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    nekohiyuu

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    nekohiyuu

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    ツイッタくんで #ごちゃまぜLOM のタグで遊んでるついでに自分ちの女主紹介みたいなお話。
    多分タグの時間軸より少し前のお話だから、しちろさんちのシオンくんはいない。
    あと普通にW主と瑠璃パ前提。
    そんな感じの女主とパール様初対面なお話。
    女主の名前はユノ。
    支部には設定等落としてないし主人公達の名前も出してないのでこちらに

    ちょっとしたお留守番と彼の話ユノがジュンといわゆる恋人と呼ばれるようになってしばらく。
    ユノは以前と変わらず踊り子として旅を続けながら、時たまジュンの家にやってくる生活をしていた。
    やってくるときはペリカンに手紙を託すこともあるが、それは常のことではなく予告なくやってくる場合もある。
    それはふと会いたくなったからとか、手紙が届くより近場にいたりするからとか。
    少し彼の驚く顔が見たいとか、そういった理由である事が多い。
    素直に驚き、喜びを露わにしてくれるジュンがユノは好きだ。
    というわけで本日もそのような形でこの家を訪れたのだが、タイミングが悪かったらしい。
    彼女が家につくと同時に、慌ただしくこの家の住人である彼と弟子の双子、それから彼の親友の4人が飛び出してきたのだ。
    そうして時間はそんなにかからないから待っててほしいと言われ、この家に一人残され今に至る。
    「うーん、それにしても少し手持ち無沙汰ね」
    とりあえずお茶の時間の片付け途中だったらしいキッチンを片付け、ついでに何度か来ていたので……わかる範囲ではあるが……周辺を少し掃除してみた。
    とは言えその範囲はまださほど広くはなく、一応他人の家を探るわけにもいかないユノは僅かに悩んだあとリビングの椅子に座る。
    旅芸人の一座に生まれ、固定の家を持ったことがなかったユノにこの家は少々広すぎ、しかも訪れるときは普段賑やかなこともあって一抹の寂しさが彼女を襲う。
    「私も一緒に行けば良かったかしら、でも瑠璃くんのお迎えが来るって言ってたのだっけ」
    紛らわすようにわざと口に出して息を吐く。
    誰かが困っていれば手を差し伸べずにはいられない彼だから、きっと何かがあったのだろう。
    迷わず飛び出していくような彼が好ましい反面、今は少しだけ自分を見てほしい思う。
    「でも今回は連絡していなかったのだもの、仕方がないわ」
    テーブルに突っ伏しながらそう呟けば、ここに来る途中何やらマナが騒がしかったことを思い出す。
    豊穣の祭りをするような季節だからそれで大地の精霊が騒いでいるのだろうか思っていたのだけれど、それだけではなかったらしい。
    それでも慌ただしく出ていった彼らは焦ってはいたものの、そこに逼迫した雰囲気はなかったから命に関わるような大事ではないのだろう。
    もしそうであれば瑠璃はともかく双子の姉弟を連れて行くはずはない。
    だからきっとすぐに戻るというのは本当なのだろうと、そうユノが当たりをつけたところでコンコンと玄関のドアを叩く音が聞こえた。
    「ジュン、瑠璃、いるか?」
    それと同時に聞こえた女性の声にユノは慌てて立ち上がり、ドアに駆け寄る。
    その勢いのままドアを開ければ、目の前には少し驚いた様子の美しい女騎士が立っていた。
    「あ、ごめんなさい、みんな急用で出てしまって。えぇと、あなたがジュンの言ってた瑠璃くんのお迎えかしら?」
    一瞬思わず見とれてしまったことを隠すように若干早口になりつつユノは改めて彼女を見る。
    黒い礼服に亜麻色の癖のある髪を項辺りで一つにまとめ、胸には珠魅の証である核……大きな黒真珠を抱いている。
    手には巻き貝を思わせるような特徴的な形のバトルハンマーを持っており、それが獲物であるならば彼女はかなりの使い手なのだろうと思わせた。
    実際、彼女が纏うマナはその雰囲気に似合う凛としたものだ。
    だがそのマナにユノは違和感と既視感を覚える。
    「……真珠ちゃん?」
    目の前の彼女を幼くして更にあどけなさを足したような……確か胸に白い真珠を抱いていたはずの……以前この家に来た時に瑠璃と共にいた、彼の姫だと言う少女と目の前の女性のマナはとてもよく似ていて。
    思わず口にすれば、今度こそはっきりと驚いたように女性は目を丸くした。
    けれどもすぐにそれは収まり、彼女の表情がフッと緩む。
    「……よく分かったな、ユノ。私の姿でキミに会うのは初めてのはずだが……ジュンから聞いていたか?」
    「えと、合ってた、のかしら? あ、とりあえず中へどうぞ。さっき言った通り、皆急用で出てしまったから……待つにしてもここで立ち話もなんでしょう?」
    「それもそうだな、では失礼させてもらうとしよう」
    この家に来たことが幾度もあると思わせる自然な動作で中に入り、女性は椅子に腰掛ける。
    そこは以前ユノが訪れた時に真珠姫がよく座っていた席で。 そんな真珠姫とは佇まいも何もかも違うが同じ行動を取るらしい彼女を改めて眺めながら、ユノはその向かいへと腰を下ろした。
    「……初めましてというのは多少違うかもしれぬが戸惑っているようだしな、一応名乗っておくよ。私はレディパール。キミの言った通り、真珠姫と体を同じくする黒真珠の珠魅だ」
    「ありがとう、私はユノ。一応ジュンの、恋人、です」
    「知っている。先日は真珠姫が世話になったな」
    「あ、そうだった。そうよね、真珠ちゃんと一緒なら知ってるわよね」
    どうも慌てているような落ち着かない様子で自分を見ているユノに思わず苦笑して、レディパールもまた彼女を改めて見る。
    真珠姫でいる時も思ったが、ふわりと温かい雰囲気は彼女の想い人であるというジュンとよく似ている。
    外見はさほど似ているわけでもないはずだが、もし兄妹だと言われたら信じてもおかしくないのではとそう思う。
    けれどもその菫色の瞳はジュンとは少し違う光を宿しているようにも見えて、それを問うべく彼女は口を開いた。
    「ところで、なぜ私が真珠姫だとわかった?初対面でそれがわかった人物は初めてでな」
