アキイト馴れ初め(未完成)1
いつからか、そんなことを言い出すと初めて見たその瞬間。
一際目立つ炎、風に靡く赤いマフラー、挑発的な笑みを浮かべた横顔、全てが鮮明に思い出せる。
一目惚れだった。人目見た瞬間、雷に打たれたような衝撃…なんて映画でよく聞く台詞を頭の中で反復させた。
「プロキ…店長、聞いてるか?」
ぼんやりとそんなことを考えていると一目惚れの相手、元言いライトさんが訝しげに声をかけてきた。
「ああ、もちろん。所でライトさん、こんな所でその言い間違えは頂けないな」
「悪い…」
ニコリと笑って返せば申し訳なさそうに目を逸らすのがサングラス越しに伺える。
関わってから分かったことだがライトさんは割と表情に出やすいらしい。
ただよく見ないとサングラスと長い髪で半分隠されたそれに気づくのは難しい。
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