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    inaeta108

    @inaeta108 イオ の物置です

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    班長の作戦ノートを拾う46さんの話

    #キラ白
    cyraWhite

    ーーこれはおそらくあのキラーTのものだろう。

     好中球Uー1146番は確信めいた心持ちで黒い小さなノートを見つめた。表紙には少し荒々しい癖のある字で「作戦計画」とだけ書かれている。ちょうど胸ポケットにすっぽり入るくらいの、携帯性に富んだそれは1146番の心中などお構いなしにベンチの上に燦然と鎮座していた。

     1146番がそう確信するにはいくつかの理由があった。まず一つには場所である。ここはキラーTが常駐している咽頭リンパから一番近い休憩コーナーだ。彼が立ち寄る可能性が高い場所である。
     次に、同じような黒い表紙の小さなノートを使用しているのを目撃したことがある。いつもの厳しい顔つきをさらに険しくして真剣に何かを書き込んでいたのだ。思わず問えば班の訓練メニュー組んでんだよ、と眉間のシワを深くした。
     ただ、その黒い仕立てからしてもキラーT細胞全員への支給品の可能性もある。何しろ彼らときたらその制服から軍靴、軍帽に至るまで須く黒で統一されている。だからノートもおそらくは黒だろう。全身真っ白な好中球課が言える義理ではないが。

     勇猛果敢。体内最強にして最後の砦。そんなキラーT細胞軍の中でも激戦区の咽頭において班長の職に着くあの男。黄金の瞳をギラギラと輝かせ、よく通る声で周囲を叱咤激励し、鼓舞し、纏め上げる力強い姿。その彼の「作戦」とは一体どんなものなのか。こちらは戦い方の違う好中球とはいえ、仕事の参考にもなるのではないか。
     職務へのあくなき探究心と、ちょっとした好奇心。
     幾ばくかの言い訳を散らかしながら好中球はそっとノートを手に取った。
     だが、落とし物とはいえ勝手に中を見るのはいかがなものか。このままここに置いて、持ち主が気付いて取りに来るに任せたほうが良いのではないか。10人中10人が真面目と答えるであろう人格の持ち主は、実にこの5分ほど逡巡を繰り返していた。


    「どしたー?」
    「うわああああああっ」

     突然の、予想だにしなかったタイミングでの問いかけに1146番の全身が跳ねた。いや違う。完全な油断と後ろめたさ故だ。
     そこに立っていたのは骨髄時代からの幼なじみ、4989番だった。にこにこといつもの人懐こい笑みを浮かべている。1146番はふう、と息をついて事情を説明しはじめた。


    ーーーーーーーーーー


    「作戦計画ねえ…確かに大事そう」
    「だろう?うっかり落としたのなら困っていると思うんだ。キラーTに届けに行くべきだろうか」
    「え、でもさ、まずは中を見てみないと。あの班長のじゃないかもしれないし」
     そりゃ重要機密かも知んないけどさ、チラッと見るくらいしょうがないでしょ。
     4989番は事もなげに言ってのけた。その声は鼻腔名物温泉まんじゅうの餡の塩加減について語る時よりも平然としている。友人の後押しを受けて1146番はノートをめくった。
     そこには。

    【作戦計画 概要は以下の通り
    目的:知人という現状から前進し、ターゲットと交流を深め、交際に発展させることを目的とする。
    実行組織:キラーT細胞軍咽頭班班長 単独で遂行する
    計画責任者:キラーT細胞軍咽頭班班長
    開始時間:可能な限り即時開始するものとする
    終了時間:目標を達成次第終了するものとする
    ーー但し、ターゲットの仕事の障りになる様なことや、困らせる様なことがあってはならない。その際は計画を中止するものとする】