    するとユノは戸惑いからか多少彷徨っていた視線をレディパールと合わせる。
    そうすればその菫の虹彩がきらりと虹の色を映したように見えた。
    「私の目、少し変わっているらしくて。何となくだけれど人や物のマナが見えるの。それであなたと真珠ちゃんのマナがとってもそっくりだったから。どんなに似てる人でもここまで一緒のことって無いからびっくりしちゃった」
    「なるほど、なかなか珍しい目を持っているのだな。話には聞いたことがあるが実際に見かけるのはなかなかに無い。私もそれなりに長く生きているが初めてだ」
    困るでもなく笑って言うユノにそう返して、彼女はそのまま口を閉じた。
    そんなレディパールの様子に気づき、ユノもまた口を閉じる。
    どうやら彼女は同一人物と言いつつも真珠姫よりも遥かに口数の少ない人物らしい。
    急に静かになった空間に居心地の悪さを覚えるでもなく、けれどもユノは彼女に興味があった。
    レディパールという名前は何度もジュンや瑠璃、そして真珠姫からも聞いたことがあった。
    そしてその会話の断片から彼女と彼らの関係が決して希薄なものではないことも知っている。
    「レディパールさん」
    意を決して呼んで見れば何をするでもなくぼんやりと室内を眺めていた琥珀色の目がちらりとユノに向けられた。
    そうして僅かに首を傾げる動作に拒否や鬱陶しさはなく、先を促しているのだと気付いたユノはそのまま言葉を続けてよいと判断した。
    「パールさんって呼んでもいいかしら?」
    「好きに呼んで構わぬよ」
    「ありがとう、じゃあそう呼ばせてもらうわ。それで……」
    少し意外にも感じられた快い返事に謝意を述べ、そこで一度言葉を切る。
    話したいこと、というか聞きたいことはいくつかあってどれから聞くべきか少しだけ悩ましい。
    ほんの数秒ではあるが悩んだユノは、彼女の様子から別に会話を嫌がっているわけではなく続きを待ってくれているらしいことを感じ、結局一番聞いてみたいことを口にした。
    「唐突なんだけど、パールさんから見たジュンのこと、聞きたいなぁと思って」
    付き合い始めて時間こそそれなりに経つし、来た時には数日を共に過ごすので多く会話をするものの、それでもまだユノは彼のことをそこまで知らない気がしてならない。
    そんな今、絶好の機会が訪れたように思えた。
    彼女とは初対面ではあるが、真珠姫と同じというのならそれは正しくはないのだろう。
    真珠姫とならユノはそれなりに親交があるのでこういった質問も許される気がするし、そもそも他人から見た彼の姿を聞くのはタイミングはあまり無く、更に言えば本人がいないときの方が聞きやすいというのもあった。
    彼のことをもっと知りたいと思う。
    けれども自分でも思っていたよりも恥ずかしかったのか、ユノの頬に頬に僅かに熱が集まる。
    それを隠すように両手で頰を押さえてみれば、目の前から小さく笑い声がこぼれた。
    見ればレディパールはその様子を可愛らしいものを見るように目を細めていて。
    「あ、やっぱり、やっぱりいい! いいの!! えと、他に!」
    「いや、なんとも。それで、ジュンのことだったな」
    更に頬を染め慌てて撤回するユノの様子に笑みを深めたあと、レディパールの視線が記憶を辿るように上の方を向いた。
    「……まぁいい男だとは思う」
    そうして最初に出た言葉に、ユノは思わずパッとレディパールを見る。
    「他に優しく、実直で強い。多少他を優先しすぎる傾向があるのは玉に瑕だな。ただそうでなければ今私たちがこうしていることは無かったろうから感謝はしている、とは言え次はないが」
    そこで一度言葉を切り視線を合わせたレディパールは、わずかに緊張した面持ちで自分を見ているユノに気付き嫣然と微笑みかけた。
    「それと私の騎士といかんせん仲が良すぎる。彼とはよくバカをやっているな。年相応というところもあるということだろう。私としては瑠璃とつるむよりキミと並んでいたほうが似合いだと思うし、私も瑠璃と過ごす時間が増えるからそうしてもらった方が良いが……そうだな、それこそキミもここに住めばいい。彼も断るまい」
    「へっ!?」
    そのまま良い思いつきとばかりに言われ、聞いていたユノの声が思わず裏返る。
    「一緒になんて、そんな」
    「何かおかしなことがあるのか? 人間のパートナー同士は共に住むものと聞いたが」
    「えと、だってそれは……!その、私、ジュンの事好きよ? でも……!」
    「あれほど惚れられているし、キミもそうなのだろう」
    「でも、でも……!」
    同棲などと考えたこともなかったらしくこれ以上ないほど赤くなっては戸惑うユノに構うことなくレディパールは続ける。
    なにせ彼女からみれば何を不安に思うのかわからないくらい相思相愛なのだ。
    あのジュンが。恋愛感情に疎すぎるほど疎く、女性にはそういった意図を持って触れることのない男が、彼女に対しては必死だ。
    そしてそれを拒むことなく自然体で受け入れているユノもまた彼を想っているのだろう。
    誰がどう見ても間に入る隙がないと思うのに、どうやらユノはそうではないらしい。
    先程も自分がジュンを評したときに慌てていたし、念の為自分には瑠璃がいると……ジュンに対してそういった興味はないと示せばホッとしたように肩の力を抜いていた。
    「彼は隙だらけのように見えて思いの外そうではない。特に人間関係は、あのおせっかいな性格で分かりづらいがなかなか深くまで自分の側に人を入れない。そういう意味ではキミは間違いなく特別だ。出会って間もない、しかも女性であるにも関わらずここにいる」
    「そう、なの……かしら?」
    そう告げればユノの頭上から蒸気が出ているようにすら見えた。
    正直見ているこちらがもどかしくなるほどではあるが、どうせ放っておいてもなるようになる。
    あれこれ言う輩はチョコボにでも蹴られて死んでしまえばいいのだ。
    「まぁこれくらいにして、私から見たジュンはそのような感じだよ。慌てずともキミのほうが私よりジュンの多くを知ることになるさ」
    「あ、ありがとう」
    そう思い言葉を切ればそのまましばらくの間先ほどとは違う沈黙が流れる。
    酷く照れた様子で据わりが悪そうにしているユノを横目にレディパールは一度微笑むと視線を逸らす。
    彼らが戻ってくるのが先か、彼女が落ち着くのが先か。
    そう思いながらテーブルの上の水差しから、同じく置いてあったグラスに水を注いだ。





