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    ねここ

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    3/1-2 うめさく🍅🌸WEBオンリー用
    満員電車で興奮しちゃう話

    二人の世界「少し我慢できるか?」

     普段は滅多に乗らない電車に乗車した途端、これだ。土曜日だし混んでるだろうな、とは思ってたが、想像以上に満員すぎる。ぎゅうぎゅう詰めの電車の中で、オレと梅宮はドアに押し付けられる形になっていた。潰されている、の方が合っているかもしれない。そろそろぺたんこになっちまう。端っこに追いやられたことで他の奴とくっつく範囲が少なくなったのはよかったが、その分梅宮との距離がいつも以上に近くなった。顔を上げればキスしてしまいそうな程、めちゃくちゃな距離に気付いてから無駄に意識してしまう。
     オレより高い背、オレより厚い身体。オレとは全然違う。梅宮の体格の良さを改めて実感して、自分とこんなにも差があるのか、と悔しくなりつつも電車の中だというのに触れているところから梅宮の体温が伝わってきて、心臓が速くなるのを感じた。鼻に押し付けられている胸元からは梅宮の匂いがして、ドキドキしてしまう。
    「さくら?」
     熱い。顔が火照る。こんなの、真顔でなんていられない。 眉をよせてこの状況に耐えているオレの顔が苦しそうに見えたのか、梅宮は心配そうな声で名前を呼んだ。
     こいつはオレの名前を呼んだ、ただそれだけなのに、耳元で名前を囁かれて身体が小さく跳ねてしまった。電車の中といういつもと違う環境も理由の一つだと思うけど、普通に息を吸うだけでも梅宮色に染まっていくこの体勢は、些細なことにも反応してしまう。
     バレてないことを祈るも虚しく、梅宮はオレの反応を見逃さなかった。
    「……さくら、」
     もう一度、今度は少しだけ低い声でゆっくりと囁かれ思わず顔をあげると、梅宮の新橋色の瞳が俺を捕えた。
     そらしたいのに、そらせない。
     ほんの少し首を横に動かすだけ、ほんの少し目線を下へさげるだけ、ただそれだけでいいのに、それができなくて。
    「!!」
     お互いじっと見つめ合っていたら急に電車が激しく揺れて、 より一層身体が密着した。揺れのおかげで絡んでいた視線が解けてほっとしたけど、すぐに下半身に違和感を覚える。 オレのはらあたりに当たっている、ゴリッとかたい感覚。これは、おい、嘘だろ……?
    「…………おい、当たって……っ!」
     勃つことは生理現象の一つ。だけど、このタイミングで勃たれると何とも言えない気持ちになってしまう。こんな所で興奮してんのか?
     もしかしたら、たまたま今勃ってしまって、隠すこともできず仕方なくオレの身体に当たっただけかもしれない。 なんて正直ありえない可能性を考えて、当たってる、ということを伝えてはみたけど返事はなく、代わりに梅宮は固くなった股間をグリ、と今度は故意的に押し当ててきた。
    「っ、!! うめみや……!」
     この人は何を考えているんだ。こんな、人がいっぱい居る電車の中で。周りから丸見えの中で。
     オレの後ろはドア。触れないように腰を引きたくても、逃げる隙間がない。身じろぐことすらもできない。二人の身体が動けないほど密着していることをいいことに、梅宮はぐりぐりと擦り付けるように腰を動かしてくる。
     電車の揺れに合わせて身体を揺さぶってきて、耐えられそうにない。誰かに見られてしまうかも、そう考えると余計にドキドキして熱が下半身に集まるのを感じた。こんなところでオレまで勃起したら変態だと思われちゃうのに、身体が勝手に反応してしまう。
    「……大丈夫、誰も見てないから」
    「!」
     オレの心を読んだのか、梅宮の服を掴んで耐えてる俺にだけ聞こえるように耳元で呟いてきた。
     大丈夫? 何言ってんだ、大丈夫なわけないだろ!
    「……はは、桜も勃っちゃったな」
    「っ……!!」
     とうとう勃ってしまったオレの下半身に気付いて満足そうに笑う梅宮は、全く悪びれておらずむしろ楽しそうだ。こっちはとにかく必死なのに、梅宮だけ余裕があってムカついてきた。でも殴るわけにはいかないし、逃げ場もない。次の駅に止まるまでとにかく耐えるしか道はなかった。
    「…………さくら、」
     吐息混じりの声が耳をくすぐる。
     一度スイッチが入ってしまえば、身体はどんどん敏感になっていく。
    「……ぁ、ッ、!」
     いつの間にか両足の間を割って入ってきた梅宮の太ももが、オレの股間を刺激してきて思わず声が漏れてしまった。これ以上出ないように、すぐに唇をぎゅ、と結んで声を飲み込む。
     いつもは優しく触れてくるのに、今は少し荒っぽく刺激し続けてきて、頭がついていかない。恐怖、羞恥心、戸惑い、困惑、色んな感情が混ざって本当は今すぐ逃げ出したいはずなのに、オレの意思とは反対に自身がどんどん固くなっていくのが自分でも分かった。
     これだけくっついていれば周りからは見えないだろう、と言い聞かせて、オレはとにかく次の駅に停車するのを待った。
