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    shidarigawa

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    shidarigawa

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    合体したいウスイネタがまだあって、過去の自分が面白かったので供養です。どれだけ合体させたいんや…
    ダイヤさん視点のアブシン風かな?機体はシンアブ

    超進化速度DS5 小学生男子なんてコロコロと子犬のようにじゃれあってるものだ。
     これは僕自身の経験ではなく、かつてのクラスメイトを見ていた経験だ。僕はノートにひたすら1人でロボの絵を描いているタイプの男子だったから…。
     だとしてもだ。今、目の端に映るダークシンカリオンの運転士とE 5の運転士の距離は近い。
     今もシステムのプログラミングに行き詰まってコーヒーを飲みながらぼんやりしている僕こと小山ダイヤの前のテーブルでいつのまにか2人がイチャイチャしだしたではないか…。
     ここ何日か新システム考案の動きがあった。
     今行き詰まっているのもこのせい。そして、その提案者であるアブトくんに呼び出されたシンくんが週末に大宮にやってきた。
     アブトくんは、「それ見てて」と言って開いたノートPCになにやら打ち込んでから、近くのキャスターのついた丸椅子を引っ張ってきて、シンくんを座らせる。
    「んん?何これアブソリュートのデータ?とE 5のデータ?」
     アブトくんはその間にギアを持ってきた。
    「そう。新しい強化を考えた。まだ案なんだが…」
    と言ってシンくんの後ろから左手はテーブルにつき、右手でトラックパッドを操作してシンくんの頭越しに画面を見ている。
    「ダークシンカリオンと、E 5の合体ってこと?」
     モニターに表示されているらしいデータを見てシンくんが尋ねる。
    「そうだ。おい、もうちょっと前に座れ。」
    腰をかがめている姿勢に疲れたのか、丸椅子の前の方にシンくんに座るよう言いながら押して、なんとバックハグスタイルで一緒に座ってしまった。
     いやいや、他の椅子持ってきたらいいのに!と思うけど、男子小学生の小さいお尻2つならここの丸椅子に余裕で収まってしまうのだ!!小尻!!その分2人はべったりくっついている。くっつかれたシンくんも、
    「おい、せまいぞ〜」
    と言いながらもなんだか嬉しそうである。
     今度はシンくんの肩ごしに画面を見つつ、アブトくんは何事もないように話を続ける。
    「構成はドクターイエローとそんなに変わらないからそんなに難しくはないはずだ。」
    「アブトと乗れるの!?楽しみ!」
     画面を見入っているが、シンくんの目がキラキラしているだろうことが、後ろからでもわかる。素直なシンくんは僕から見ても子どもらしくてかわいいと思う。そのオペレーションシステムの一部を今私がつくってるんですよ…。すごいでしょ?フフフ…。
    「でもダブルZ合体もあるのに、またなんで新しい強化?」
    シンくんが、ふとした疑問を投げかける。
    「あれは電力の消耗が激しい。運転士も揃わなくてはいけないし…奥の手なんだ。オレとシンなら比較的揃いやすいし…」
     ぶつぶつと理由を述べているが、不意にアブトくんが身体を引くと、何かボソボソとつぶやく。声が小さくて聞こえない。
     思わず耳を傾けてしまうが、
    「?ん?シマカゼとの合体?」
    よく通る声で復唱してくれるシンくんによってなんとなく話は読めてくる。
     不審な顔でアブトくんの顔を覗き込もうとシンくんが振り返る。そして、また何かボソボソ呟いたアブトくんの言葉を聞いたらしいシンくんのほっぺたがホカホカし出して、ニヤァっと笑う。
    「オレと合体したらなんだって?ドクターイエローとはやぶさの合体強いし、か〜っこいいもんなぁ?お前もしてみたいよなぁ?」
    「ーーー!!うるさい!とにかく利点しかないの!はい画面見る!」
    ピンクに染まったほっぺたをツンツンしてくるシンくんの手をパシ!とはたく。
    「はいはい」
    「まだ決めかねていることがあって、シンの意見を参考にしたい。」
    仕切り直して話にもどる。
    「オレがお前に入れるか、お前がオレに入れるか。だ。」
     コーヒーを吹きそうになる。
     会話会話!!なんの会話だ!!
    「どういうこと?」
    僕にもわからん。いけない妄想をしそうになり、冷や汗を流しながらドキドキして会話に耳を傾ける。
    「手を出せ」
    言われてシンくんが膝についていた手を机の上に乗せる。
    「こっちがオレが入れる方」
    と言ってシンくんの左手のひらを上に向かせ、アブトくんの左手を上から重ねる。指を交互に絡ませて、いわゆる恋人繋ぎをしている。
    「それで、こっちがお前が入れる方」
    今度はシンくんの右手を下から絡めて恋人繋ぎをする。

    ……正直2人がイチャイチャしてるという以外何もわからん!!!

