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    麻稀のSSやイラスト置き場(過去作品含む)にする予定。
    現行ジャンルVG。ザクトマ至上主義。oD中心オールキャラ。相手固定左右非固定。
    マシュマロはこちら→http://marshmallow-qa.com/mmr322_sub

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    20日も遅れたけどザクサお誕生日おめでとう…!ザクトマがイチャイチャしてるSS。oD本編でもわんわんしていたので、キャラ崩壊などさせていない、と私は言い張る。

    Happy Birthday♡ まだ夜という時間には少し早いが夜の遊園地ことワンダヒルには大倉メグミと瀬戸トマリの姿があった。もうすっかり見慣れてしまった巨大仏の手前にある水飲み場の椅子に座り、トマリは何やら熱心にスマートフォンの画面を眺めている。そんな彼女を珍しいな、と思いながら、メグミは来る途中の自販機で購入したメロンソーダを口に含んだ。
    「ねねっ! メグちゃん、こっちの首輪とハーネスならどっちが良いと思う?」
     やっとスマホから顔を上げたトマリは眉を八の字に下げ、画面を指さしメグミに尋ねた。
    「うん? 何、トマリ。犬でも飼うの?」
     視界に飛び込むペット用品の画像を眺め、メグミは真っ先に思いついた疑問を口にする。
    「ううん、誕生日のプレゼントなんだけど、気になるものがいっ〜ぱいあって迷っちゃってさぁ」
    「ふーん、その二つだとこっちかな。あっ、そのトゲトゲしてるやつとかカッコイイんじゃない」
    「あっ、確かに。こっちの赤いやつも捨てがたいのよねぇ」
     キャッキャッと談笑しながらスマホ画面をスクロールさせている二人の様子を石亀ザクサは遠巻きに窺っていた。
    「……ほぅ」
     トマリの口から飛び出た『首輪、ハーネス』そして、『誕生日のプレゼント』という単語から察するに、来月の頭に誕生日を向かえる自分への贈り物に違いない、とザクサは確信する。
     そうか、トマリはそういったモノを用意してくれるのか。ザクサは、ほわんほわんとトマリに首輪を嵌められ、よしよしと抱きしめられる自身の姿を思い浮かべる。
    「…………」
     ──うん、なかなかに悪くない。
    「リードとかも着けてくれるのかな……」
     その方がよりトマリの所有物感が増して良いのでは? と、いつになく真剣に考えながらザクサはドキドキと胸を高鳴らせた。
     ふと、首輪は分かるが、人間用のハーネスってどんなものだろう、という疑問が湧き、ザクサは懐からスマホを取り出し検索をかける。広大な電子の海は直ぐに答えを弾き出してくれた。
    「成る程、こういう感じか……」
     ゴクリとザクサは喉を鳴らす。そこには、めくるめく倒錯的な世界が広がっていた。
     で、あるならばトマリにもそれに見合った格好をして欲しいと思うのは自然の摂理だろう。艶めくボンテージスーツとエナメルが妖しく光るロンググローブを嵌めてバラ鞭を撓らせる彼女の姿を想像しザクサは身悶えた。
    「──あれ? ザクサさん、そんなところに座り込んでどうかしました?」
     ふいに名前を呼ばれ、ザクサは甘い妄想から現実に引き戻される。彼は埃を払い何事も無かったように立ち上がった。
    「ううん、何でもないよ。ユウユ、良かったら向こうでファイトしない?」
    「もちろん、良いですよ!」
     元気なユウユの返事に頷き、先ずは火照った熱をファイトで発散させようとザクサはその場を離れた。

    ◇◇

     十月四日。ザクサがワンダヒルに足を踏み入れると真っ暗だった遊園地の照明が一斉に灯り、クラッカーの音が鳴り響いた。
    「「ザクサ、誕生日おめでとう!」」
     ブラックアウトの皆に温かく出迎えられ、ザクサは誕生日プレゼントを受け取りながら「ありがとう」と礼を言う。カードサプライから日用品まで、ザクサが皆からのプレゼントを粗方受け取ったのを確認すると、
    「──っと、言うわけで、お誕生日ファイトの開幕じゃあッ〜〜!」
     トマリはマイクを片手に意気揚々と開戦の口火を切った。それに合わせて周囲から雄叫びが上がる。ただのお誕生日会で終わらないところがブラックアウトの良いところだ。