     一分、一秒がやけに長い。時間の進みが日によって変わることはないから、長く感じる、が正しい。次の駅までこんなに時間がかかるのか!? 早く、早くしないと、もう…… 
     どうにか意識をそらしたくて、ぎゅっ、と目を閉じてみたり吊り下げられている興味のない広告を見たりしていると、梅宮の後ろに立っている男と目があった。目があった瞬間に、男は顔を赤くしてすぐにそらした。この反応、絶対バレてんだろ。
    「! バ、レてる、から……ッ!」
    「……見られて興奮、した?」
    「は!?」
    「桜、やらしーのな」
     いい加減止めろ! って意味で言ったのに、梅宮はむしろこの状況を楽しんでいる。焦りまくるオレと、余裕しかない梅宮。正反対すぎるだろ。 
     オレも梅宮も、きっともう我慢なんてできない。今すぐここから飛び出して、お互いに欲を吐き出したい。
    『次は〜…………』
     早く、早く。そう願うオレの想いが届いたのか、電車内に次の駅に停まるアナウンスが響いた。後何分かしたらオレの背にあるドアが開くらしい。オレはドアが開いたらすぐに動けるよう、身体の向きを変えて向かい合っていた梅宮に背を向ける格好になった。梅宮は、向きを変えたことで少しだけ離れたオレの腰にするりと手を伸ばして抱き寄せながら、やっぱり腰をグリグリと押し付けてきた。ぐっ、ぐっ、と揺さぶられて、まるで後ろから犯されているような感覚に陥って、もう、ダメ。
     早く解放されたくてこのドアが開く映像を脳内で何度も繰り返している内に、電車の速度が落ちていってやがて完全に停車した。
     左右に開くドアに吸い込まれるようにオレの身体が外へ出て、梅宮もそれに続く。
     外に出て新鮮な空気を吸い込むと、少し気持ちが楽になった気がしたけど、そんなことで興奮は収まるわけもなく。目的地も分からず人の流れに合わせてそのまま足を前に進めていると、後ろから梅宮に手首を掴まれてそのまま引っ張られた。
    「!」
    「桜、こっち」
     危うくバランスを崩して倒れそうになったが、流石は梅宮。一瞬傾いたオレの身体を軽く引き寄せて、体勢を整えながら歩いていく。
    「……どこ、行くんだ……?」
    「…………桜、もう限界でしょ」
    「……それは、お前も、だろ」
    「うん、だからこのまま二人きりになれる所に」
     改札を抜けて外に出て、よく分からないまま歩いて行く。普段降りない駅だからどこに何があるか分からず、オレは梅宮に従うしかなかった。
     後ろから梅宮の顔を覗き込んでみると、梅宮はやたらと周りをキョロキョロして何かを探しているように見えた。これは……梅宮もこの辺よく知らないな……。
     一言も話さないでずかずか歩いていく梅宮は、斜め前を見ると急に進行方向を変えた。そのまま着いていくと出迎えたのは少し汚れた細い道。あの一瞬でここを見つけたのか。普通の人ならさけるであろうこの道を、梅宮は全く怯まずに先へ進む。
     薄暗く人気もない。心なしか空気が重い気がする。地元の人しか知らなそうな独特な雰囲気が漂う道。至るところに転がっている潰れた空き缶、あちこちに落ちている踏み潰された煙草の吸殻。それからセンスのないカラフルな落書き。
    「……梅宮」
    「……桜」
    「っ!」
     名前を呼んでようやく足を止めた梅宮は、オレの腕を思いっきり引っ張ってきたからオレは梅宮の胸に飛び込んでしまった。
     結構な勢いでダイブしたのに、梅宮はよろけることなくしっかりと受け止めた。そのまま両腕で包み込むようにオレを抱きしめてきたから咄嗟に離れようとしたけど、少し悩んでここなら、まあいっか……とオレも梅宮の背中に腕を回した。
     それを合図に梅宮は腕に力を込めながら下半身を押し当ててきて、さっきまでの記憶がよみがえって一気に顔が熱くなる。落ち着いていた心臓もまたうるさくなって、萎えかけていた自身も元気を取り戻している。なんて正直な身体だ、と恥ずかしくなった。
     ゆっくりと顔を上げてみると、熱を孕んだ瞳と目が合った。視線が絡んで、動けない。
     いつの間にか、背中を撫でていた梅宮の右手がオレの顎をそっと掬って、あ、と思った瞬間に視界に影が落とされた。
    「! んっ……、」
     ちゅ、と触れた梅宮の唇はとても柔らかくて、気持ちがいい。二、三度触れるだけのキスをした後、口を開いて、と促すように顎に添えられていた梅宮の指先が動く。オレはそれに応えるように僅かな隙間を作ると、こじ開けるように直ぐぬるりと舌がねじ込まれた。
    「っ、! ふ、……んっ!」
    「……ふ、かわいー」
    「ッ、うめ、みやぁ……」
     ここが外だということも忘れて、求め合うように激しい口付けを繰り返す。崩れ落ちてしまわないよう、梅宮の身体にしがみ付くオレを愛おしそうに抱きしめながら、激しいキスの嵐は終わらない。
     静かな路地裏に、卑猥な水音と荒い呼吸が反響して頭がおかしくなりそうだ。
     きっと、大丈夫。こんな時間にこんなとこ、誰も来ない。もし来たとしても、見て見ぬふりしてくれるだろ。
     見つかりませんように、と祈りながら、オレたちは暗い夜道に溶け込んで甘い時間に溺れていった。

     夜は長い。本番はまだまだこれからだ。






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