    おまけ。

    「ただいまー! ごめんねユノちゃん、留守番ありがとう。豊穣祭の飾り付け用のかぼちゃにおばけカボチャが出てさ。意外と多かったらしくて手伝いに呼ばれたんだよ。どうも前二人が使ったかぼちゃの種が入ってたらしくて」
    「ちゃんと片付けたと思ってたのによ、普通のと一緒に混ざって育っちゃったらしくてさー……いてっ!」
    「もう! だからちゃんと確認してって言ったのに!」
    「コロナだって見落としてたろー!?」
    「そうだけど……でも私が見たのはちゃんと見たもん!」
    「いいからお前らさっさとパンプキンボムの煤落としてこい、家が黒くなるぞ。っと、パールも待たせたみたいですまなかったな」
    「いや、思いの外楽しい時間を過ごしたよ。なぁユノ?」
    「え、えぇ!そうね!」
    「あれ、ユノちゃんどうかしたの、何だか赤いような……」
    「何でもないわ、大丈夫よ!!///」
    「…………ふぅん。じゃあ俺とパールは帰るな」
    「瑠璃にしてはいい判断だな。では失礼する」
    「え、せめて汚れくらい落としていったら?」
    「チョコボに蹴られたくないんでな」
    「そうだな。二人とも頑張りたまえよ」
    「???」
    「パールさん!!/// で、でもまた今度お話しましょうね!」
    「あぁ、また」
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