爆誕⭐️マレルリハくんそれはある春先のことだった。
茨の谷の時期領主でもあるマレウスは執務で3日ほど茨の谷に戻らなくてはいけなくなってしまった。お目付け役であるリリアが同行することとなり、慌ただしく出立の準備を行っていた。
「うむ。マレウスよ。お姫に逢いに行ってこい」
「リリア……」
不機嫌な様子を隠そうともしないマレウスにリリアは変わったものだ、と嘆息しながら告げた。
少し前のマレウスであれば文句も言わず淡々と執務を熟していただろう。わがままになった?そうかもしれない。
欲求も熱情もない王などつまらない。それでは民草の為だけの道具と変わらない。
そうした王は得てしてある日突然壊れるのだ。ヒトでも妖精王でも。
リリアにとってマレウスは次期王というだけでなく大切な養い児だ。
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