邂逅「私は東京都呪術専門学校の教師、夜蛾だ。突然のスカウトで申し訳無いが、一度、我が学校に足を運んではくれないか?」
そう強面の男に言われて、懐かしいあの匂いのする門をくぐった。覚えのあるこの床は歩く度に軋んだ音を立て、窓越しに靡く木々が青い風を運んでくる。なんとも言えないこの新鮮な空気を肺いっぱい吸い込んで、知っている気配に耳を澄ませた。
「一通り学校内を見てもらったが、呪術の授業とは別に一般の教育もしていく。普通の高校と違う点は皆術師、それから人数が少ないと言ったところだ。一般の出という事で不安な事は多々あるかもしれないが是非、君のような術師には我が校で学んでもらいたい」
聞き覚えのある言葉を聞き流しながら、夜蛾の後をついて行く。
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