雪に降り籠められる二人(4月だと季節外れになってしまいますが。。) その日は4月だというのに、よく冷える日だった。
厚手のコートはクリーニングに出してしまったので、薄いコートだけを羽織っていた無惨はポケットに手を入れて、寒そうに肩を竦めている。
「今日は何度だ」
「一応10度くらいはあるようですが、体感気温はもっと低く感じますね」
黒死牟は普段と変わらない様子である。元々体温が高いので、これくらい寒い方が過ごしやすいと言っていて、寒がりの無惨を余計に震え上がらせた。
「予定がないなら帰りたい」
「そうですね、無惨様が風邪を引いても困りますし」
そう言って二人は自宅へと戻った。無惨はそのまま風呂へと直行し体を温めている間に黒死牟が晩酌の用意をする。ルーティン化した生活であり、出てきた無惨がソファに腰掛けると、今夜はウィスキー、レーズンバターとナッツ類、即席のポテトサラダを並べた。
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