あいつとあの人:司レオ「わっ、なんだなんだっ⁈」
景気良くばらまいた譜面を回収している最中、とすんと小さな衝撃があり、レオは屈んだ状態のまま背後を仰ぎ見た。
曲がり角でしゃがみ込んでいたレオに躓きかけたのだろう、小さな白い影は、「すみません」と機械的に謝罪の言葉を口にする。それは、レオが所属する事務所の新顔ユニット「Special for Princess!」の一員――神無だった。
「あれっ、お前たしか、ケイトが『宇宙人かと思った』って話してた新入りじゃないか⁈ うちの事務所入ったんだよな! どの辺りが宇宙人っぽいんだ⁉︎ あっ、挨拶分かる⁇ うっちゅ〜!」
捲し立てられながらも、彼の大きな瞳は揺れることなく、レオを一瞥する。
2604