アルバムいさかい ワンライ「アルバム」
「————何してるんだ?潔」
「うわ!」
————練習終わり。誰もいないロッカーでスマホに噛り付いていた潔は突如覗き込むようにして掛けられた声に驚き飛び上がった。
「く、ろなか!ビビった~」
「具合が悪いのかと思って、スマンスマン」
「いや!俺こそ紛らわしいコトしてごめん、ってあれ、スマホ」
「これか?」
随分と集中していたらしい。スマホを放り投げたことにも気づかず、先ず誰かを確かめる様子に黒名は違和感を覚える。———五感の鋭い潔にしては珍しい。まあでも今日の練習は中々ハードなものだったし、そういう日もあるか。ひとり納得し、一先ず差し出された掌にスマホを置こうとしたそのとき。潔が噛り付いていた画面に映るものが目に入った。
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