とある傍観者の呟き『親友』の面影に執着して、
『親友の面影』を奪われたくなくて。
それがあなたを突き動かす原動力、
未だ折れない自我(エゴ)なのか。
『親友』の幻影を追い続け、
他人の死、己の死すら糧にして、
いったいどれだけ歩んできたのか。
時を時とも認識できなくなるほどに。
あなたが追っているのは、『誰』?
あなたが執着するのは、『何』?
どんなに立ち上がっても
どんなに歩き続けても
もう『親友』は居ないのに。
決して、二度と、逢えないのに。
そんなこと、
とっくに理解っているのでしょう?
それでも。
全く違った、だけどそっくりな彼を
支え続けていられるのは、
そのために己が身を犠牲にできるのは、
あなたのエゴを押し付けるため?
数多の彼と共にして、
そのどれもが彼じゃない。
あなたの追ってる『彼』じゃない。
全く違った、だけどそっくりな彼に
『親友』という理想(エゴ)を重ねるため?
それとも。
全く違った、だけどそっくりな彼を
数多出逢った全ての彼を
彼が彼であるという、
ただ『それだけ』のために。
あなたのエゴを糧にして
『全ての彼』の力となるため?
いずれにせよ。
それはひとえに
『親友』への執着がゆえ。
ただひとたび巡り逢った、
名前の無い『誰か』。
そんなたった一筋の縁に縋って
あなたは
『誰』のために、
『何』を成そうとしているのか。
―― 単純なこったろ
―― 俺自身の満足のために
―― 我儘通そうとしてるだけだ