二回目の方が初々しい二人の話業務も終了間際、二人きりの地下駐車場。
監視カメラの死角で手を重ねて、指先でくすぐるように。
とっておきの甘い声に、吐息を交え。
さりげなく詰めた距離を意識させるように。
「ねぇ、フィン、今夜さ」
「あーーー!俺!ちょっとトイレ行ってくる!!」
わざとらしい大きな声で立ち上がると、フィンは一目散と言わんばかりに駐車場から飛び出した。
クリスの目は一瞬呆気に取られて丸くなるが、すぐに状況を理解して苦笑いに変わる。
一月ほど前、フィンと勢いで体の関係を持った。
ドラッグに当てられ、体の熱を持て余したフィンに誘われて、そのまま重ねた体。クリスはゲイではないと自負しているし、数多くの女性と寝た経験はあれど、男ははじめてだった。
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