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    たまぞう

    @5tamasan2

    小説(時々絵)を載せます。
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    皆さんいつも見てくださってありがとうございます。
    絵文字や温かいメッセージに救われております。
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    たまぞう

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    先にポイピクに載せます。
    日曜になったら支部に載せます。
    将参のお話。この間のとはセカイは別になります。
    ちょっと痛いシーンがありますがそこまで酷くないです。
    寧々ちゃんが森の民として出ますが友情出演です。
    最初と最後に出ます。
    何でもいい人向けです。
    将校は参謀と同じ痛みを感じて(物理的)生きたいというよく分からないお話ですね。
    誤字脱字は見逃してください。それではどうぞ。

    #腐ロセカ
    BL prsk
    #何でもいい人向け
    #司類
    TsukasaRui
    #微グロ
    faintlyGrotesque
    #将参
    willParticipate

    将参(友情出演寧々)「ねぇ、その首の傷痕どうしたの?」
    「っ、っっ!?」

    仕事の休憩中に紅茶を飲んでいた時のこと。
    正面の窓から現れた少女に私は驚き、口に含んでいた紅茶を吹き出しそうになった。

    「っ、ごほ…っ、げほっ、ぅ………。来ていたのですか…?」
    「うん。将校に用事があって……というか呼ばれて」
    「将校殿に?」

    森の民である緑髪の少女ーーー寧々は眉を顰めながら、私の首をじっと見つめている。そこには何かに噛み千切られたような痕があった。

    あの日のことを話そうか、少し迷っている自分がいて。
    どうしようかと目線を泳がせていると、寧々が強い力で机を叩く。

    「ほら!話して!」
    「………わっ…!わかり、ました」








    あまりの気迫に押された私はぽつりと語り始めた。








    とある日の午後。
    私が自室で書類作業に集中している時にその事件は起こった。

    「えっと、ここの記載は確か…」

    ドンッ…

    「!!?」

    乱暴に扉を開けた音が聞こえて、私は持っていたペンを机に落とす。あまりにも大きな音に指の力が抜けてしまった。
    何事だと作成途中の書類から目を離し、音のした方へと首を動かすと、

    「え……し、将校殿……!?」
    「…………………」

    そこには血だらけの将校殿が突っ立っていた。

    確か彼は今日、ここ最近不穏な動きをしている隣国への視察、という予定があった。
    私も同行すると意見したが「参謀には屋敷の管理を頼みたい」と断られてしまい、こうして溜まった書類を少しずつ終わらせていたところだ。
    あくまでも視察という目的であって、何も起きないだろうと思っていたのだが…。

    衣類に付着しているあまりの血の多さに、私は怪我をしたのではないかと急いで駆けよる。

    …………だが、

    身体のあちこちを触るが彼の反応は全くない。
    将校殿は何故かずっと俯き、その表情すらも分からない。
    とりあえず服を脱がせて安否を確認しようとした時だった。

    「類…………」
    「将校殿……?一体どうされ…いっっ!!?」

    下の名前を耳元で囁かれたと同時に、ズキッと右の首筋に鋭い痛みが走る。反射的に痛みから逃げようとして、首を押さえながら彼から離れると、ねっとりとした触感が掌に伝わってきた。

    「………ち、血が……」

    自分の掌には真っ赤な液体が広がっており、その光景に噛み千切られたのだと理解する。いつもの将校殿からは想像もできない行動に私は恐怖を覚えた。
    普段の彼なら『参謀』と優しい笑みを浮かべ、温かい言葉をかけてくれるのに。
    血で汚れた掌から彼へと目線を移した。

    「………………ひ、っ…」

    ギラついた将校殿の瞳が私をじっと見つめている。
    優しさも温もりも感じられない獲物を狙うかのような瞳。

    ーーーあ、逃げなければ。

    己の本能がそう告げていた。

    気付かれないように、片足を少し後ろに引いた、のに、

    「…………っ、あ?……ぐっ!!」

    ぐるりと反転する世界。
    背中と頭に衝撃が走る。

    痛い、でも。
    いや、それより、私は。
    将校殿に押し倒されて、
    彼の顔が、前に?

