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    暖(はる)

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    暖(はる)

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    ゴムの話 森君バージョン
    エキストラで雁●おじさんと鴨さんが登場している

    ゴムの話少しだけ効き過ぎた空調で冷えた躯を温めるように高杉は珈琲を口にする。
    「一日3杯まで」、「ブラックは最初の一杯」と口うるさく言われているが、今日は目の前にバニラアイスがあるから許してほしい。
     お目付役に高杉重工まで来なかった気味が悪いと口に広がる苦みを飲み干し目の前で、アイスを頬張る強者に挑む
    「この規模なら十と言いたいところだがまけて八で良いよ」
    「いきなりぼるのぉ。いやおぬしも後々利益が来る。初手は五で我慢せい」
    「五なんてトントンじゃないか、なら七で良い。これ以上は無理」
    「七か……ここが開発されれば間違いなく拓く、いずれは首都に負けない病院を作る、だからどうじゃ六で」
    「……うちの機材を導入してくれるとここで判を押してくれるなら、乗った」
    「交渉成立」
     強面――信長はスーツケースから書類と判子を取り出し、契約書を仕上げていく。
     これは最初からこうなることを予想していたなと高杉はまだまだこの女傑に勝てないことを実感する。
     やや液体化したアイスをウェハースで掬いながら信長はニヤニヤと笑う。
     少々品がないがアフォガート風にアイスを食する高杉に「躾が行き届いておる」と頷く。そう思うのであれば彼を連れ回すのは止めて頂きたい。
     海に面した小国のさらに小さな離島をリゾート開発すると乗り込んだ信長と森を送り届けたのは一ヶ月ほど前、それから一月で建設を煮詰める段階に持って来られたのは彼女の手腕だろう。
     感心しながら口当たりの良くなった甘味がほどよく混ざる。
     不動産会社では右に出る者はいない織田不動産と、鉄筋工事会社では常にトップを走っている高杉重工は今や蜜月の関係である。無論後ろめたいやりとりは何もない。
     重工が社内福利の一環で建てた病院のノウハウと製造を生かし、医療機器にも手を広げた。それを織田が新設する病院に売り込むといった事はしているが、あくまで選ぶのは病院側だ。
     島が開けるのであればと、土地を買いたたかれても文句を言わなかった市長は、警備に地元マフィアを置くように脅迫してきたが、「あれに勝ててから口にせい」と襲い来るマフィアを森と二人ボコボコにした後、華麗に蘭丸と逃避行したと今時海外ドラマでも見ないような演出をしてきたと笑う姿と、硝子容器をうっとり眺める仕草がミスマッチだが見事に溶け合っている。
     蘭を縁取った容器を気に入った彼女はその後も何度も愛でている
    「気に入ったのなら持っていっても構わないよ、それ可愛いでしょ」
    「知っておって選んだんじゃろ、だが一番はあやつじゃ」
     機密用にと設置した重たいドアを開き、可憐な少女がそこに立っていた。
     少女と言っても飲酒が合法な年齢だから失礼なのだが、どうにも似合わないのだから許して欲しい。
     手招きする信長に花を咲かせるように笑い蘭丸が当然のように信長の隣に座る。
    「お熱いことで」
    「妬くな、妬くな。そなたのがいないくらいで妬いていては身が持たんぞ」
     灼かれてぐずぐずになれな、あれと一緒に囲うまでよと信長が口角をあげ笑う。
     ようやくここまで上り詰めた地位をみすみす手放すわけがないと、わざとそこに溜まった珈琲を掬って飲む
     体格が良いためマフィアの残党狩りにでも繰り出したかと思ったが、それはあくまでおまけで現地スタッフの育成に抜擢された森は日本と向こうの往き来で久しく会っていない
