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    syunenmei

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    syunenmei

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    現パTSロジャグレ 待たせる話

    ロジャ兄 モデル兼アイドル
    グレおば 事務職


















    雨の気配は窓の外。
    せわしなく立てるタイプ音と、無視を許さない熱視線。

    今をときめくモデルの彼と、社畜まっしぐらな私は休日を合わせることが難しい。
    今日はそんな私たちの、奇跡的に完全なオフだった。
    そう、優しくて甘くなる予定の完全オフ……完全なオフ、だったんだ。
    急に入った確認依頼のせいで私はロージャではなくパソコンを構い、大切な彼を放置してしまっている。
    作業中もじぃと体に浴びる視線はどんどん重くなり、体を縮こませながらキーをしばいた。

    「もう少しで終わるから」
    「うん」

    言い訳にもならない言葉は短くはたき落とされる。

    どうしよう。
    全力で処理しながら必死に考えた。
    彼の機嫌を取り持つには何が一番か。どうしたらいのか。どうやったら——彼に飽きられずに済むのか。
    考えに考えて最後まで結論を出せなかった私に、ロージャはいつものように笑う。

    「終わった?」
    「うん、今アップロードしてるから終わった、かな?」
    「そう」

    返事をするなりモニター前から私を抱き上げて寝室へ。
    急すぎて思考が乱れる私だってベッドに降ろされてしまえば察しもつく。

    「ろ、ロージャ! せめて、せめてシャワー浴びさせて!」

    慌ててする懇願も聴いてくれる様子はない。
    首筋に唇を寄せ、歯の感触に息を飲む。

    「もう待てない」

    至近距離の瑠璃色が深い欲に燃えている。
    そんな火を移されて、抵抗なんてできるわけがはない。

    大口を開けるロージャの背中に手を伸ばし、おいでおいでと胎の奥まで。
    焦らしたぶんだけ、その色を。
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    rinka_chan_gg

    DONE現パロ夏五。
    社畜サラリーマンの夏油がある日見つけた喫茶店のマスターを営んでいる五条に恋をして…?というハートフルでほのぼのしたお話(当社比)の続編です。
    前作をご覧になっていない方は是非そちらからどうぞ→ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19005270

    後ほどピクシブにておまけの話もつけて再掲します。

    イベント開催おめでとうございました!
    ハニーミルクの恋ー2ー■■■



    夕陽が、都会の街を橙色に染め上げている。
    閑散とした住宅街。どんどん幅が細くなっていく道路。利用者のいない静かな公園。
    すっかり見慣れた風景を、夏油傑は今日も歩く。お気に入りの、あの店に行く為に。



    チリンチリン。ガラス張りのドアを開くと入店のベルが鳴り響く。音に気付いたアルバイトの青年が「いらっしゃいませー!」と元気よく駆けてきた。夏油の顔を見るとハッとして「お疲れ様です、お好きな席どーぞ!」と一言付け加えた。彼にはすっかり顔を覚えられていることに気恥ずかしさを感じながらも、夏油は奥のテーブル席へと向かった。

    少し前までは、窓際のカウンター席の方が外の景色も見られるし良いと思っていたのだが、最近はもっぱらテーブル席が夏油の定位置となっていた。その理由は単純に、ここだと店内を一望できるからだ。
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