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    ボッキディウム

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    ボッキディウム

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    🎷🥁

    東京に立った。
    難しい楽譜に連なった16部音符のように人が流れている。
    みんな何かに急いでるように足早に通り過ぎていくのを見て大は自分もゆっくりしてる暇はないんだと気合いを入れる。
    新宿駅を抜けて街を歩く。歩く。歩く。
    仙台より暖かいせいもあってまだ春なのに額には汗が浮かんだ。
    東京には夢と希望がたくさんある。でも、同じ位人もたくさんいた。
    東京は空気が悪いって聞いたから、多分疲れたのはそのせいだろう。

    翌日、高校時代の友達の家に行った。作成通りのアポ無しだ。インターホンを鳴らすと安っぽいチャイムの後に慎重にドアが開き、警戒心でいっぱいの顔が覗いた。
    大の顔を見るなり大層な警戒心も解けきり大層驚いてる友人に経緯を説明し数泊させてもらう事に成功する。
    「まだ片付けてないからきたねぇぞ」
    「なんもいいっちゃ。ありがとな玉田!」
    玄関を跨ぐと、東京の悪い空気が薄れてよく知ってる玉田の匂いがした。ふと体が軽くなった気がする。
    まだ段ボールが積み重なってる部屋をぐるっと見渡すと部屋の隅で空気清浄機が静かに作動していた。
    なるほど、きっとこれのおかげで東京の悪い空気がなくなったんだ。
    「ほー、良い部屋だな」
    「良すぎて居着くなよ」
    玉田が笑いながら悪態をつき、冷蔵庫からキンと冷えた麦茶をだしてくれた。
    先程まで感じていた重だるい疲労がどんどん消えていく。
    空気清浄機の機能はすごいな。そう思いながら大は冷えた麦茶をグッと一気に胃におさめた。


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    mitotte_kazu

    MAIKINGフラダンスを生で見る機会があって感動したので🦍🐇で書いたやつ。思いついたら続くかもしれない
    舞踏 トントントントン、とヴィエラの長い脚がリズムを刻むようにステップを踏む。一定のリズムで四拍子を刻みながら、すらりとしなやかな腕を広げたり、揺らめかせたりしていた。両手で大きな弧を描いたかと思えば滑らかに手首を揺らし、緩く何かを包むように両掌を揃え、翻しながら舞っている。頬杖を突きながら無言で見入っているルガディンに時折顔を向けながら、指先に視線を移したり目を伏せたりする。周囲の踊り子達に比べて場数や経験も足りていないため拙さは多少感じられるものの、それを差し引いても目を引く姿だった。

     きっかけはたまたま訪れたメリードズメイハネで伝統の舞踏が披露されていたところだった。話を聞くと観光サービスの一貫で時折行われているらしく、ヴィエラとルガディンは思わず感嘆を漏らす。近く行われる予定の祭典でのお披露目前に新人の踊り子達が人目に慣れるように、との理由で行われていた事だった。軽食と飲み物を待ちながら数曲を演者を変えつつ行われる公演を眺める。華やかな舞踏と音楽と共に届いた食事を堪能する。
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