モラ魈「お前の中に俺の子種を残したい」
「なっ…、い、いけません。今は戦の最中。いただけるのは大変嬉しく思います。ですが、我が抜ければ戦力が落ちます。それに、もし子ができれば弱点が増えます。モラクス様の願いは叶えてさしあげたい。ですが、それだけはご容赦を」
「ははっ。お前ならそう言うと思っていた。だからこそ愛でたくなる」
望んだ答えにご機嫌なモラクス。
「子種を残すと言っても、俺の元素で包み、お前の中に残すだけだ。俺が解除しない限りその種が芽吹くことはない。俺の神力も含まれるから加護にもなるし、風と岩は元素反応が起こらないからお守り程度と思ってくれればいい」
「はぁ…」
「戦が終わり、落ち着いたらその種を発芽させるとしよう」
「どうだろうか」
「そ、それなら…」
鍾離が凡人になってから少し経って、あの種を芽吹かせても良いだろうかって問われる魈の話