燻ぶる妬心を送れれば すぴすぴと、それはそれはしあわせいっぱいのおかおで爆睡こいてる君を見下ろして何とも言えない気持ちになる。そこ拙者のベッドなんだよな。ついでに拙者いま結構眠たいんだよな。こうも幸せそうな顔で寝てると流石の僕も起こすのが忍びなくなるんですけど。こういう思考になってる時点でもう絆されてるんだろうな。容赦なく叩き起こせてた頃の拙者、カムバック。
ベッドに座る。クッションを抱いてすっごく幸せそうに眠る姿は控えめに言って可愛い。それはそう。まあ言えるわけがないんですけど。所詮交流があるだけの先輩ですし。ますし易しリトマス紙。僕が一方的に汚い劣情拗らせるだけのお話ですからね。自分で言ってて消えてなくなりたくなるな。万が一にでも悟られたら僕の残り少ない学園生活が灰色になってしまう。別にこれまでも薔薇色ってわけじゃないですけど。
「イデア先輩…………」
突如ポップアップしてきた拙者の名前に飛び上がった。何何何なんなのこのタイミングで!
跳ね上がった心臓の在処を確かめるように胸を押さえ、引け腰で君を恐る恐る見れば相変わらず健やかに眠っておられた。だらしなく顔が緩んで何やらムニャムニャ言っている。どうやら僕が登場している夢らしい。
ゆるゆるなお顔はそのままにますます深い眠りについたらしくその呼吸が深くなる。その夢に出てきてる僕、ちょっとそこ代われ。