プレゼントはケーキのあとで「荷物を送るから受け取ってほしい」
そう言われた上京一年目の秋。
いつでも会えるようになったというのにわざわざ送ってくるなんて。
どんな大層なものが送られてくるのかと思った11月。
正確に言うと5日20時。
「配達です」とインターホンから聞こえる声に思わず笑いそうになった。
近頃の時間指定は随分と時間通りに荷物を運んで来るものだ。
笑いを堪えて顔に出さない様に、「はいどうも」と玄関を開けた。
開けた扉の先で笑う配達員を見ながら、わざとらしく腕を組んで壁にもたれる。
「お届け物です」
そう言って、配達員ぶった羽鶴が恥ずかしそうに笑った。
恥ずかしいならやらなければいいのに。
恥ずかしくてもやりたかったんだろうな目の前のこの男は。大好きな俺のために。
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