    「もうすぐ羽柴の手が空く。そうすれば向こうは奴に任せるつもりだ」
     適材適所と信長がウィンクする。あっと声を上げ頬を膨らませる蘭丸に違うよと、高杉が手をあげれば、当たり前だとスマホを手にして何やら呟いている。
    「そろそろ帰るとするか、そうじゃったこれ、お土産」
     前のは使い切ったと口を緩ませる信長を無視し、渡されたマイクロチップに首を傾げる。
    「勝蔵の秘蔵映像、それ見て気でも紛らわせ」
     ヒラヒラと片手で手を振り、片手は愛おしい少女の手をしっかり握っている信長にこれ以上、高杉は何も言えなかった
     *
     面倒な入社式も終わり、かねて計画していたリゾート開発に、常春の島国に降り立った信長の護衛兼現地スタッフの下見に駆り出された森はその任務を終えて、ビーチを歩いていた。一仕事を終え、ココアシガーを咥え寛ぐ信長と寄り添う蘭丸を目にしながら、この前、制圧したマフィアの残党の気配を探るのも忘れない。信長と手それは同じだろう、肌を晒す水着姿だが足下を隠しているのは拳銃を見せないためである。
     ギラつく太陽の下で、それよりも脂ぎった顎髭国家公務員とうっかり出くわしたがお互いに仕事ではないので無視をした。
     あれで愛妻家なのか女を侍らせることなく日焼け止めを塗っているせいで、間違いなくこの場で一番春を謳歌して見えるのは森で時々、ゴムを投げてくる輩までいる。
     大抵はサングラスを取れば萎縮し逃げていく。
     面白くないという顔をしていたのだろうか、信長がひらりと水着のスカートを舞うようにして森の前に立つ。
    「そろそろ帰るとするか、その前に少し楽しんでくるから」
     カリッとシガーを噛むと、もう一本食べるついでにと箱からメモを渡された。
     開けばここからほど近い通りと番地が記されている 。
    「帰ってからするのだろ、準備は怠るな」
     親指を挟んだ信長が黒髪を靡かせる。
     酒の席でしくじった話をしたのが、いけなかったのだろうか、だがあれは仕方がない。
     高杉が狂わせたのだから
     *
    開けたばかりの箱が空になった。落ちていないかと森がゴムを探すがどれも己が放った精で満たされている。
     グズグズに蕩けた高杉が欲しくて堪らないと、躯と声、瞳と心全てを使って森を誘惑してくる。
     高杉は明日が休みの最後だ。だからこそこうして躯を暴いているのだが、ナカに出すわけにはいかない。あれは負担が大きいらしく、翌朝の高杉は蹌踉めき人形のように寝室に蹲っているしかない。
     理性を総動員し限界近くで打ち止めしようというのに、高杉は腰にしがみついてくる。
     一度だけ、蠱惑的に蠢く莟を前にして我慢できるはずもなく口にすれば高杉が妖艶に笑う。「あ……!気持ちいい、んぁ、はぁ……森君、」
     隔てるモノ一枚ないだけでナカは熱く少しでも堪能したいと欲張りな魔羅は高杉のナカに留まる。ぐいっと腰を打ち付ければ良い場所に当たったのか高杉が甲高い嬌声を上げる。「あふっ、ンン、おなか、きもちい……っ!」
    先走りを精液と勘違いした高杉が息もままならないのに、襞で吸い付こうとする。
    「まだだ、もっと気持ちいいのをやるよ、」
    「えっ……あ、んん、もっ……頂戴、」
     囁けば、欲を漏らし更に上の快感を強請る高杉に森は満足げに欲を満たした。
     息を整え、高杉に放った精液を処理しようと目線を動かすが、とろとろと流れ出すはずの精液が奥で留まっている。指で掻き出そうとするが、一番奥には届かない。
     自分の未だに醒めない魔羅を見て、再びナカに押し当て抉っていけば高杉の躯が飛び跳ねる。
     坩堝にハマった森は理性をかなぐり捨てて高杉を貪った。

     翌朝、目覚めた高杉にできる限りの介抱はしたが「これはこれで良い」と高杉が顔を緩ませながら不埒に考えているのは分かっていた。
     次の休暇、絶対に高杉はゴムを切らせている。今までの経験から分かる