    状況を把握できず唖然とする私を見て、将校殿は血塗れのまま不気味に笑う。

    「類…類…………」
    「将校殿…っ…!まっ、」
    「……待たない………」

    逃げようとしても馬乗り状態で、骨が軋むほど床に腕を縫い付けられているため、身体を動かすことができない。
    頭脳戦ならともかく、戦闘面で言えば明らかに将校殿の方が有利である。彼に何をされるか分からないこの状況は、考えるまでもなく危険で。 

    将校殿は血が流れている首へと再度顔を近付ける。

    「やめてください…っ!離して…!!」
    「………んっ…」
    「い…ぅ……っ!?」

    ぬるり、と何かが傷口を這う。

    「あ、あ…ぃた……ッ、や、っ、んっ」
    「ん…ッ、…く……」
    「うぅっ、あ、んっ、は………っ、は、ぁ、あ」

    唾液まみれの舌が血を舐め取るように動く。
    舌先でぐりぐりと抉られながらも、べろりと舌全体で舐め上げられ、想像以上の激痛に思わず涙目になった。首元だから見えないが、恐らく舌が皮下組織を超えて筋肉まで到達しているのではないかと、必死になって思考を巡らせる。

    でなければ、ここまで痛みが襲うはずがない。

    「い…っ!いた、い、です…!やめ…っ、しょう、こ、ど、」
    「類、」
    「ひっ……!?」

    突然両手で胸ぐらを掴まれ、上衣が嫌な音を立てる。ボタンがいくつか床に飛び散り、着ていた服はただの布切れへと成り果てた。
    両肩と胸が外気に晒されて、ひんやりとした冷たさを感じる一方で、どくどくと血が流れている首は異常なほど熱く脈打っていた。

    将校殿のあまりにも不可解な行動に、私は身体を震わせる。

    「類…怯えてるのか……?…かわいいな…」
    「な、何をする気ですか!?目を覚まして下さい!」
    「何を言ってるんだ?オレは正気だぞ」
    「あっ、」

    目の笑っていない将校殿が自分と同じように上着を脱ぎ、上半身だけ裸になった。私とは真反対の鍛え抜かれた肉体に見惚れてしまうが、ふと右肩に何かで切られたような傷が視界に映る。
     
    (あ、…………)

    肩の皮膚がぱっくりと切り裂かれており、そこから下に向かって血が流れ落ちていた。

    「肩に…っ!将校殿!あなたお怪我を…!?」
    「ああ、これか……」

    自分が彼に何をされていたのか、そして自分の首のことも頭から消えて、顔を真っ青にしながら起き上がろうとした。
    急いで手当をしなければ出血多量で意識を失ってしまうかもしれないし、最悪の場合は死に至ることもある。
    将校殿は私の大切な人だ。
    大臣という悪魔の鎖から私を解放してくれた、大切な、大事な、お方。
    彼に救われた時に一生将校殿の……ーーー司くんのために仕えようと決めた。
    例え彼にどんなことをされたとしてもその想いは変わらない。変えることはできない。

    「……心配しなくても大丈夫だ」
    「何が大丈夫なのですか、はやく手当を!」
    「ほら、」
    「…………え?」

    将校殿は私の髪を優しく撫でると、頭と腰に手を回して軽々と抱き上げる。滑らかな動作に抵抗する暇もなく、気付けば抱きかかえられていた。言葉の意味が分からず呆然としている私の口元には将校殿の血が溢れ出ている傷があって。 

    嫌な予感が胸をよぎる。

    「舐めてくれないか?」
    「………は、」

    ー………な、舐め…、
    ーー舐める…!?

    今の会話の流れから、どうして私が将校殿の血を舐めるという結論に至ったのか。そもそも出血量から推測するに傷はかなり深いだろうし、しっかりとした処置をしなければ細菌が入って大変なことにもなるだろう。
    将校殿の意図が読めないが、興奮状態ゆえの行動であると判断した私は、慎重に言葉を紡ぎながら最善策を提案した。

    「し、将校殿…あの、医師に診て頂いた方が…」
    「類、」
    「ひ…………」

    顔は見えないのに名前を呼ばれただけで声が震える。たがここで彼の圧に負けるわけにはいかないと私は諦めずに続けた。

    「っ、お願いです…どうか、」
    「…そうか…わかった………」
    「!!……では……」



    「それなら、仕方ないな」



    ぐち…っ……
       



    「………え…?」

    安心したのも束の間。
    耳元で生々しい音が鳴る。
    そして少し遅れてやってきた熱と

    「あっ…あ、」

    いた、み、が。
    激痛が、はし、

    「あ"あ"あぁあ"っ"!?やめてく、だ、っ!!い、たい"、いたいです…っっ!いや、あ"、っ!!ぁあ…っ!」

    ぐち………ぐち、ぶちゅ…ずっ……

    私は目を見開いて将校殿の背中をどんどんと激しく叩いた。彼の舌が肉に触れるたびに、身体が大きく飛び跳ねる。自分の首元で揺れ動く金髪に「舐められている」と何とか認識することができた。
    将校殿の舌が私の抉れた皮膚を越えて筋肉にあたる。
    それは言葉にならないほどの衝撃で。ぎくんっ!びくんっ!と痛みで動く身体に追い討ちをかけるかのように、将校殿は腕の力をさらに込めて私を抱き締めた。

