【bll夢男主】isg4️⃣1⃣は太腿フェチである。 潔世一は、ふとももフェチである。その原因としては、幼馴染である『夏目有利』があげられる。
数年前の事に、それは起こった。
ボールを追いかけて走り回る世一、そして、休憩がてらそれを眺める有利。しばらくして、世一が満足したのか、飲み物をとりに有利の方へと走り出す。
……次の瞬間、つまずいて倒れる世一。慌てて手を伸ばす有利。
______そして、太ももへと埋まる顔。
世一の顔は、すっぽりと有利の太ももの間へと収まっていた。
スポーツをしているため、少し硬いが、柔い太腿。運動したためか、少ししっとりとした肌。世一は、なんとも言えない感情を抱き、固まってしまった。
「え、えっと、その、世一、大丈夫……?」
こんな状況の中、驚きつつも、有利は幼馴染が無事かを心配していた。運動の後で疲れたのか?普通に転んだだけ?でも、とりあえずは体に異常が無いか、それが一番大事だった。
「あ、ごめん、だいじょ……。」
「っ、ひうっ!?」
自分が声を出した瞬間、有利はビクンと体を跳ねさせる。彼の方へと目を移せば、顔を真っ赤にして口元を押さえた。なんて声をだしてしまったんだ、と言うように恥ずかしそうにするその姿。初めて見る幼馴染の顔に、世一はカッと熱くなった。
「や、ちが、そこでしゃべられたら、なんかくすぐったくなって……!ど、どいてもらっても!?」
「すぐにどけます!!!」
幼馴染のはぁ、という熱っぽい息で、世一は敬語になりながらばっと顔を外す。こんなに真っ赤な顔をして、熱い吐息を漏らす幼馴染に、世一はぐるぐると思考を奪われる。練習は終わりにしたが、あの一瞬が世一の頭に残って仕方ない。
太ももに挟まれた感覚も、恥ずかしそうに顔を赤らめる幼馴染も、くすぐったそうに少しねじった体も、そして、艶めかしい声も。
______そうして、何も知らない幼馴染に、世一は太腿フェチにされたのである。
長く一緒にいるため、たぶん太腿フェチなんだろうな、とは有利は見当はついているものの、それが自分のせいだ、という事を、彼は一生知ることはないのだろう。