私に魔法をかけて賢者様、ああ賢者様。
あなたの声で落ち着きたいのです。
「あの…ムル?何を言って…」
私たちを慰めてください、賢者様。
「シャイロックまで…!」
「おや賢者様、そんなに怖がらないで」
「これは…魔法か何かですか?」
「ううん、違うよ!わかんない!気になる?気になるなら賢者様が何を考えているか、頭の中をのぞいてみる?」
「ムル、おやめなさい」
「あっはは!おもしろーい!シャイロックの顔がくしゃくしゃ!色男が台無しだよ」
「またそんなことを…あなたには呆れます」
これが魔法だというのなら、私はきっとあなたの魔法使い…
「ルチル?」
「あ、いや。今いい文章が浮かんだんです」
「先ほどの、素敵でしたよ。もう一度聞いても?」
「ええもちろん!シャイロックさん」
1886