Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    suno_kabeuchi

    twst夢とi7の作品投下垢

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 78

    suno_kabeuchi

    ☆quiet follow

    twst夢/デアシュラ
    お子様ランチを見せつけられるデアシュラ

    ##twst夢_SS

    セレブリティ・チャイルドの舞踏曲「イデア先輩、見てください! すごくないですか?」
     拙者の部屋に突撃してくるなりかつてないほどウキウキのルンルン顔で君がお子様ランチを見せつける。旗が立てられたハンバーグにエビフライ、スパゲティ、そしてさくらんぼが乗ったプリン。確かに王道のお子様ランチだ。旗が何気にイグニハイド寮章なのは笑うけど。しかもクオリティめっちゃ高い。手が込んでいるに程がある。だかしかし。
    「なんでそんなに笑顔なんです? 君、僕より年下とはいえお子様ランチにキャッキャする年ではないでしょ」
     拙者のもっともな指摘にやれやれと言わんばかりに君が肩を竦めた。は? 何その態度、ムカつくんですけど。
    「ロマンですよ、ロマン。イデア先輩も男の子ならわかるでしょう」
    「君、女の子じゃん。つかお子様ランチに何のロマンがあるわけ?」
    「そこはノリと雰囲気でフワッといきましょうよ」
    「いや知らんし。人に理解を求めるなら説明してくれん?」
    「えー。イデア先輩、食べたことないですか? 童心疼きません?」
    「…………ないよ」
     そもそも食事なんて胃に入れば全部一緒だし、興味もない。栄養が取れればいいんだからブロックで充分でしょ。
    「じゃあ折角なのでお裾分けしますね」
    「何が〝じゃあ〟なのかまるでわからんが!?」
    「美味しいものはわけっこしたくなりません?」
    「いや別に……」
    「私はなるのでお裾分けしますね」
    「いや要らんが………ってわかった! もらう! もらうから突きつけて来ないで!!」
     ぐいぐいと皿を突き出して来る君にたまらず了解してしまった。拙者に拒否権ないんか? そもそも食事に興味がない人間を巻き込まないで欲しいんですけど。
    「はい、あーん」
    「ファッ!? じ、じじじ自分で食べるんで結構です!!」
    「あーん」
    「圧が強い!! ええいやめんか!!」
     
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
    678

    recommended works