     充分すぎるほど長い沈黙がふたりの間を通り過ぎた。
    「これさ、」
     4989番が果敢にも口を開いた。彼にはそんなところがある。快活に地雷原を駆け抜けるような豪胆さ、もしくは無鉄砲さが。
    「まあ、作戦だね。なんて言うかそう、恋の」
    「……だな」
     第一発見者である1146番は、その二文字を絞り出すので精一杯だった。細菌の討伐について好中球随一の積極性と能力を誇る彼は、所謂色恋沙汰への対応力が著しく低かった。良く言えば純朴。悪く言えば鈍感。そして途方に暮れていた。後悔に苛まれていた。彼は誠実でもあるのだ。
     なんてものを拾って、そして覗き見てしまったんだ。すまない、キラーT。そんなつもりはなかったんだ。
     ぐるぐると蛇行をやめない思考回路は迷宮入りを決め込もうとしていた。

     ぺらり。
     その思考を止めたのは旧友たる4989番の指先一つだった。すなわちページをめくる動き。


    【作戦1:できるだけ友好的に話しかける】
    「うわあーっっ」
     なにしてるんだ、とかダメだろう、万感のこもった叫びだった。だが音読は止まらなかった。
    【休憩時、ターゲットを発見次第声をかけ5分を目標に会話を継続させる。この5分とは訓練時の休憩時間約10分から移動等に掛かる時間を差し引いて算出されたものである】
    「ーー頑張んなきゃ5分も話せないってどんなだよ。前途多難過ぎ」
     4989番は友人のパニックなど全く意に介さぬ様子で率直かつ鋭い感想を述べている。

    「なになに、結果はーー
    【何度か試みたが、体内の近況以上の会話に発展しない。共通の話題について情報収集及び検討する必要がある】それはダメじゃね? てか逆に5分で会話終わらせる方が難しいけどなぁ?」首がことりと傾いた。

    「その、ちょっとこれ以上読むのはまずいんじゃないのか」
    「えー。でもさ、気になるだろ?」
     4989番はあくまで悪びれない表情だ。この豪胆さは見習うべきだな、と1146番は素直に思った。
    「いいじゃん。読んで、さりげないアドバイスとか手助けとかしてやれば。だってまずはお話からとかどこの骨髄球?ってレベルだよこれ。まあお前に恋のアドバイスは無理かもしれないけどさ」
     さりげなくひどい台詞を交えているのに、思わず頷いてしまうほど真摯に聞こえる声だった。時折面白そうにひくつく口元さえ見なければの話だが。



    【作戦2:自己アピール。仕事ぶりを見せることは有効だと考える】

    「確かに! 戦場で見るとなんだかんだやっぱり強いもんなあいつら。あ、でも相手が免疫細胞以外だったら逆効果かもなー。怖いって」
     見た目の圧がヤバい、と4989番が快活に笑うから1146番も思わずつられてしまった。4989番の考察は止まらない。
    「んー、黙ってた方がそれなりに見えそうだよな班長。めっちゃ苦手そうだけどデスクワークとかで真剣な顔とかしてさ。イマイチ想像できないけど」
    「ああそうだな。以前にこのベンチで何やら訓練の計画を立てていた時は俺たち好中球とは違って、なんというか班長なんだなって感じがした。あれなら確かに赤血球なんかも怖がらないんじゃないだろうか。…そうか、こんなことをアドバイスすればいいのか?」
    「へー。静かな班長なんて珍しいもん見たなお前」
     丸い目がぱちりと音がしそうなほど見開かれた。心底意外そうな顔だ。まあ、目撃した自分自身珍しくて印象に残っているから覚えていたのだろうが。



    【作戦3:褒める。ターゲットは仕事熱心だ。材料には事欠かないだろう。あとは良い機会さえあれば】

    「ああ、これはいい考えかもしれないな。キラーTは班を率いているだけあって意外と褒め上手なんだ。きっと部下を指導する時とかに使うんだろうな」
    「え、お前褒められた事あんの?あいついつも怒ってるって言ってなかった?ほのぼのすんなとか戦えんのかとか」
    「一月くらい前、雑菌に紛れてアデノウイルスが侵入した時あっただろ?初動が良かったからキラーTの部隊が来るまでに結構抑え込めたし、カタがつくのも早かったんだ。戦闘後に流石いい働きだって急に褒められた。まあでも好中球同士の連携もうまく行っていたから嬉しかったな」
     4989番は表情を変えないまま「へー?」相槌をうち、それから丸い目をつい、と細めた。こうするとにこやかな友人の顔は途端に剣呑なものとなる。懐かしいな、と1146番は思った。桿状核球先輩の元に好酸球とともに通い始めた頃に見たことがある。その前にも後にも何度か。これはきっと、警戒して、心配している時の顔。……何を?



