凛と一緒(3) 凛が一難高校に来て三週間が経ったある日、練習試合が行われた。相手は東京都の白宝高校だ。超進学校でサッカー部は弱小だったのだが、キャプテンが変わってから一変した。潔はその試合を通して、凪誠士郎と御影玲王と剣城斬鉄(かなりの馬鹿であるが玲王の手回しによって他県より引き抜かれた)と知り合った。凪誠士郎はとんでもない天才で、試合中も覚醒し何度も追い詰められた。練習試合だからと息巻いていたチームメイトも凪の爆発的な成長に戦慄して戦意をごっそりと削られた。諦めなかったのは潔…と凛だけ。
前半戦で三点決められて、敗北がほぼほぼ決まったのも当然の流れで、凛が潔に言い放った。
「余計なことは考えるな。お前は俺だけを見ていろ」
5776