心労と鼓動仕事上のちょっとしたトラブルも重なれば大きな疲労となる。
今日の出来事を同僚に伝えるなら「散々だった」と比治山は語るだろう。
最初は誰もが起こし得るような部下の小さなミスだった。それが同時多発的に起きたために収拾と指導にコロニー内を東奔西走、途中で敷島社員に呼び止められて設備不良の処置に出たが、作業中にいわれのないクレームに捕まり長話を受け止めていると迷子が飛び込んできて宥めすかして一旦事務所に連れて行くと今にも口論を始めそうな同僚たちを目撃して仲裁して、ようやくデスクに腰を落ち着けると今度は仕事上の人生相談に呼び出され、何とも難しくままならない気になったところで自分の事務仕事の詰まらなくも修正が面倒なミスを発見して今日作成すべき大量の報告書を片手に頭を抱えた。
1987