ゆとり揺蕩う衣の閨 果たしてこれはツッコミ待ちなのだろうか。
僕のパーカーを着てベッドで転がる君を横目で見、そっと組んだ手に額をつけた。君が入り浸るのもベッドに上がり込むのも極めて遺憾ながら慣れてしまったけど流石に人の服を勝手に着ないでもらってよろしいか。
確かに拙者はもうダル着にチェンジ済みだし明日、いや授業的に明後日までそのパーカーの出番はないんだけどそういう問題じゃなくて。せめて一声掛けろという。なお快く貸すかと言われればまた別の話の模様。
「イデア先輩のパーカーってどこで買ったんですか?」
「ヒョオッ!? い、いいいきなり話しかけないでくれませぬか!? ど、どこって……ネットだけど。なんで?」
「買いたいからですね。パーカーの安心感すごい」
「それは同意だけど……え? お、同じやつを買うの?」
「値段によりますね」
「あっそう………」
拙者のパーカー、いくらだっけ。買ったの昔すぎて全然覚えてない。とりあえず大きいことはいいことなので一番大きいやつ買ったことしか覚えてない。まあ服なんて変に目立たなくて楽ならなんでもいいですし。
「あ、地味に高い。適当に買います」
「……………あっそう」
発言内容は至って普通のことしか言ってないしなんならオソロ回避で安心してるのに、妙にイライラするのなんでだ。