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    siguta_w

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    1/22 影犬ワンライ
    お題『こたつ』
    R-15くらい 同棲

    光熱費が高い話『―――年に一度の記録的な寒波が押し寄せています。内陸でも雪が降る地域が――』
     窓枠のサッシから冷気が染み入り、底冷えするアパートは光熱費が馬鹿にならない。気軽に暖房をつければ、思わず目が飛び出るような請求書が来ることは想像がついた。夜になると顔を白くして震えはじめる犬飼を見兼ねて、近所のホームセンターへ向かったのは記憶に新しい。すべてセットで買うとまあまあな金額になったが、これで生活の質が向上するなら悪くない。と、影浦は最近まで思っていた。設置当初は、実家暮らしの時でもこたつに触れることは滅多になかったと、物珍しさからかキラキラと顔を輝かせた。「あったかーい、まさに文明の利器」と満足げに表情を緩ませて和むこいつを見るのは悪くねぇな。そう思っていたのも束の間。
     生活の一部になってくると、犬飼はだんだんこたつの住人となった。風呂の順番になっても「あと少し待って」と言ってはそのまま寝落ちし、無理やり引っ張り出そうとすると「そんなにおれの血圧を乱高下させたいんだ」とか、くだを巻き始める。俺だってクソ寒い中動いてんだよてめー、洗濯物外に干せや!

    「この寒い中バイクとか自殺行為じゃない?」
    「うるせーな、乗らねぇのかよ」
    「今日は本屋も行くし先帰っててよ」

     帰宅してからすぐに夕飯の準備を始める。今日は前の日からつけ置きしていた豚肉を焼いて、一緒に玉ねぎと茄子をソテーする。キャベツを千切りにする。残っていた芋の煮っ転がし、なめこの味噌汁。犬飼の実家から旅行の土産でもらった漬物。三十分経つ頃にはあらかた作り終わった。本屋に寄るだけと言っていたから、帰ってくればすぐ食べるだろうとこたつ台の卓上に並べた。これが導入されてから、元々あったダイニングテーブルは朝食のときに座るだけになった。寒さが和らぐまで続くだろう悪習慣。

     ピンポ――ン
    「―ただいまぁ〜寒い寒い!外尋常じゃなく寒い」
    「…当たり前だろ、さっさと手洗え。飯できてる」
     はぁい、と力なく答えた犬飼は、比較的すぐにお湯が出る台所のシンクを使う。その背後に置いてある炊飯器から米をよそい、後ろの犬飼に向かって見せると「もうちょい少なく」と言った。案外食わねぇな。ご飯をよそった茶碗をニ膳置き、席についた。
    「カゲありがとねー、いただきます」
    「いただきます」
     ポークソテーの添えを突き始めたのを見て油断していた。ピリッと肌に何か企んでいる時の感覚。下からだ。
    「ひゥッ…!」
     咄嗟に変な声が出た。左足の甲から脛に向かってスウェットの裾を手繰り寄せていくひんやりとした感触。帰宅したばかりの足は室温より低い。俺が一瞬だけ肩を震わせた様子に、卓の向かいから「あははは」とはしゃいだ笑い声が聞こえる。
    「ひぅ!だって!どんな声出してんのカゲ〜ウケる〜」
    「……てめぇ…舐めたことしてくれたな!このクソ犬」
    「ヒィィお腹いたい…」 
     まだ腹を抑えてヒイヒイ言っていた。調子乗りやがって…眼光鋭く睨み返すも、まるで気にしていないのか千枚漬けを茶碗の端にのせている。
     やられっぱなしは性に合わねぇ。呑気に食事を再開したこいつに一泡吹かせてやりたかった。こたつ台は大人が二人足を伸ばすとぶつかるため、お互いによけたり胡座をかいたりして使っていた。犬飼も食事中は胡座をかいていることは知っている。前に箸を落としたとき、チラッとふとんの中を覗いたからだ。
     少し泣かす。俺の気がおさまる程度に。
     上半身はそのままに、右足をこたつの中へ伸ばす。つま先で胡座をかいている犬飼の脚の位置を把握すると、そのままグッと力を入れた。
    「アッ!ちょ、ちょっとカゲ!なんとなくわかってたけど…ウッ…」
     足を閉じようともぞつくが隙を与えない様、強めに、かつ緩急をつけて踏み込む。
    「…ッ、あ、やめてよ!痛いから…」
    「嘘つけ、そんな顔してねぇし」
     痛みなんて刺さってきてねぇ。少し強めくらいの方が反応がいいドMだってこたぁ分かってんだよ。
     若干蒸気してきた頬と反対に、刺激を逃そうと奥歯を噛み締めている。ふーん。もうちょいやるか。緩く硬さを持ち始めた中心にはたまにしか触れず、その付け根を摩ったり股座の奥につま先をねじ込んで会陰部を押し込んだ。
    「…ッア!〜〜ダメッ!!そこ、押さないでぇ…ぅぁッ」
    「……ハッ、踏まれただけで良くなってんのかよ。クソザコだな」
    「っ、ちょっと、ちょホントに止めて!イ、イっちゃうからぁ…汚れちゃう…」
    「別にいいんじゃね。俺には関係ねぇ」
     何それキチク!!とか文句聞こえたところで、ちょうどしっかりと形を持ち刺激に震えている先部分をこねる様に押しつぶすと、卓上に額を擦り付けるようにうずくまって
    「―――アッ!ダメ、――ンぅ〜〜〜ッ!」
     そのまま後ろにクタッと倒れ込んだ。

    「ヤメテって言った。ズボンまでベタベタになったし、ご飯冷めちゃったじゃん」
    「…しつけぇな。謝ってんだろ」
     興味本位と思いつきで続けてしまったことをネチネチほじくり返してきている。温め直したおかずをムスッとした顔で頬張る犬飼の耳は赤い。
    「ご飯中は絶対ダメ。お行儀悪いから」
    「わぁーたよ」
    「……ご飯終わったら、触ってもいいよ」
     なんだ、こいつ。足りなかったですって隠す気なしで刺してきやがって。ぜってー泣かす。
    「今日のお風呂掃除はカゲがして」
    「おめー、マジで調子乗ってんな…」
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