無題そろそろ夕餉の支度をしようとサスケは台所に立った。
今日も一人だから適当に済ませても良いが、汁物だけはしておくべきかと鍋に水を入れる。
ボコボコと湯だった鍋に削り節を入れ、火を消す。削り節が沈みきってから、それらをこし取れば味噌汁用のだし汁の完成。
こっちの方が手軽だよと、顆粒だしをカカシに勧められて使ってはみたものの、慣れない味がなんだか嫌に思えて結局この方法で出汁を取り続けている。
うちはでは煮干しを使う家庭が多かったらしいが、サスケが削り節の出汁の方が好きだというものだから、サスケが物心ついた時からずっとこの削り節で取り続けているのだと母から教えられた。お陰様で煮干しより下準備が少なくて楽よ、なんて母は笑っていたけれど、それでも世間一般からしたら手間暇をかけているのだと、カカシと暮らし始めてから気がついたことのひとつであった。
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