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    さばみそ定規

    @SoySauceHirai

    絵と文の下書き置き場

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    さばみそ定規

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    五夏 女体化
    当主(29)×高専(17)

    修正するかも
    アオハルしなかった異次元五条、完全に想像です
    書きたい部分だけ書いてんなこれ

    #五夏
    GoGe
    #女体化
    feminization
    #五夏♀

    当主×高専♀「夏油術師。本日はお越しいただきありがとうございます。」

    目の前の老人は深々と、着せ替え人形よろしく着物を着せられた夏油に頭を下げた。

    「もうまもなくご当主様がお着きになりますので、こちらでお待ち下さい」
    老人は静かに襖を閉め、部屋には夏油一人となった。


    一体なぜ一般家庭出身の呪術師である自分が、五条家の当主と会うことになったのか⸺。

    五条家の当主について、夏油はうわさ程度でしか知らなかった。
    前述したとおり、夏油は一般家庭の出身であるため、御三家やその傍系の出身の者とは縁が無かった。
    向こうとて、特級術師で名は知れている夏油といえども、家系については下に見ているだろう。


    ある時、夏油は学長の夜蛾を通じて、五条家に呼ばれることとなった。理由は伏せられており、一人で来てほしいという旨であった。

    突然の招集に、夜蛾は大事な生徒を送り出すのに苦々しい顔をしており、「行かなくてもいい」とことわりを入れた。
    しかし、夏油はそれでは目の前の学長の面子が潰れてしまうだろうということは察しており、引き受けることにした。
    学長直々の依頼とあっては、高専が直々に五条家に依頼を受けたのだろう。
    夏油個人がどうこうできる問題ではなさそうだ。



    そして夏油は都内の五条家の邸に呼ばれた。

    着いた途端、高専の制服から着替えさせられた。

    使用人と思われる老婆に、あれよあれよと着せ替えられた着物は、花の文様が入った蒼い色をしており、七五三以来、着物を着たことが無い夏油でも、上等なものだろうと察せられた。


    そして一人、一室に待たされているという状況だった。



    ふいに、夏油は、奥の間へ続く襖がわずかに開いていることに気づいた。
    退屈していた夏油は特になにも考えずいざり、襖を閉めに行った。

    閉めるとき、襖の隙間から、奥の間の中が見えた。

    部屋の中央には、夏油が今まで見たことも無いような分厚さの、大きな布団が鎮座していた。

    嫌な予感がする。
    途端に、背後の、入室した側の襖が開け放たれた。

    振り返ると、羽織を着た、見たことも無いほど美しい男が立っていた。
    そして立て膝で立ちすくむ夏油の姿を、頭からつま先までじっと見下ろし、フゥと小さく溜め息をついた。

    どうやら値踏みされたようで、夏油は内心腹が立った。

    男はいきなり、
    「まぁいいか。とっとと済ませるぞ」
    といい夏油を押し退け、布団が待つ奥の間の方へ向かおうとした。

    しかし夏油がその場で固まっているのを見ると、小さく舌打ちをして、片腕を掴んで引っ張り上げた。
    「痛っ」
    夏油は急な事で、思わず声を上げた。
    体格に見合った、強い力だった。
    「離せ!」
    夏油は腕をひねり、なんとか男の手から抜けようとした。
    男は、布団の上に難なく夏油をぽいっと放った。


    夏油は身の危険を感じ、急いで上体を起こし叫んだ。
    「いきなり何なんだ!
    私に、何をするつもりだ!」

    すると男はますます渋い顔をした。
    「はぁ?オマエ何も聞いてねーの?
    あいつら、説明無しで連れてきたのかよ」
    忌々しそうに、小さく舌打ちをした。

    そして、布団の上に座ったままの夏油の上に覆い被さった。
    「オマエは、俺の夜伽の相手に選ばれたんだよ。
    家の決めた奴らに子孫を生ませるのが、当主の仕事の一つだ」

    今度は、夏油が「はぁ!?」と言う番だった。

    そんなの聞いてない!
    夜伽ってあれか?
    今から私がこの男とセックスするってことか!?

    夏油が動揺している内に腕を掴まれて布団に押さえつけられた。


    思わず夏油は肚の中の呪霊を呼び出した。

    空中にできた裂け目から飛び出した呪霊は、男の眼前でぴたりと止まった。見えない壁を、男は周りにまとっていた。

    夏油は見たことのない事象に困惑していた。
    「どういうことだ…?」

    対して、男は興奮しているようだ。
    「オマエのそれ、呪霊躁術か!初めて見た!」
    そして夏油が出した呪霊を、男は何の事はなく、片手で夏油の両腕を掴んだまま、もう片方の手を上げると霧散してしまった。

    男の見えない壁をどうにかしなければ。
    敵わない。

    夏油が腕を布団に押さえつけられたまま考えを巡らせていると、男は目を輝かせて、また夏油をじろじろと見た。

    「…呪霊躁術をもつ特級術師ってオマエのことか!

