「ルーカン、もうマッチは組み終わってるか?」
「今さっき出来たとこ。問題なさそうならこれで行くつもりだけど…何かあったの?」
「作り直してもらわなきゃいけない」
「なんでさ。まさかやる気が無くなったなんて言わないよね?」
「安心しろよ。逆だ。ひとり勧誘したから、メンツが増える」
「この時期に?」
「組分けの最後にフィグ先生と駆け込んできた転入生。覚えてるか」
「あの5年生の? 今まで魔法を使ったことがないって噂だけど…」
「どうだか。今日、防衛術の授業で彼と一戦やったんだけどな、負けたよ」
「セバスチャンが!?」
「決闘‘は’初めてなんて言ってたけど、あれは間違いなく実践経験者だぜ」
「へぇ。期待出来そうだね」
「多分な。彼が本加入するなら、マッチの組み直しが必要だと思う」
「そういうことなら任せて」
「せっかく組んだのに無駄になって悪いな」
「面白い決闘が見られるなら、こんなの何でもないよ」
「頼もしいね」
「まずは転入生がどの程度やれるのか確かめなきゃ。最初は君とタッグを組ませて一戦やらせてみよう」
「僕と? 彼なら最初から二人相手でも余裕だと思うぜ?」
「君の話が本当ならそうだろうね。でも新入りは歓迎しないといけないでしょ」
「ふぅん?それ、親切心で言ってるんじゃないよな?」
「もちろん。タッグで戦うほうが気分も上がるし、派手な試合になる。いい具合にハラハラさせて楽しませて、もっと戦いたい、もっと勝ちたいって思わせるんだ。是が非でも本加入したいって気持ちにさせないと」
「君、本当に3年生か?グリフィンドール生か?時々末恐ろしくなるね」
「リアンダーとエリックにも同じこと言われたけど、心外だね」