おっと流れが変わったぞ「見てください、おそろっちですよ」
「丼勘定にも程があるんだが? そんなこと言ったら運動着着てる全校生徒おそろっちでしょ」
むん、と胸を張っている君に半目を向けれどノーダメージとばかりに笑っている。全国図太い選手権で一位狙える逸材で何よりですわ。奥ゆかしい控えめ系男子の僕には一生理解できない感性だね。元よりする気なんてないけど。
「よくないですか? おそろっち。ロマンがあって」
「それには同意するけど運動着がその判定に入るのは大いに異議を唱えたいんだよなあ……」
「えー。同じ格好をしているイコールおそろっちじゃないですか。イロチですけど」
「だからそんなん言ったら制服だってその判定に引っ掛かるでしょうが。そういう特別感のない奴は個人的にカウントしたくないです」
「なるほど。あくまで私服に限定すると」
「そういうこと。やっぱりオソロってのは特別な関係性が成立しているところであってしかるべきだと拙者は思うわけですよ」
熱弁すれば君が真剣な表情で納得を示した。理解があって何よりだよ。というかなんでいきなりそんな話を始めたんだこの子。
「イデア先輩とおそろっちしたかったからですね」