    一般の出か?
    そりゃあ、色々知らないわけだ。

    あらかたの女は試したから、今度は家柄じゃなくて術式の珍しさと力量で選んだってわけか?

    俺のことも知らねえから、敢えて何も言わなかったんだな」

    「いいから離せ!」
    夏油が身を捩ると、男はあっさりと手を離し、上体を起こした。

    夏油は瞬時に後ずさりし、身構えた。

    その様子を見た男は、なぜそんな反応をするのかわからない、といった風に、怪訝そうな顔をした。


    この男は、根本的に常識が備わっていない気がする。
    否、環境がそうさせたのか。
    少なくとも外の世界では、初対面の女を断りも入れず男に差し出すのも、一人の男が複数の女に子を産ませようとするという常識も存在しない。

    夏油はそう感じた。

    「とにかく、そんな目的で呼ばれたのなら、帰らせてもらう。
    いきなり知らない相手に、身体まで捧げるつもりはない」

    「俺も、さすがに事情知らされずに連れてこられた女抱く趣味はねぇから。

    それより、オマエ、術式のわりにいい動きするよな。体術もいけるのか?」

    またも男は目を輝かせてきた。
    おそらく夏油より年上のはずだが、この表情になると、まるで少年のようである。
    相手の毒気が抜かれるような表情だ。

    だが、夏油はまだ警戒は解いていない。
    「それに答えるほどの仲じゃない。

    大体、私が何も知らされてなかったとはいえ、いきなり女性を引っ張ったり、引き倒ししたりするなんて、いったいどういう教育を受けてきたんだ?」

    言い終わったところで、夏油はしまったと思った。

    招集の件といい、この男の態度といい、引っかき回され続けたとはいえ、年上の、やんごとない身分と思われる男に説教をしてしまったのだ。

    問題になってしまうのではないか。


    そう思っていたところ、男はハハハと笑い出した。

    「俺に面と向かってそんなこと言う奴、オマエしかいねーよ!
    攻撃しかける奴もな!」
    尚も笑いながら言った。

    夏油は非礼を詫びるべきかと思ったが、先に手を出したのは相手である。
    迷って、黙ったままでいると、男が顔を覗き込んできたので、一瞬ドキッとした。
    無駄に顔が良い。

    「オマエ、面白い奴だな、夏油傑。
    気に入った。
    これからもよろしくな。
    俺のことは『悟』でいい。」

    名前、知ってたのか。

    夏油はそう考えながら、それには答えず、距離をとった。
    そして「帰る。」と言い奥の間を出た。
    それを五条は引き止めず、ニヤニヤしながら見送った。

    「またな、傑」

    夏油が去り際に振り返ると、五条はまた無邪気な顔をしていた。
    輝く蒼い両眼はこの世のものとは思えぬほど美しかった。




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    kaoryu12273

    PROGRESS3~6月に出すかもしれない話の冒頭です。
    相変わらず記憶なし×ありの転生。
    舞台はずっと未来かもしれないこの列島の何処かです。
    もし一言でもあれば、こちらから!
    https://wavebox.me/wave/3vwvg0bho3p7xq56/

    イベント中に増えるかもしれないし、Xで連載をはじめるかもしれません。
    いつか一緒に 昨日知り合ったばかりの男は不思議な家に住んでいる。
     階段は外付けで、外壁は淡いミントグリーン、幼児が積み上げた積み木のように、少し凹凸のある三階建て。
     雨ざらしになっているせいか、ところどころ塗装が剥げていて、鉄さびが滲み出ている頑丈そうな階段を昇りきると、何もない屋上に辿り着く。本当に、何もないわけではない。洗濯物干しと台風でもきたら吹き飛ばされそうなプラスチックか何かでできている白い椅子が一つ、ぽつりと置かれていた。
     朝焼けも夕焼けも似合いそうな建物は、だけど北向きの路地に建っていた。周囲も家屋に囲まれているから、反対側がどうなっているのか、一見するだけではわからなかった。
     悟は目に付くあたりがどうなっているのか、その区画をくるくると歩いていた。平均よりもずっと長身の背丈を活かしても、やっぱりその内情は伺えなかった。
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