あとがき光らない星
1話最後に一番星が出てきます。一番星とは金星のことで、地球に一番近い惑星です。朝に見える金星は明けの明星、モーニングスターとも呼ばれ、レムの武器と同名。
レムの金星も、エミリアのモチーフである月も、自ら光りませんが地球からは明るく見えます。スバルは今回のお話ではプレアデス星団ではなく、観測者、地球のイメージです。スバルだってレムやエミリア、皆から見れば一番星なのにって意味のタイトルでした。
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星
あとがきというより、原作の感想。
web版四章の第一の試練に出てくる「星」とは、スバルの中で解釈が変わっていきますが、最終的には愛とか愛する人達と捉えているのだと思ってます。
スバルは賢一さんの勇敢で奔放な振る舞いを真似したが、賢一さんの本質は人を愛すること。だから人に愛されていたということを、スバルは理解していなかった。幼少のスバルは星を追いかけたけど、そもそも取り違えていたので、人が離れていき、星も見失う。
人を大切にすることより、"一番であること"や"みんなで馬鹿をやること"という人に囲まれる手段に固執してしまったスバルは、自分から離れていく友人を馬鹿だと笑いさえしました。つまり、賢一さんと同じであろうと星に手を伸ばしたにも関わらず、賢一さんの在り方からスバルは離れていってしまったと思います。
異世界にやって来て人を愛することができたスバルは、再び星を見つけられます。
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コンプレックス
このお話でスバルは愛へのコンプレックスを解決しましたが、見せかけのつもりです。根本的解決はまだなので、きっとまた再発します。
五章の演説前、期待されることに対して葛藤しますが、結局やることは変わらないじゃないかと言って、英雄と呼ばれるうる行動(演説)を決意したのと同じイメージです。
このお話では”期待と愛に応えられないから愛が怖かった→本当は期待されてなかった→解決”と思ってる。
では、レムに英雄を期待されて愛していますと言われる三章ゼロから回でスバルは何を思うのか。拒絶します。
ただ、このお話の思い込みの期待は"自分が父と同じく特別であること"ですが、レムはスバルしか見ていません。アイデンティティが父で形作られていた過去とは違い、自分自身に依るものになります。
「ここから、ゼロから始めよう。ナツキ・スバルの物語を。ゼロから始める異世界生活を」(アニメ18話より引用) この"ナツキ・スバルの"にぐっときます。
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1話 エミリア
スバルはレムに告白される前、自分からレムに告白するつもりだったので、エミリアにレムとのことを伝えてます。
原作の三章最後、竜車でエミリアに伝えようとするのと同じ理由のつもりです。レムと恋仲になる前に、まずエミリアに伝えておきたかった。
このお話のエミリアは恋愛的にスバルをまだ好きではない。五章の"いつか好きになる人"にすでになっているのか、未満なのか不明。
エミリアはスバルとレムが恋仲なのを見て、性愛は理解してないけど、仲がいいのは喜ばしいと感じている。
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1話4 レムとエミリアの会話
「話が飛んでいるのに気付いているが、本質は外れていない。エミリア様も私も、そんなこと気にしなかった」は、菜穂子さんの宿題をイメージしてます。あまり上手く書けていないですが。
web版第四章19より引用
「お母さんとの会話初級――前半と後半に繋がりがない」
「お母さんとの会話中級、突然方向を見失った疑問」
「お母さんとの会話上級――どれだけ脇道にそれても、最後には必ず正しい正解に辿り着く」
原作未読のまま書いた結果、このお話のレムとエミリアの関係性は原作と違うようです……。(四章菜月家など、かいつまんで読んだ箇所もあります)
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1話5 自傷
スバルは無意識に手首を掻いてます。
愛情の喪失による転位行動。レムを忘れないため。罪悪感を解消するための自罰。これらが自傷の理由です。
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曲
影響を受けた曲
辻村有記 - How Are You
思い出した曲
米津玄師 - orion
Apple41 - ダスト
歌詞全部が当て嵌まるわけではありませんが……
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1話の引用元まとめ
3
アニメ7話/web版第二章28
「わかんねぇことだらけなのを知っていこうと、そう思ったよ」
アニメ9話
「全部片付いたら話そう。喉が枯れるまでだ。約束な!」
web版第二章28
──あの場所に、関われなくなってもいいのかよ?
──あの人たちと、触れ合えなくなってもいいのかよ?
アニメ11話
「レムもお姉ちゃんを見習って頑張らないと」
「大丈夫さ。レムもいつかきっと、すごい力を見せてくれる」
「そうよね。なんと言ってもラムの妹だもの」
「期待してるよ」
アニメ11話
「大丈夫。ラムがついてる。だから、何も心配することなんてないわ」
アニメ11話
「レムの代わりなんていない」
5
アニメ9話
「欲張りすぎて、拾って戻れるはずだったものまでこぼれ落とすかもしれませんよ」