B 内緒、というと幾分子供じみたように感じるが、秘密と言うほど大した事ではない、そんな事をいくつも積み重ねてきた。
いつからだったかと振り返ると始まりもやっぱり屋上だったと思い出した。
ギイと錆びついた音がして扉が開く。昼休みになるとオレたちはいつも屋上で過ごしていた。それまでは他の人が来る事なんて無かったから、ついに先生に見つかり怒られるのではないかと少し身構えた。しかし、振り返った先にいたのは見覚えのあるデカい男だった。
「何やってんだよ」
「昼休みなんで、休みに」
「屋上は立ち入り禁止だぞ」
「でもセンパイいる」
「オレらはいいの」
「不良だから?」
「おい!今は違うだろ!」
「そうなんすか」
特に興味がないとでも言いたそうにするりと横を通り、オレ達がいる場所とは違う方向へ進んで行く。
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