。お前は何も持ってなく、おまけに、怪我をしている。勝敗は目前だろ。」
「くっ・・・・。」
「死にぎわに、教えてやるよ。そこの女はな、生贄なんだ。」
「生贄・・・!?」
「そうさ。我が神、ルキ様をよみがえさせるには、若くて、美人な女が必要なんだ。まあお前は、反抗してくるからついでに捕まえたわけさ。」
あ!もしかして・・・。
「私が始めいたところにいた、怖いがらが掘られていた壁は・・・。」
「そう。ルキ様がいらっしゃる部屋へ通じる壁、ではなくドアだ。どうだ?知れてよかっただろ?じゃあ、死にな。」
やばい。たっつんが死んじゃう。どうしよう・・・はっ!
私が言った隅っこに、鉄の棒があった。
「・・・たっつん、これ・・・。」
「あ!ありがとう。うおおおおおお!」
怖い!私はぎゅっと目を瞑った。
しばらく経って、たっつんの優しい声が聞こえた。
「いのり、もう、大丈夫だよ。」
「たっつん!」
私は、たっつんを抱きしめた。ふと顔を上げると、たっつんの顔は真っ赤だった。あ、付き合ってないのに、抱きついちゃった。
「たっつん、私ね、たっつんのことー」
「待って、俺が先だ。いのり、好きだ。付き合ってください!」
「はい!嬉しい!ありがとう!」
その後、私たちは無事、謎の塔から抜け出すことができました。なんと、この塔は学校の前の公園に経っていた。これまでなかったのに。私たちが出て後を振り向くと、塔は砂のようになって、崩れ落ちていきました。
ー終わりー
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