「君が自分から病院に来るなんて珍しいですね」
「寂雷がそろそろ僕に会いたい頃かなって思って」
「病院は、用がない人が来る場所ではないのですが……」
PCに映し出されたカルテに視線を向けたまま、どうせ冷やかしだろうと言わんばかりに投げやりに言う寂雷に、これで本当に体調が悪かったらどうするんだと言ってやりたくなる。
一時期はあれほど病院に来いとしつこかったくせに、最近のこいつはなんだかおかしい。診察の後、どうでもいい世間話をする時間がなくなって必要なことだけを済ませてすぐ診察を切り上げるようになったし、以前は時間が合えば一緒に病院の食堂でご飯を食べたり、売店をうろついたりしていたのにそれもなくなった。一週間に一度ほどの頻度で来ていたLINEだって、もうしばらく来ていない。
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