セボンスターのかわいいはみんな好き リオセスリは頭を抱えていた。
予言の日以降、お見合いや縁談の話が次々と舞い込んできている。その中には、お見合いを隠すために仕組まれた社交界のパーティーへの招待や、メロピデ要塞の大切なお得意様から送られてきた、取引を装った縁談の案内も紛れていた。
今の彼にとっては、メロピデ要塞の管理だけで手いっぱいだ。
水の上のことに手を出す余裕はあるものの、その時間を後進の育成に充てたい。
さて、この人生。誰かに託すのも悪くないだろう。
***
「公子さん、公爵の妻になってくれないかい?」
「なに?普段は回りくどいくせに、突然そんな馬鹿みたいな提案をしてくるなんて。まずは説明してくれないと話が始まらないね」
「ああ、奇しくも暇であってほしい本業に忙殺されていてね。猫の手どころかドラゴンの手でも借りたいくらいさ。なんで公爵の務めはどうしても後回しになっちまう」
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