    「ん〜~ッッッ!!ッ〜〜〜!!あぎ、ぃ…っ…ぐぅう……!!ごめな、…さ、ぁあ…っ…あ、あ"!!ごめんなさいぃ……ごめ、いいぃいっっ…!!なめます、っ!いうことききま、ぎっっ!!」
    「ん…なら………

    ‘噛んで’くれないか?」

    「ひう……っ……!?」

    将校殿は私の唇に自分の傷を押し付ける。
    先程とは違う命令に私は戸惑い、固まってしまった。 
    血を舐めるだけでよかったのが、傷に噛みつくといった正気の沙汰ではない内容に変わっているではないか!

    「…………もう一度言うぞ?‘噛め’」
    「あ、あ…っ、」

    二度目はない、と有無を言わさない口調。
    逃さない、と強い意志とともに回された腕。
    ここで逆らったら、また、きっと。
    今度は舌で嬲られるだけではすまないかもしれない。
    私の傷口に歯を立てられるかもしれない。
    想像を絶するような痛い思いはしたくない。

    でも、私は。
    将校殿を傷つけたくない。
    大切な、司くんを。
    でも、私は。
    彼の部下で。
    だから。

    「…………は、ぃ。……それが、あなたの、ご命令とあらば…」

    私はゆっくりと口を開けて、将校殿の傷へと噛みついた。
    そうしてゆっくりと歯を押し込む。

    ぐちゅ…ぐち…………

    「っ、ふ、っう、ぅ……ん、」
    「そうだ、いい子だな類。もっと、奥まで、っ」
    「ぐっ、っ!ぅ…ふ…むぅ……っ、は、んん…」

    鉄の味がじわじわと咥内に広がり、押し込んだ圧で口の端から赤がどろりと溢れる。
    私は一瞬驚くが、口を離すことはしなかった。
    将校殿の命令は絶対だと自分に言い聞かせる。
    私は噛みついたまま、舌で何度も何度も舐め、皮膚を、血を、肉を味わった。

    「…ん……っ、そのまま、」
    「う…」
    「なか、に……」

    将校殿は私の方に倒れてきて………。
    ………? 
    あれ?
    倒れて、きて…?

    疑問に思った瞬間、ぐらりと将校殿の身体が傾き、私の方に倒れてきた。もちろんこの状況で支えきれる訳もなく二人で床に倒れ込んでしまう。

    「ぷ、は…っ!し、将校殿…っ!?」

    口を離して起き上がろうとするが、血を流しすぎたせいか全身の力が入らない。
    その間も将校殿の右肩からは出血が止まらないし、少しだけ見えた横顔は真っ青になっていた。

    彼の命令に従っている場合ではないと、私は勢いよく息を吸って、

    「だ、誰か…っ!!誰か助けて下さい!!!!!」

    今までの人生で出したことのない大声で人を呼んだ。


























    「参謀」
    「………………………」
    「参謀、聞こえているんだろう?」
    「………っ、」
    「…上司を無視するのか?」
    「〜〜〜っ、話しかけないで下さい!私は怒ってるんです!」

    あれから数週間後。
    私は廊下で将校殿に追いかけられている。
    まあその原因は彼を避けていることが関係しているのだけど。

    いや、私は悪くない。
    悪いのは将校殿だ。

    あの日の出来事を思い返しながら彼を睨みつける。

    あの後、私と将校殿は病院へと運ばれて、医師の適切な処置を受けた。将校殿は肩の傷以外は軽症だったようだ(もちろん私は首の傷だけ)その際、医師からは「肩と首に関しては縫えば比較的綺麗に治る」と言われた。
    ベッドに寝かされていた私はかろうじて意識があり、治療の依頼をしようとした、が。

