高梨くんと持田さん１「今日からお世話になります、高梨充といいます。
よろしくお願いします。」

今年の新入社員は5人。
例年より少ない人数だが、レベルが高いらしい。

5人の中で最後に挨拶したのが高身長で
にっこり微笑む新米の高梨充だ。

俺は、今年で5年目になる持田宏希。

その高身長でにっこり微笑む
新米くんの指導係になったわけだが・・・

どうにも好きになれない・・・。

「どうせ、その笑顔の裏は真っ黒なんだろうよ」
「え・・？」

「いや、なんでもない。」

極めつけに何が気に食わないって俺を見下してくることだ。
新米くんは１８５センチと高身長で俺は・・・

まぁ・・・１６５センチくらい？
（本当は１６０センチ）なわけだが

３０センチ近くも差があると新米のくせに
先輩を上から見てきてにこにこ笑ってやがる。

「あんまりジロジロ見ないでくれるか」

頭のてっぺんの毛穴を見られてるような
気がしてどうにも落ち着かない。

「すみません、そんなつもりはないんですが」
「あと・・・ちょっと近い・・・」
「そうですか・・？」

最近の若者は距離感が違うのか？
パーソナルスペースが妙に近い気がする。

「気をつけます、先輩」

「あ、あー、まぁ頼むわ」


・・・


「高梨くーん！どうだった？！初日のお仕事は」

女性陣が群がってきた。
すらりと高身長で整った顔立ちでいていつも微笑んでいる。

初日から女性陣から「天使ちゃん」
なんて呼ばれるようになっていた。


「なんか・・・むかつく」

それが高梨充に対して、俺の第一印象だった