アベンチュリン・タクティックス ルート1 第15話:一つの傷もつけさせない カフカのカフェでランチを取り、図書館でレポートを終わらせると、すっかり夜になっていた。以前ならば、帰りが遅くなると家の人たちが心配するため、急いで帰っていたが、今は必要ない。
「今日のご飯は何にしようか?」
「うーん、焼きそば、とか?」
「いいね。野菜たっぷりのものにしよう」
という感じで、アベンチュリンと手を繋いでゆっくり帰れる。夜道であっても、彼がいてくれるので安心できた。星の場合、敵が襲って来ても返り討ちにはできるのだが。
「星!」
「え?」
突然だった。アベンチュリンにタックルされ、抱きしめ合ったまま地面を転がる。彼はすぐに起き上がり、星を守る体勢に入る。矢が飛んできた方向へと見上げていた。
矢は反対側のビル上から降ってきた。今まで気づかなかったが、人影らしいものが見える。
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