    【作戦4:お茶に誘って他愛ない会話を交わし、距離を縮める。まずは休憩スペース等でゆっくり話せれば。…だが、上手くできるだろうか。事前の充分なシミュレーションと練習が必要だ】

    「そういえば」
     1146番はゆっくりと瞬きをした。
    「2週間くらい前にお茶を一緒に飲んだな」
    そう。珍しく休憩スペースで鉢合わせたのだ。
     1146番は思いを馳せた。確か、妙に落ち着かない様子で新作らしきお茶を渡してくれた。間違えて買ったと言っていたが、とても美味しいお茶だった。あれは定番商品となるべきだ。
    「…ふうん」
    「さすがはキラーT。努力家だ」
     だが練習相手として俺を選ぶのはどうなんだ。まあ班員よりはマシか。きっと喜んでしまって練習にならないものな。なんだかんだ慕われているのだあの男は。
     1146番はそっと思い浮かべた。厳しい訓練で部下達に檄を飛ばす力強い姿。そして、勝利を祝して笑い合う姿。その光景はいつも少しばかり遠くにあって、でも存在感たっぷりに視界の端を占拠するのだ。

     …ということは、彼はもうこのターゲットをお茶に誘っただろうか。練習からは充分な時間が過ぎ去っている。うまく会話はできたのだろうか。
     1146番の思考は止まらなかった。常ならば迷いなく前だけを向くことができる心は、だからこそ不意に打ち込まれる楔にひどく弱くできているようだった。

     …このターゲットはこんなに切なく強い想いにまるで気付いていないのだろうか。
     悲しい。寂しい。
     違う。幸せを願うべきだ。隣人の。友人の。
     1146番は一度息を止めて、こらえるようにふうと吐きだした。何処かが痛んだわけではない。そのはずだ。


     それから、更にページをめくろうとする4989番の手をゆっくりと遮った。
     これ以上はもう。

     手はそれ以上動こうとはしなかった。代わりに動いたのは目の方だ。4989番は1146番をじっと見つめていた。その視線にはとにかく憂慮が色濃く乗せられていた。彼が本気で心配しているときのものだ。1146番はその気遣いをなんとか払拭しようと声を上げた。
    「いや、大丈夫だ。心配はいらない。そう、なんでもないんだ」
     声はくっきりと弾んだはずだった。しかし空元気に聞こえたらしい。確かに言葉を要しすぎたかもしれない。焦ると咄嗟に口数が増えるのは悪い癖だった。そしてそれは友人達にも深く知られたものなのだ。
     本日2回目の沈黙が休憩スペースを通り過ぎた。このふたりにとっては珍しいことだった。



     慣れない空気に耐えかねた1146番がもう一度口を開こうとした時だった。視界の端に珍しい影が映った。すらりとした体躯、茶色い頭髪、黒い眼鏡。モニター越しに見慣れた柔らかな笑顔を整った顔面に貼り付けたヘルパーT司令もふたりに気づいた様子で、そのままふらふらと近寄ってきた。傍らにはいつもの通り制御性T細胞が控えている。

    ーーこれはちょうどいいのでは?
     1146番はノートを握る手に力を込めた。
     ヘルパーT司令ならば、機密の様な大事そうなノートが落ちていたといえばキラーTの元へ届けて、この場から消し去ってくれるのではないか。何しろ彼の直属の上司であり、ちらと漏れ聞いたところによると胸腺学校時代からの旧友なのだから。

