9月の朝焼けはすぐそこに。「ん、んー?」
呻き声と共に、むくりと上半身を起き上がらせるひとつの影があった。
艶のあるおかっぱの頭には少しの寝癖。
普段よりも細くなった目。
彼の名は尾狗刀詠斗。
七冠の小間使い"だった"青年である。
彼は腕を頭上に伸ばして、眠気を逃がすように大きな欠伸をした。
窓から差し込む光はまだ弱くて。
夜明けはもう少し先なのがわかる。
「早く起きすぎたかなー」
起き抜けで間抜けになっているオクトーはふと、隣で寝ている少女を見た。
乱雑に蹴られた布団、広げれた足に腕はバンザイの状態。
トドメに口からはヨダレを垂らしている。
彼女は園上矛依未。彼の"パートナー"である。
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