     シンくんにもわからんらしく、両手を交互に見つめて、頭の上にはてなマークを浮かべているのが見えるようだ。
    「機体の制御に制限は?」
    シンくんが尋ねる。
    「どっちも大差ない。システムの感じがこのどちらかだから、むしろシンにフィーリングで選んでもらった方がしっくりくると思うんだ。」
    「えっいいの?そんな決め方で…」
    「いいんだ。システムがうまく動くかどうかはオレたちの適合率次第だから…」
    「アブトはどう思うんだ?」
    「オレも選んである。答え合わせみたいなもんだよ」
    「う〜ん…フィーリング」
    としばらく悩んだが、
    「こっちかな…?」
    と繋がれた右手を下から持ち上げる。
     シンくんが入れる方…だと…?
    「オレもだ。そっちがしっくりきた。じゃあこっちで決まりな。」
    と言いながら、右手をにぎにぎする。
    「!やめろよ!なんかくすぐったい」
    シンくんがモゾモゾする。が、どうもまだアブトくんはやめないらしい。
    「あっは!やめて!ほんとに!」
     身を捩ってのがれようとするが、握られた左手はそのまま拘束されて、右手をにぎにぎされ、アブトくんに抱き込まれてしまうシンくん…
    「……」
     なにかのスイッチが入ったらしいアブトくんが、無言で何かこしょぐったい行為を行なっているらしいが背中ごしで見えない。暴れるシンくんの叫び声だけが休日出勤の施設内に響く。
    「ひーーほんとにぃーー!やめろってー!!」
    そろそろやめた方が…?とヒヤヒヤ見守っていると、
    「こら、やめんか」
    「いて」
    アブトくんが、いつのまにかやってきた島さんにチョップをくらう。
     拘束が緩んだ隙にさっと逃げだすシンくんの顔は赤くてちょっと涙目で、はぁはぁと息を荒げている。
    「アブトのばーかばーか」
    小学生みたいな(小学生だった)罵声を上げて僕の後ろにまわりこんでくると、なんと僕の背中の後ろに隠れる。
     ゲンドウポーズで見守っていた姿勢のまま固まる。僕はこの小鳥のような子を守る大木になる。
    「いいかアブト。お前は友達との付き合い方に関してはまだ指導がいるようだ。楽しくてもな…本気で嫌がっていたらやめるんだぞ。限度ってものがあるんだぞ?いくら相手がシンだとしてもだ。」
    小学生みたいな叱られ方だ。(小学生だった)
    「…すいません。」
    「謝る相手が違う。」
    怒られたアブトくんが、振り向いて僕の机の前に立つ。
     後ろにシンくん。前にはアブトくん。私を挟まないで。
    「ごめん。シン。」
    そのちょっとシュンとした顔はずるい…許さざるおえないだろ…。
    「別にいいけど」
     と後ろからちょっと顔を出したシンくんの小さい声が聞こえる。
    「シンをいじめるのが楽しくなってしまってな…」
    「やっぱりゆるさん」
    僕もそれは許さん。また僕の背中に隠れてしまう。
    「嘘だ。もうしない。機嫌なおしてくれ。」
    「じゃあシステムちゃんと完成させてくれよ。でもあんまり無理するなよ。」
    また肩からチラっと顔を出して言う。
    「あぁ、わかった。」
    微かに笑みを浮かべる。キラキラしてる〜これだから顔が良くて天才の宇宙人は!!!
    「ダイヤさん、ごめんね。盾にしちゃって。」
     シンくんがそっと出てきて謝る。青い瞳が申し訳なさそうに僕を覗き込む。壁と化していた僕にも配慮してくれる、なんてええ子や…。
    「いや…大丈夫ですけど…」
    と、一方で僕はなんとも気の利かない返事をする。
     しかし、なんとなくアブトくんからの視線が痛い気がする。さっとシンくんの腕を取って私から取り返すみたいに引き寄せる。
     とらないよ!?
    「機体見に行こうぜ。それからメシだ。」
    「うん!何食べる?」
    「あっ、島さんも来て!シンに説明してやってほしいから!」
     あっという間に仲直りをして、連れ立って去っていく。

    DS5のスピードについていけない…!!
    超進化速度!!

     出て行く2人と入れ違いに、三条ミノリさんが入ってきた。今日は昼から出勤だ。
    「…あら、2人来てたのね。」
    と、ほのぼの見守るミノリさん。
     仕返しとばかりにアブトくんの脇腹をツンツン突っついているシンくんが扉が閉まる前にちらっと見えた。
    「アブトに関してはこれまで大人に混じってばっかりで、同年代の親しい友人が初めてだからな…楽しくてつい構いたくなるんだろうが、たまにやりすぎてシンのこと泣かせるんだ。」
    島さんがため息をつきつつ2人を見送る。
    「…トコナミもシラユキに初めそんな感じだったなぁ…グイグイ行きすぎてちょっと引かれてたから、何回か相手の気持ちを考えろと諭したな。」
     ふぅん、好きな子構いたくなっちゃうのはテオティの血なのか…?
    「そっちのシステムは、火曜日くらいに上がりそうか?」
    「は、はい!」
    「休みの日までご苦労だな。呼ばれちまったし、オレも行くかな」
    島さんも超進化速度の2人を追ってのんびりと出て行く。
     研究所はミノリさんと2人っきりになる。
    「彼ら今日も変わらずイチャイチャしてましたよ…」
    と本音がついぽろっとこぼれる。
    「いいじゃないの!2人がイチャイチャしてると言うことは、我が超進化研究所は最強の戦力を持っていると言うことなのよ。さぁ、ダイヤくん!どこまで進んだ?」
     そうだな。僕たちはこの2人によって救われた世界の平和の上に立っている。そして、2人をサポートすると言う名目のもと、僕は休日にミノリさんとこうして2人で会えるのだ(仕事だけど)

     さて、世界の平和のために2人のイチャイチャを応援するか…。僕はまたPCに視線を戻して作業を始めるのだった。









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