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    ろあ。

    HRH作品投稿場所。BLと単体絵。
    推し:ディノ、ビリー
    現状創作するかぷ:グレビリ/ビリグレ
    R15程度のものは全てワンクッションおきます。
    絵柄は安定しません。
    作者はHRH🔰です。メインストは配信分読了済み。

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    ろあ。

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    グレビリDW参加作品。画像読みにくい人。横書きで読みたい人用。

    グレビリDW参加作品 お題「メール」 ある日の休日。
     いつものようにテレビゲームをしていたグレイのスマホに、連絡が入る。
     あまり鳴らないスマホが突然光ったことにびくつきながらも、グレイはコントローラーを置くと、画面をタップした。

    「ただいま〜〜」
     開いた扉からビリーが入ってくる。今日は特に寒いと言われていた為、いつもより厚着の彼は上着を脱ぎながら自分のスペースへと歩いていく。
    「お、おかえりビリーくん」
    「ただいま! 今日本当に寒いね! 耳が凍っちゃうかと思っタ!」
    「気温十度もないみたいだしね、」
    「それに比べてタワーの中は暖かくて、気温差で風邪ひいちゃいそうだよ〜」
     寒い場所から帰ってきたからか、ビリーは鼻をぐずつかせていた。

    「暖かい飲み物淹れてこようか?」
    「良いの⁉︎ じゃあココアが飲みたいな〜」
    「分かった、ココアだね。淹れてくるよ」
    「ありがとグレイ!」
    「ううん。僕も飲み物おかわりしようとしてたところだから」
     手に持っていたままのスマホをポケットに仕舞い込み、彼は部屋から出て行った。
     その何気ない行動に、ビリーは少しだけ、違和感を感じたのだ。
     それは誰だって行う動作のひとつ。それがどうしてこんなに気になるのか。
    (俺、疲れてるな……グレイじゃなくても同じことするし、オイラだってする……何もおかしいところなんてないのに)
     帰ってきた時には感じなかったこのモヤモヤした気持ちに、顔を顰めてしまう。
     頭を振り部屋着に着替え始めたところで、グレイが両手にカップを持って戻ってきた。
     
    「ビリーくん、こっちに置いてるから」
    「うん、取りにいくね〜」
     グレイは自分のスペースのテーブルに、ビリーのカップも置いた。着替えているのを邪魔しないように。そういう優しさに、ビリーの結んだ唇は優しく弧を描いていたが、着替え終わりドリンクを取りに移動して、見えてしまったスマホの画面に一瞬時が止まってしまう。
     本当に一瞬、見てしまっただけでも見えたのは、『この後会える?』の一文。

    「? どうかしたの?」
    「ん? ココアに膜、張っちゃったな〜と思って」
    「え、あホントだ……熱めに温めたからまだ冷めてない、と思うけど」
    「うん大丈夫! ありがと」
     付けてくれていたマドラーで混ぜながら、二人のスペースの間に置いてあるソファに腰をおろし、冷める前にと口をつける。ゆっくりと喉を通って、身体を温めていく。
     ほっとひと息ついたビリーは身体をソファへ預けながら、グレイを見た。
     曇ってしまうゴーグルを外して、その青い瞳は、じっと何か言いた気に。
     スマホの画面に夢中の彼は気付かない。きっと今来ていたメールに返事を返しているのだろう。小気味よく画面上を滑る指は楽しそうに感じる。

    (なんか、ちょっと楽しそうにしてる……同期以外の人っぽいし、誰なんだロ)
     気になれば調べる。それは彼の仕事上の癖でもある。取り出したスマホを片手にするすると検索しようとして、指が止まった。
    (——ああ良くないことしてる、)
     画面に見える文字が全て、グレイを覗き見しているようで。
    (聞けば、グレイは答えてくれる。でも、)
     考えたが、ビリーは画面を閉じ残りのココアへと口をつける。
     ひとしきりの連絡が済んだのか、グレイもソファへと腰をおろし、カップを口元で傾けていたビリーを見てくすりと笑った。

    「ふふ、喉渇いてたんだね」
    「あとちょっと小腹が空いちゃってたカラ」
    「そういうときのココアって美味しいよね」
    「グレイのは冷めちゃったんじゃない?」
    「あ、大丈夫だよ。もうほとんど飲んじゃったから」
    「あれいつの間に〜」
    「僕も……喉乾いてたから、温めに淹れて一気に飲んじゃったんだ」
    「部屋の暖房効き過ぎてる? もう少し弱めてこようか?」
    「あ、ううん。そうじゃ、ないよその……話てて、声が枯れちゃった、と、いうか」
    「話?」
    「う、うん。あのね、ビリーくんにも聞いてほしいんだけど、その……良いかな」
    「うん?」
     グレイの顔はキラキラとして、聞いてもらいたい一心でそこに座っている。
     そんな彼の表情を見てしまっては、この気持ちは今だけ心の隅へと追いやることにした。

