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    syunenmei

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    syunenmei

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    TSロジャグレ 痛みに精神が引きずられてるグレおば

    抉られた腹が、じくじくと。痛く、痒く、熱く……痛い。
    ベッドに潜って目を閉じても、傷の痛みに意識を飛ばすことさえ許されない。

    「……ふ……っ」

    昼間の戦闘で負った傷。
    少し厄介な連中を相手した時のものだ。本当はちゃんと手当すべきものを、他の連中を優先して自分は適当な手当で戦い続けたせい。

    耐えて、耐えていれば、やがて気絶するように眠れるだろう。今までもそうだった。この腕になる前も、なった後も。

    こんな痛み、よくあることじゃあないか。
    こんな痛みより、もっと痛いものがあるじゃあないか。

    瞼の裏に蘇る、人々の怯える顔。
    体をいじってまで戦った末に受ける中傷、唾棄される暴言。
    今もなお受けなければならない、私じゃない『グレゴール』が積み上げていた、理想の果ての憎悪。

    それの方が何倍も、何百倍も——。

    「——グ、グレッグ」

    不意に、ドアが叩かれる。
    くぐもった声は聴き間違えようが無い。
    勝手につけられた愛称も。

    「今いい? ちょっと話がしたくて」

    いつもの調子で言う声に、私はベッドから跳ね起きる。
    そしてドアを勢いよく開け、驚いた顔のロージャを部屋に引っ張り込んで痛む体で抱き付いた。
    どうしてか——どうしても、そうしたかったから。

    「ぐ、グレッグ?」
    「……ごめん」

    ごめん、なさい。
    急にこんなことされて驚くよな。理由くらい作ってもいいのに。彼は本当に話すことがあって来ただけかもしれないのに。

    でも、けれど。
    今、だけでいい。

    「もう少しだけ、このままでいさせて」

    お願い。
    私が耐えられるように。悪夢から逃げ切れるように。

    果たして、ロージャの腕が背中にまわり抱きしめ返してくれる。
    大きな手の平。欲しかった体温。
    わけもなく目尻から落ちた雫も、見ない振りをしてくれた。
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