【bll夢 男主】あいつのパスを、受け取るために。【isgの独白】 潔世一には、幼馴染がいる。
幼馴染の夏目有利は、優しく、そして努力の天才だった。
世一がサッカーをやりたいと言ったら、一緒にやってくれたし、世界一のFWになりたい、と言えば、バカにせず『じゃあ、その隣に居れるように、俺もMF頑張ろうかな』なんて言ってのける、そんな奴だった。
そして、本当にMFとして努力を重ね、世一を試合中に輝かせてくれる。そんなMFに彼はなるよう、練習を重ねた。彼のパスの精度は上がり、そして、かゆいところに手が届くような、欲しいところに来るような、そんなパスを出す幼馴染が、前よりもっと大好きになった。
毎日一緒にサッカーをした。毎日パスをねだった。毎日彼が隣にいることが、世一の当たり前だった。
2004