     話の内容は、昔からの数少ないオンライン上の知り合いの話で、ネット上の集会所でたまたま出くわしてそのままボイチャをした。それが楽しかった、と。フリーメールに届いた一文も、もう一度ゲームにログインできないかの確認だった。
     それにグレイは、今日はもうログインできないと返事をしていたらしい。
     そんな今日起こった楽しかったことを、グレイはただ、話したくて。

     それを聞いたビリーのもやもやとしていた気持ちは恥ずかしさに変わっていき、終いにはグレイへと体重を預け、下を向くしかなかった。
     グレイは驚きつつも静かに肩を抱いてゆっくりしたテンポでトン、トンと。
     眠い子供をあやす様に。何も聞かず、ただその時間だけが、心地よく流れていく。

    「グレイ、ごめんね」
    「え、どうして謝るの……? 今日は情報屋の仕事で疲れたんだよね」
    「——うん、そう。でもそれだけじゃない、カラ」
    「何か嫌なことでもあった?」
     ——グレイのことで悩んじゃったよって、言えたらいいのに。

    「僕が力になれるか分からないけど、話ならいつでも聞くから……」
    「うん、ありがと。でももう解決したから大丈夫!」
    「そ、そう?」
    「うん! グレイのそういうとこ、オイラ好きだよ」
    「そ、そう……でも本当に何かあったら必ず言ってね。僕も、ビリーくんの事、その、大事だから、」
    「大事、だけ?」
    「——え、」
     大事、も嬉しいけれど、今欲しいのはそういう言葉じゃなくて——
     口に出すのはいつも恥ずかしそうにしているグレイに、どうしても言って欲しい。

    『大好きだよ』

     確かに今言って欲しいと思ったのは本当だけれど、
     突然耳に入ってきた言葉に驚いてしまう。
     さらりと、恥ずかしげもなく口にした人物が、自分の目の前にいるんだから。

    「あ、ありがと……俺も大好き」
     いつもと違う雰囲気がカッコよく見えてしまってビリーは頬を染める。
     グレイは優しく微笑んだまま、彼の頭を撫でた。それは慰めるように。
     それは愛しいものを想うように。
     手から伝わる温もりが、今はとても心地良く感じて。

    「ねえグレイ。今日は一緒に寝ても良い?」
    「! も、もちろんいいけど、」
    「やった! じゃあそれまで今度はオイラとゲームしよう?」
    「ビリーくん、疲れてるなら少しおやすみするのもありだけど」
    「えー! 折角グレイといるのに遊ばないなんて勿体無い!」
     ビリーは立ち上がるとグレイの手を取り、引っ張ってテレビ画面の前まで移動する。
     するとビリーが慣れた手つきでゲーム機の用意をし始め、グレイはつい笑いが溢れてしまう。
    「じゃあご飯までの間ね……?」
     確認するようにビリーを見れば、嬉しそうに頷いた彼がコントローラーを手渡した。

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    れんこん

    DONE8章を経てのラブラブグレビリです……最近、グレイからの視線を特に感じる。
    ちらり、ちらりと伺うような目線。
    そして、その目線に気付いている自分も明確に彼の事を意識している。
    どき、どき、とほんの少しだけ高鳴るのは、その視線が明らかに熱を帯びているから。

     ほんの少し前、なんでもない晴天の日。ただキミと馴染みのイーストセクターの海辺を散歩して、彼の相棒とも散々戯れて。沢山笑って、お喋りをして。少しだけはしゃぎ疲れて、少しだけ背の高い「ともだち」の肩に頭を乗せる。長めの襟足が頬に触れて、ほんの少しくすぐったい。
     空の色がきれいなオレンジと、紺を孕む時間になった頃、ぽつりと隣から漏れ出た音に、しんぞうがきゅ、と鳴った。

    「……すき、だなぁ…。」

     たった一言のその言葉。それも伝えるのを意図としないような溢れ出た言葉。
    元々真実しか語れないその小さめの口は、今はその発してしまった言葉を体内に戻しでもするかのように、大きめの手で塞がれていた。
     顔は、真っ赤。
    はわ、はわ、と空気が抜けるみたいな音が漏れ出て、グレイは突然ごめん!なんて言って、オイラがもたれかかっているのに離れようとする。
     ……そんなの、逃すはずないで 5634