    もう少し自分を大事にしろと口にしたいが、分からせなければ高杉は反省しない。
     念のためだと、森は信長が記したアダルトショップへ足を踏み入れる。
     日本のカオスな空間と違い、裏路地にある店は閑散としており避妊具の他はローションとポルノ雑誌か置いていない。
     日本のコンビニに近かったが、それでも売り場の棚全てに鍵が掛かっているか、ダミーでこの辺りの治安の悪さを表している。
     ノーマルサイズを通り過ぎ、ビックサイズと綴られたプレートの前に立ち、森はゴムを物色する。日本よりは品揃えは良いが、薄さはやはり日本のモノが良い。
     前に高杉に違いを聞かれ「皮付きソーセージになった気分」と何気なく似た触感を口にすれば、「君のはフランクフルト、いやあれだ渦巻いているあれ」でないと僕のが可哀想になると一人漫才していた高杉を思い出す。
     本来の意図で使うことはないが被せて弄るのも面白いかもしれないと森は口角を上げる。
     防犯用に設置された鏡からは変わらず一見朴念仁とした姿が見えるが知っている人間が見れば、どこか色香が漂っている。
     一番日本製に近い商品を選ぶと、一眼レフカメラを手入れしている店員の前に置く。
    「いらっしゃいませ……」
    咄嗟にでた日本語か森の体格か凡庸とした男が驚きながらも、大事そうにカメラを置くと店の奥へと入っていく
    戻ってきた店員はゴムをスキャンし、気遣いか紙にゴムを包むと森に渡す。
     チップにと少し多めに金を渡し、店を出ようとすれば店員が声をかけてきた。
    「森さんですよね……」
    店員が尋ねていたので返事をすれば、信長に頼まれたと店を閉め森を海辺へ連れて行く。「一枚だけ写真を撮るように言われたので、なんだっけ……」
    恋人に送る最高の一枚と書かれたメモに店員は泣き出しそうな顔をする。
     森もどんな表情をしていいかと首を傾げれば、恋人が一番幸せそうな顔と思い出を浮かべればいいですよと店員は気を持ち直してプロの根性を見せる。
     高杉の笑う顔、泣いた顔、怒った顔と順番に思い出しながら記憶を森がたどっていくと
     店員は迷いなくシャッターを切り続ける、満足げにもういいと森を現実へ戻すと、あとで送りますねとそのまま店に戻っていった。
     暫くして、店に陳列してあったゴムが根こそぎ入れたような箱が届いたが写真だけはなかった。
     *
     森がゴムを買いに行く映像をパソコンで眺めた高杉が頬を赤らめている。
     どんな過激なポルノよりも官能的な森の姿ににあてられた高杉は、躯が火照って仕方がない。森と付き合ってからご無沙汰だった自慰でもしなければ落ち着かないと、取り出したのは一枚の写真。伝票の裏にこっそりと隠されていた紙袋に入っていた森の写真と、微かに手紙から香ったオレンジの匂いに勘づいた高杉が、コンロであぶり出せば「しばらくそなたの借りるから前払い」と文字が浮かんできた。
     そして今回の映像。完全に遊ばれているなと、ため息を漏らすが勝てる見込みはない。
     ジッパーを開け、屹立を取り出そうとすれば「ただいま」と森の声がする。
     リビングの扉を開けば、右手は股間に、自分の写真と再生される映像を見て顔色を変える高杉が目の前にいた。
    「丁度良かった、」
     試したいことがあったのだと笑顔を全開にし森が高杉に近づいていく。
    「何、いやこれはね……」
     言い訳しようにも逃れられない高杉だが、くるりと背を向けパソコンと写真を片手に逃げだそうとするがそれより先に森の方が早かった。
    「お前の分もあるから、試してみたいって言っただろ」
     取り出されたのは三つの箱、一つはスタンダードなサイズ、あとの二つは森のサイズ。
     ゴムを被せられ、じっくりと見られながら自慰を披露した高杉がもういらないとゴムを捨て、森に強請るのはもう少し後の話
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