    「あれ〜どうしたの? 好中球くん」
     ゆったりとした声だった。1146番が事情を説明しようと頭を巡らせる間に司令はもう一度口を開いた。流石、目敏い。
    「それさ、ひょっとしてキラーTくんのノートかな?」
    「!」
     ありがたいことに免疫細胞部隊の誇る司令官は素晴らしく察しが良いらしい。1146番は安堵のため息をついた。
    「拾ってくれたんだ、ありがとう。預かりたいんだけど僕今から外出でさ。ティータイム用の紅茶とお菓子が切れちゃったんだ。ね。制御性Tさん。
    だから悪いけど君が届けてやってくれないかな?今、司令室でひとりで書類作成中だから。
    それで落とし物の1割と言わず5割分くらい請求すれば良いよ。そーんな大事なノート落とすなんてさ。全くなってない。
    ーーじゃ、よろしくね」
     長台詞を見事に言い切った司令官殿はひらひらと手を振って去っていく。こちらの反論は聞かない心算らしい。大通りに向かって角を曲がる、その足取りは軽やかだった。
    残された好中球ふたりは煙に巻かれたような心地でぽつりぽつりと会話を交わした。


    「ーー頼むつもりが頼まれてしまった」
    「まあ班長も上司から渡されるよりいいんじゃん?」
    「しかし、もういい加減休憩しすぎな気もする。一度パトロールに行ってから」
    「持ち歩いてたら戦闘で汚しちゃうかもしれないよ?それに今なら班長の居場所もわかるし」
     打てば響くような反論だった。1146番の手札は早くも無くなってしまった。元来、策も言葉も弄する方ではないのだ。


    「じゃ、お前行ってこいよ」
     唐突に4989番が口を開いた。
    「だが」
     少しばかり言い淀む1146番に向かって4989番は困惑も悲哀も丸ごと包み込むような笑顔を見せた。昔から悩んで、困って、途方に暮れている時に無条件に与えられるものだ。どんなこともきっと上手くいくよと励ましてくれる優しい笑顔。
    「お前が、お前だけが行った方がいいんじゃないかなって俺は思うんだけど」
     それでいて、決定事項を告げるような有無を言わせない声音だった。

     1146番は悩まない。果断即決は好中球の旨とするところだ。
     身体のためならば巨大な抗原の口の中だろうと胃酸の海だろうとコンマ1秒で飛び込む決意を固めるタイプだ。そこには逡巡も懊悩も存在し得ない。彼らの生に悩んでいる暇などない。そのはずだった。
     だがしかしこの心持ちはなんだろう。1146番は黒い表紙に書かれた癖のある字を眺めた。
    脳裏でキラーTが笑顔をこぼした。輝くような、と言っていいものだった。この笑顔をひとりじめできる細胞は、きっと幸せなのだろう。
     細い針で刺されたようなツキリとした痛みが走る。こんなにもどうにもならないような気持ちは、はやく看取ってやるべきだ。

     1146番はひとつ、覚悟を決めた。


    ーーーーーーーーーー


     遊走路に飛び込む白い背中を見送ってから4989番はくるりと後ろを振り向いた。そこには買い物に向かったはずのヘルパーT司令がにこやかな笑みを浮かべて立っていた。
    「やあ、彼は届けに行ってくれたのかな? 全くうちの馬鹿な部下が手間をかけてすまないね」
    「いやー、コチラコソ。うちの友人がなんかスミマセンネー?」
     別に手放しで全てを認めているわけじゃないからな。牽制を込めた視線は百戦錬磨の眼差しでふわりと受け止められてしまった。
    「僕はね、これでもみんなの幸せを願ってるんだよ。というわけで君の幸せのためにこの間十二指腸にオープンしたブーランジェリー人気ナンバーワンの焼き菓子詰め合わせはいかがかな?あとでご友人達と食べるといいよ。日持ちするから今日じゃなくても大丈夫」
     眼鏡の奥がきらりと光る。ああ、食えない野郎だ。清々しいまでに。4989番は人気の焼き菓子とやらを恭しく受け取った。


     さて、あとどのくらい時間をつぶせばいいだろうか。それとも他の執務室を手配した方が良いだろうか。視線の先、ヘルパーT司令の司令室は今はまだ静まり返っている。怠け癖のある、もしくはそのように見せたがる上司のスケジュールを思い浮かべた制御性T細胞は、美しい唇を少し動かしてため息をひとつこぼした。それは柔らかな笑みの形をしていた。
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