    ◇◇◇

     いくつかのカードファイトを終えて、ようやく一息ついたザクサは展望台からワンダヒルを見下ろした。眼下では未だファイトが繰り広げられている。
    「ザ〜クちゃん! そんなとこでなーに黄昏れてるのっ?」
    「うん、こうして皆に誕生日を祝って貰えるなんて、幸せ者だなぁ、と思って。でも、もっと幸せになりたいな」
     ほんの少し首を傾けザクサはトマリを見つめる。まだ彼女からのプレゼントを受け取っていない。トマリは「分かってるって♪」と後ろ手に隠していた包みを取り出しザクサに差し出す。
    「はいッ! これ、私からの誕生日プレゼント♡」
     ザクサは差し出されたプレゼントを喜び勇んで受け取った。
    「ありがとう。今開けても?」
    「もちろん」トマリはにっこり頷く。
    「じゃ、失礼して──、わっ!」
     わくわくしながら丁寧に包みを開けると梟のマークが印字されたスリムなメタルケースに収納された十二色の水彩絵の具セットが出てきたので感嘆の声と共にザクサの瞳がキラリと輝く。
    「前に贈ったのは絵筆だったから、今度は絵の具にしてみたの」
     持ち運びにも便利そうだし、デザインもカッコ良かったしね。と話ながらトマリは嬉しそうに画材を見つめるザクサを眺め、満足そうに微笑んだ。
    「これで皆に今日のお礼の絵を描こうかな。勿論一番最初に描くのはトマリへのだけど」
    「あら、嬉しい。楽しみにしてるわ」
     身を寄せ合い、夜風にあたりながら二人で星を見上げる。
     そろそろ下に戻りましょうか、とトマリが話しかけると
    「──あれっ、でも……」
     とザクサは何かを思い出した様子でプレゼントを見つめ、首を傾げた。
    「? どうかした?」
    「あぁ、いや──、えっと、この間、メグミと話してた首輪とかハーネスって何だったのかな、って……」
     誕生日プレゼントって話していたから気になってたんだけど……、とザクサの言葉尻がごにょごにょと小さくなる。
    「んんっ?」
     トマリは何の話だっけと頭を捻り、やがてひらめいた様子で左手の上に右手をぽんと落とした。
    「──あぁ、あれ? あれは警察学校でお世話になった先輩への誕生祝いを選んでたのよ」
    「へっ?」ザクサはぽかんと口を開ける。
    「彼女、大の犬好きでね。新しいハーネスと写真入りのマグカップを贈ったらすっごい喜んでくれて、ほら、これがその時の写真」
     スマホの画面をザクサに向ける。そこには凛々しいジャーマンシェパードの隣でマグカップを掲げ、トマリと一緒ににっこりと笑う女性の姿があった。
    「──なんだ、そういうことかぁ……」
     勘違いが解決し納得はしたもののザクサはしゅんと肩を落とす。どこかがっかりした様子の彼を見つめトマリは「首輪とハーネス……」とポツリと呟く。
    「──ふぅん。そっか、なるほど、なるほど。ザクちゃん、本当はそういうのが良かったのね……。気づいてあげられないなんて飼い主失格だわ」
     トマリがザクサから一歩身を引いて、くるりと背を向けてしまったので、ザクサは、慌ててトマリに弁明の言葉をかける。
    「ち、違うよ! トマリッ! この絵の具セットは本当に嬉しかったし、首輪とかはちょっと興味があっただけって、いうか──」
     トマリを呼び止めようと彼女の肩に手を伸ばす。が、ひょいとかわされザクサは体勢を崩し地面に両手足を付く形で蹲った。
    「大丈夫? もぅ、気をつけないと怪我しちゃうわよ」
     トマリはザクサを気遣う言葉をかけながら、彼の背中に横座りで腰を下ろした。不意の加重に「うっ……」とザクサの口から声が漏れるが、背中で感じる久しぶりの感触にザクサの頬が火照る。そんなザクサを見下ろしクスクスと笑いながらトマリはそっと顔を寄せて耳打ちをする。
    「……首輪は今度、一緒に選びましょうね。私の可愛いワンちゃん♡」
    「トマリ……」
    「こら、犬は人の言葉をしゃべらない」
     めっと子供を叱るようにトマリの人差し指がザクサの唇に軽く触れる。
    「──でしょう?」
    「わんっ♡」
    「お〜、よしよし。えらい、えらい」
     トマリはザクサの背中から降りるとめいっぱい抱きしめ、わしゃわしゃと彼の頭を撫で回した。

    ◇◇◇◇

    「「……………」」
     一風変わった桃色の空気が展望台から飛び交っている。
    「あのぅ、ケーキ。そろそろ切ろうかと思ったんですけど話しかけづらいですね」
    「だな。どうする?」偶々ワンダヒルに顔を出していた江端トウヤはメグミに話を振った。
    「もう私達で食べちゃっていいんじゃない?」
     こっそりと様子を窺っていたユウユ、トウヤ、メグミの三人はやれやれと肩をすくめ、背後から聴こえる犬の鳴き声をなるべく聴かないように耳をふさいで、そっとその場を離れるのであった。
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    Replies from the creator

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    DONE結ブマルシェ展示作品
    タイ+ヒカ(未来)がプリンを食べるお話。CP要素はありません。
    Dz5話以降ぐらいの時期を想定。チラッとだけど副社長も出ます。みんな優しい人ばっかりなんだよなぁ。
    やさしいひと 通い慣れた廊下を進み、目的地に辿り着く。備え付けのインターフォンを押すと間を置かずに、ガチャリと扉が開いた。まるで待ち構えていたようなタイミングに清蔵タイゾウは少し驚く。
    「こんばんは。よく俺が来たって分かったね」
    「──こんばんは。まぁ、大体いつも同じ時間に来るから。飲み物を取るついでにね」
     タイゾウを出迎えた少女、明導ヒカリは澄した顔でミネラルウォーターの入ったボトルをタイゾウに見せるとポニーテールを翻し、「毎日来なくていいのに」とそっけない態度でリビングへと戻っていく。
    「こらこら、一応俺は君の保護責任者なんだから、そういうわけにもいかないだろ」
     兄である明導アキナを救う為、未来からその身ひとつで来たという彼女を放って置くことなど出来ず、当面の間はタイゾウが面倒をみるという運びとなったのだ。日に一度は彼女の様子をうかがおうと夕食はこの部屋でとるようにと決めたものの友好関係の構築についてはご覧の有り様である。
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