    「………いや、肩の傷は…このままでいい…自然と治るのだろう?」
    「はっ、はい…それはそうですが…」
    「な、何を言ってるんですか…?」

    私の隣で寝ていたはずの将校殿が目を閉じたまま言葉を発した。どうやら寝たフリをして、今までの会話を聞いていたようだ。
    確かに傷に関しては時間はかかるだろうが、少しずつ完治していくだろう。
    しかし傷口はそれなりに深いから、自然回復では大きな痕が残るだろうし、長期間の点滴や薬の治療も必要となってくるに違いない。
    私は将校殿を説得させようと痛む首を動かして彼を見た。

    「このままでいい。大事な傷だからな」
    「え……………」

    将校殿は今までに見たことのない、子供のような笑みを浮かべていた。
    どうして、そんなに、嬉しそうなんだろう。

    「………どういう、」
    「ふ、っ、ははは、」
    「笑わないで下さい…っ、本気で心配して…」
    「参謀はどうするんだ?」
    「わ、私………?」
    「………類は、首の傷、縫うのか?」

    今度は少し悲しそうな顔で笑っていた。

    その顔を見て私は察した。
    どうやら彼は私に首の傷を綺麗に治してほしくないようだ。
    何を考えているのかはこれっぽっちも理解できないが。

    (………………嫌なら嫌だと、はっきり言えばいいのに)

    包帯の巻かれた首を撫でながら、変なところで謙虚な主だとため息をつく。

    「…………私も……このままでいい、です」

    ズキッと痛む傷は気のせいだと自分を誤魔化した。
    そうして私たちは、しばらくの間ベッドの上で過ごした。












    と、ここまでが回想である。

    私はそれから将校殿と完治するまで二人で一緒に病院に入院した。先に治ったのは私の方だが、彼を一人にしたらまた何か起こる(起こす)のではないかと不安になり、結局は最後までいたのだ。

    「怒る参謀もかわいいな」
    「かわっ…!?っ、いく、ないです。話を逸らそうとしても、」
    「これ………」
    「ひぁ、っ!?」

    将校殿の手が私の首に触れて、つい変な声が出てしまう。そこには彼につけられた痕がくっきりと残っていた。

    「おそろい、だな」
    「いや…それは、その、部位も大きさも違いますし、ましてや将校殿の傷は知らない人につけられた、」
    「類…………?」
    「……う、差し出がましいことを申しまして誠に失礼いたしました」
    「ん、」

    私の言葉に満足したのか、首に触れていた手が離れ、将校殿はくるりと踵を返す。

    「どちらへ?」
    「ああ、この間の視察の報告書がまだ残っているからな。後は…」

    私に背を向けたまま、自分の右肩をとんとんと叩く。

    「少し神経が麻痺しているのか感覚が鈍くてな。定期診察にも行ってくる」
    「そ…う、ですか………」
    「類、」
    「はっ、はい」

    将校殿は此方を向くことなく

    「今度こそ同じにしような」

    それだけを告げて立ち去っていった。

    「…………将校殿の仰せのままに」

    私は廊下に立ち尽くしたまま、そう答えるしかなかった。























    ーーーおお、寧々!
    待っていたぞ。さあ座れ。お前に相談が……、
    ………ん?類の首のことか?
    ああ…実はな、間違えてしまったんだ。
    本当は右肩に痕を残したかったんだが…。

    類があまりにもかわいくて、美味しそうで…。
    我慢できずについ首に噛みついてしまった。

    そんな怖い顔をするな。
    安心しろ。大丈夫だ。

    ナイフは使ってない。
    類は痛みに弱いからショックで死なれては困る。

    まあ、オレは剣で切られたんだが…。
    視察でまさか…はははっ、笑いがとまらん。
    それにしても類を視察に連れて行かなくて正解だった。
    頭はいいが戦闘の才能はないからな。

    はあ……類が可愛くて可愛くて仕方がない。

    これからどうしたらいいと思う?

    え…?
    類が可哀想……?
    酷い…?

    何でそんなことをした、だと?

    オレと類は一心同体なんだから、同じ思いをするのは当然のことだろう?

    何か間違っているか?

    なんだその顔は…おい待て、まだ話は終わってな…………、
    ………、
    ………行ったか。そんなに怒ることか?

    ……………。
    ………。

    ……というか、オレが可笑しいのか?
    考えても分からんのだが。
    …………はぁ、ま、いいか。

    次は間違えないようにちゃんと同じにしよう。

    ………………なあ、類。
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