放課後レストタイム ドン、と紫と白のセパレートカラーのドリンクが呼続スオウの目の前に置かれた。カランと氷の涼し気な音が耳に届く。
「なにこれ」
視線だけを動かし、スオウは無理やり自分をこんなところに連れ込んだ明導アキナに向かって口を開いた。
「何って、俺特製ブレンドジュース…! 妹のヒカリにも評判いいんだぜ」
ファミレスの制服に身を包んだアキナはプラスチックのトレイを小脇に抱え胸を張る。
「いらない」
「遠慮しなくていいぞ。俺の私物で作ってるからさ」
「見逃してあげてる先輩に感謝しろよ〜」
ポニーテールを軽やかに揺らした店員がアキナの背後を通り過ぎた。
「感謝してますって。でも、こうして急なシフトに入ってるからチャラじゃないんですか、ナオ先輩。俺、買い物帰りだったんですけど」
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