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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    85_yako_p

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    鋭←百。恋と遺影の話。
    100本チャレンジその11(2021/12/23)

    ##鋭百
    ##100本チャレンジ

    キミを看取るカメラ「マユミくん」
     視線をあげれば、ぱしゃり、とシャッターが切られる音がした。レンズの向こう、百々人が俺を撮っている。昔に流行った機械だ。そのまま百々人の手の中に、映し出された俺の写真が収まった。
    「なんだ。俺を撮っているのか?」
     百々人は紙を振っている。なぜ、だろう。きっとなにか理由があるはずだが、それを取り立てて聞く気にはならなかった。
    「うん。……遺影、撮ってる」
     物騒なことを言う。だが、なぜか否定する気にはならなかった。それはきっと、百々人にとって必要なことなのだろう。ただ、はいそうですかと言うわけにもいかない。
    「……死ぬ予定はない」
     百々人は特に驚きもせずに言った。白状した、と言えるだろう。
    「僕が殺すの。……いまのマユミくんは死んじゃうから、記念」
     物騒なことを言う。だが、なぜか止める気にはならなかった。死にたいと思ったことは一度もないのに、百々人がそうしたいなら、そういうものなのかと思う。
    「……どう、殺す?」
     なぜ、殺す? とは問わなかった。
     百々人は俺に触れることもなく、笑う。人差し指を唇に当てて、俺の声を封じて、聞いててね、と呟いて、大きく息を吸った。
    「……僕ね、マユミくんが好き」
    「…………え?」
    「ほら、死んじゃった」
     ぱしゃり、とシャッターが切られた。それを見て百々人は「ね?」と微笑んだ。
    「死んじゃった。もうさっきまでのマユミくんは戻ってこない」
     新しく出力された写真は百々人の手に収まることなく、床に落ちる。百々人は手に持った『遺影』を見ながら、うっそりと呟いた。
    「……もう、こんな目で見てくれないね」
     なるほど、確かにそれは遺影なのだろう。でも、俺はどんな目をして百々人を見ていたのかなんてわからない。ふ、と立ち上がって百々人の手にしている写真を手に取ろうとしたが、百々人はふい、と身をかわしてしまう。
    「……俺を殺してみたかったのか?」
     それなら、なぜ床に落ちた写真を拾わない。
    「まさか。大好きな人だよ? そのままでいてほしいに決まってるじゃない」
     でも好きだから、ダメだった。
     悲しみなど欠片も見せないで、笑顔を貼り付けたまま百々人は嘆いてみせた。
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